台湾沖航空戦という本を読みました。この台湾沖航空戦は戦果の発表が過大ではまだ足りないぐらいで、非常に過大な戦果を発表しました。米海軍の航空母艦を10隻以上撃沈と発表しましたが、実際には巡洋艦二隻の大破でしかありませんでした。部隊できちんと戦果の評価を行わなかったことが原因だと思います。部下から撃沈したと報告をうけたものをナシとすることは人情としては忍びないことは理解できますが、今やっているのは戦争なのですから客観的な判断をすべきであったと思います。
緒戦の日本海軍が有利な状況であっても米海軍の正規空母を撃沈するには、多くの爆弾と魚雷を命中させて多大な犠牲をはらっています。日本にとって著しく不利になっている段階でかような大戦果があげられるはずはないと考えるのが普通だと思うのですが、誰もそれを止めなかったのは海軍の姿勢を問われるところだと思います。
さて、台湾沖航空戦では戦果は残念ながらあがりませんでしたが、画期的なことが行われました。それは陸軍の重爆部隊が雷撃機として海軍の指揮下にはいって戦ったことです。陸軍機は長時間海上を飛ぶような活動は行いませんから航法ができません。もちろん魚雷もありませんから雷撃したこともありません。そこで最新鋭重爆のキ67の部隊に海軍が航法や雷撃の訓練を行って海軍機と一緒に米艦隊攻撃に参加したのです。
本書でも前半部分はキ67部隊の訓練の様子などが書かれています。陸軍も優秀な搭乗員を集めたようですし、キ67の性能はとても優れていました。当初は海軍式に戸惑ったもののしだいに慣れて雷撃ができるまでに、しかも夜間の雷撃まで可能な錬度になりました。これは陸軍搭乗員の努力だと思います。そして陸海軍の将兵とも友好状態で訓練に励んだとのことです。
そして実際の戦い。作者は生き残りの搭乗員への取材などからわかる範囲で再現しています。それを読んで感じるのは、日本陸海軍の部隊の錬度は高かったということは確かです。ただ、米海軍のレーダーや対空砲火の技術にはかなわなかったと言えます。レーダーを備えた夜間戦闘機に迎撃される。的確な対空砲火を浴びせられる。そのため雷撃できるところまでだどりつく前に撃墜されてしまう機が多くなってしまいます。そのため攻撃から生き残って帰還できた機体は極少数となってしまいました。
台湾沖航空戦は戦果発表でケチをつけましたが、陸海軍部隊が協力して戦ったことは一定の成果をあげたのではないかと思います。
緒戦の日本海軍が有利な状況であっても米海軍の正規空母を撃沈するには、多くの爆弾と魚雷を命中させて多大な犠牲をはらっています。日本にとって著しく不利になっている段階でかような大戦果があげられるはずはないと考えるのが普通だと思うのですが、誰もそれを止めなかったのは海軍の姿勢を問われるところだと思います。
さて、台湾沖航空戦では戦果は残念ながらあがりませんでしたが、画期的なことが行われました。それは陸軍の重爆部隊が雷撃機として海軍の指揮下にはいって戦ったことです。陸軍機は長時間海上を飛ぶような活動は行いませんから航法ができません。もちろん魚雷もありませんから雷撃したこともありません。そこで最新鋭重爆のキ67の部隊に海軍が航法や雷撃の訓練を行って海軍機と一緒に米艦隊攻撃に参加したのです。
本書でも前半部分はキ67部隊の訓練の様子などが書かれています。陸軍も優秀な搭乗員を集めたようですし、キ67の性能はとても優れていました。当初は海軍式に戸惑ったもののしだいに慣れて雷撃ができるまでに、しかも夜間の雷撃まで可能な錬度になりました。これは陸軍搭乗員の努力だと思います。そして陸海軍の将兵とも友好状態で訓練に励んだとのことです。
そして実際の戦い。作者は生き残りの搭乗員への取材などからわかる範囲で再現しています。それを読んで感じるのは、日本陸海軍の部隊の錬度は高かったということは確かです。ただ、米海軍のレーダーや対空砲火の技術にはかなわなかったと言えます。レーダーを備えた夜間戦闘機に迎撃される。的確な対空砲火を浴びせられる。そのため雷撃できるところまでだどりつく前に撃墜されてしまう機が多くなってしまいます。そのため攻撃から生き残って帰還できた機体は極少数となってしまいました。
台湾沖航空戦は戦果発表でケチをつけましたが、陸海軍部隊が協力して戦ったことは一定の成果をあげたのではないかと思います。