Landscape diary ランスケ・ ダイアリー

ランドスケープ ・ダイアリー。
山の風景、野の風景、街の風景そして心象風景…
視線の先にあるの風景の記憶を綴ります。

シラベの森の冬景色

2016-01-12 | 風景

 

新年の山は、初詣を兼ねて恒例の石鎚へ。

いつまで待っても、真っ白な銀世界は訪れないようだ。

今シーズン、真っ当な雪山風景だったのは、初冠雪の11月末だけ。

それ以降は、わずかな降雪を数えるだけという有り様。

冬山情報は、すべて低気圧通過後に着氷した霧氷風景ばかり。

今回入山した1/10 の石鎚山の積雪状況は、

私の記憶する限り、過去最低の積雪量だろう。

夜明峠で登山路の地面が半分以上露出しているのだから(汗)

夏の長雨、秋の記録的に早い山の紅葉、そして記録的な暖冬だ。

毎年のように繰り返される異常気象は、

どこかで私たちは閾値を超えたのだと考えざるを得ない?

定点観察のように17年間、石鎚山へ通い続け、山の自然風景を撮影し観察していると、

気候変動という自然現象の変化を肌身に感じてしまう。

 

悲観的ばかりにも、なっていられない。

劣悪な状況でも、私たちは毎日を生きてゆくしかないのだから。

新聞を読んでいて、とても印象に残る言葉があった。

「答えは一つではない」

学校教育においても会社組織においても、

私たちは問題解決のための最適解を求められる。

たった一つの正解を。

でも自然界において生き残るための選択肢は、決して一つではない。

その状況において無数に選択肢はあるのだ。

「答えは無数にある」

効率化を最優先するあまり、私たちは袋小路に陥り、あまりにも視野を狭めているようだ。

 

ということで、絶望的に真っ黒な石鎚山の冬風景から目を転じて、

霧氷風景が残る西側に連なる山々へ移動した(笑)

シラベの森の霧氷樹を夕映えの色に染まるまで粘り強く追いかけた。

今回もmasaさんと一緒の山行。

少しづつ雪山の状況に身体が馴染んできたmasaさんでした。

写真の成果には乏しかったけれど、

11日朝の黒雲の狭間の黎明の光。

(11日、明け方の気温は氷点下4℃でした)

下山時に見た西条平野を群れ飛ぶナベヅルの姿。

(西条市は、四国では数少ないナベヅルの越冬地です)

凡庸な風景にも、輝く美の瞬間はある(笑)

 


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6 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
デビット・ボウイの訃報 (ランスケ)
2016-01-12 20:09:14
山から帰宅して、デビット・ボウイの訃報を知りました。
ニュース映像からは英国のキャメロン首相が哀悼のメッセージをカメラ越しに伝えていました。
また一人、偉大なポップスターが消滅。
超オシャレなロックスターでした。
Ziggy stardusut と2002年のベルリン・ライブの動画を貼っておきます。

https://www.youtube.com/watch?v=eIXmFL9ckGE

https://www.youtube.com/watch?v=5ysBEYyJ25U
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デビットボウイ (masa)
2016-01-12 21:02:09
そうなんですーーー山のこともすっかり忘れてしまうニュースでした。先週復活のデビットボウイの話を
聞いたばかりだったので なんで!!です。2003年
ぐらいに心臓病の手術をし 復活はもう無理だと言わ
れてましたが 2013年に大復活を遂げたばかりなんです。80年代ロック界の大御所 ご冥福をお祈り申し上げます
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待望の寒気到来 (ランスケ)
2016-01-12 23:09:08
masaさん、お疲れ様。

あれ、意外?
中島みゆきフリークスのmasaさんもデビット・ポウイに関心がありましたか。
英国はビートルズを筆頭にポップミュージックの歴史を築いてきた偉大なミュージシャンの宝庫です。
私はアメリカ経由よりもイギリス経由の音楽に強く影響された10代だったかもしれません。
デビット・ボウイが69歳だったなんて?
とても、そんな爺(ジジイ)には見えません(笑)

やっと今週から来週にかけて、この時期らしい寒気が訪れそうです。
週明けには、平地でも氷点下まで気温が下がります。
待望の銀世界が。
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訃報 (鬼城)
2016-01-13 08:13:51
次々と大物シンガーや俳優さん方が亡くなっていく。
世の常と言いながら、青春時代を共に過ごした人たち・・・寂しさは募る。
ランスケさんの山行、楽しみにしていました。
雪は記録的に少ないようですね。
反動が今日あたりから、来集にかけて来そうです。
「答えは一つでは無い!」名言です。人間でも、社会現象でも、自然界に於いてでさえ、そう思います。
しかし、人間は一つを求める。
何かがおかしい・・・
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山では雪でしょう (ランスケ)
2016-01-13 12:11:57
そうですよね。
私たちの年齢になると同時代のヒーローやヒロインたちの訃報が続きます。
改めて、自分たちの過ごした時代への郷愁と重ねてきた加齢を思い知らされます(笑)
インターネットの恩恵で、懐かしい映像や音楽も簡単に再生できることも、有り難いですね。

昨夜からの雨は、たぶん山では雪だと思います。
やっと寒中らしい寒気が戻ってきました。
鬼ヶ城も白く冠雪しているのではないでしょうか?
週明けの氷点下の気温は、ひょっとすると天赦園の雪化粧が観られるかも?
また宇和島からの冬点描を楽しみにしています。
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新自由主義の賞味期限切れ (ランスケ)
2016-01-13 19:41:15
アメリカの大統領選の途中経過が面白いですね。
もう貧困と格差を拡大し続ける貪欲な新自由主義的経済は限界なのでしょう。
カナダやイギリスでも、揺り戻しとして「富の再分配」を求める社会主義の台頭です。


内田樹 ✔ @levinassien

アイオワの世論調査で民主党大統領候補でバーニー・サンダースが49%、ヒラリー・クリントンが44%。
サンダースはみずから「社会主義者」を名乗っているただ一人の上院議員。
国民資源の分配を市場に委ねず、政府がフェアな再分配に関与するという、
新自由主義を真っ向から否定する立場です。
大統領選、予測ではヒラリー優位ですが、
レーガン時代以来30年にわたってアメリカの支配的なイデオロギーだった新自由主義が
「賞味期限切れ」になっており、人々は別の解を求めているということは確かなようです。
そういうときにまだ「選択と集中」とか言っている人がいる国はどこ?


堀 茂樹 @hori_shigeki

フランス人経済学者ピケティが言っていた事を思い出そう。
新自由主義的グローバリズムに終止符が打たれ、
平等強化への世界的潮流がうねり出すとしたら、
それはたぶんアメリカ発だろう、と。
⇒クリントン氏、最富裕層への税上乗せ提案
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