半年前の衆院選から、もうこの国の国民は自らの権利を棄てたのだと諦めていた。
そしてこの夏は、戦後民主主義の本丸、立憲主義と国民主権が崩壊しようとしている。
民主主義とは何か?と問われて、
湯浅誠は、「どんなに嫌がっても、主権者から降りられないシステムなのです」と答えている。
政治の貧困は、「誰も責任をとらない」という日本型統治システムの構造的欠陥も、もちろんあるが、
無関心であり続けた私たちの社会認識の貧困さが、そんな政治風土を培養し続けてきた結果なのだろう。
哀しいけれど、「その国の民度が、その国の政治に合わせ鏡のように、そのまま反映される」
と昔から云われ続けてきた通説は正しい。
半年前から、社会的発言を続けることの虚しさに囚われていた。
ブログ記事に起こして、こうやって言葉を連ねることには、それなりのエネルギーを要する。
正直、もうコメント欄における呟きぐらいしか、
己の発する言葉が力を保てなくなった(汗)
このまま、ずるずると日本は、戦前の価値観を共有する父権的で独裁的な全体主義国家へと回帰してゆくのだろう。
大日本帝国統治システムの継承者、岸信介の直系である安倍晋三と、その支持母体、日本会議が、
その相貌を露わにし始めた、この夏は。
もう誰にも、その暴走は止められないのか?
ところが風向きが…
もしかしたら、変わるかもしれない。という希望が芽生えてきた。
確かに、それは国会における憲法学者の「違憲」発言からだ。
憲法学者、長谷部恭男は、こう発言しています。
「日本の戦後においては、合憲か違憲かの線引きという形で、安全保障をめぐる議論が実質的に行われてきた。
備えあれば憂いなし、という政治家の論法に対して、
内閣法制局などの法律の専門家が、どうしてブレーキをかけられたのか。
それは憲法解釈を争点にしたからです。
憲法論をはずしてしまえば、もうブレーキはどこにもない。
拡大路線を止めることが、いかに難しいかは、戦争の歴史と原発の歴史が示している。
それが危ないと国民も思っていることは、
「違憲」指摘後の世論の反応にあらわれています」
そしてこうも。
「首相は、「国民の理解が進んでいる状況ではない」と答弁しましたが、
私は、むしろ国民の理解は進んでいる。と思います。
法案は違憲の疑いが濃く、日本の安全保障に役立ちそうもない。
そうした理解が進んだからこそ、反対の声が強いのだと思います」
強行採決後の世論調査では、安倍内閣の支持率は、急落。
共同通信37%。毎日新聞35%。
5%くらいの下落を見込んでいた官邸は10%以下の下落に慌てて、
一週間前までは、やる気満々だった国立競技場の建設計画を白紙撤回。
もしかしたら、変わるかも?
将来世代に負の遺産を押し付け続ける無責任な大人たちにNOと声を上げ始めた若者たちが頼もしい。
追記:2011年3月以降始まった、高橋源一郎の新聞連載、論題時評は、もうその役割を終えたと思われていた
新聞等の紙メディアの中で、注目に値する斬新な視点をいつも提供してくれていた。
その単行本化である、本書を一カ月前に読み終えた。
なんとか、この本を紹介したいと思っていたが、上手く言葉が繋がらない。
今回の掲載は7/15 の安保法案強行採決を受けての見切り発車となってしまいました。
高橋源一郎氏には申し訳ないけど、ほとんど本書の内容には触れていません。
一番印象に残った湯浅誠の「民主主義は、どんなに嫌がっても、主権者から降りられないシステムなのです」
という言葉を冒頭に引用させてもらっただけ(汗)
もう一ヶ所、どうしても紹介したい文章があります。
現在の私たちの立ち位置を正確に現わしている、とても明晰な視点。まるで鳥瞰図のような。
なぜ、歴史認識をめぐって、不毛とも思える激しい争いが繰り広げられるのか。
あるいは、なぜ、かつては問題でなかったことが、突然、問題として浮上するのか。
そして、なぜ、その問題は私たちを苦しめるのか。
それは「過去」というものが、決して終わったものではなく、
その「過去」と向き合う、その時代を生きる「現在」の私たちにとっての問題だからだ。
では、「過去」が「現在」の問題であるなら、私たちは、どう立ち向かえばいいのか。
「私たちの生は過去の暴力行為の上に築かれた抑圧的な制度によって今もかたちづくられ、
それを変えるために私たちが行動を起こさないかぎり、将来もかたちづくられ続ける。
過去の侵略行為を支えた偏見も現在に生き続けており、
それを排除するために積極的な行動にでないかぎり、
現在の世代の心のなかで、しっかりと居座り続ける」(テッサ・モーリス・スズキ)
遥か昔に、植民地支配の戦争は終わった。
だが、本当に、遠い「過去」の話だろうか。
違う。
戦争を招いた、偏見や頑迷さが、今も私たちの中で生きているのなら、
その「過去」は、まだ生きているのである。
ぼくらの民主主義なんだぜ (朝日新書) | |
高橋源一郎 | |
朝日新聞出版 |
安倍政権へNOを。
私たち一人一人の意思を示しすために。
目の前で扉を開こうとしている暗黒の時代を阻止するために、
この時代に生きる私たち大人の責任を果たしましょう。
http://abe-no.net/
SEALDs @SEALDs_jpn · 5時間5時間前
今週の金曜日(24日)はここ2ヶ月で一番の動員数になると思うよ。最低10万人。