Landscape diary ランスケ・ ダイアリー

ランドスケープ ・ダイアリー。
山の風景、野の風景、街の風景そして心象風景…
視線の先にあるの風景の記憶を綴ります。

午下がり

2016-08-27 | Walk on

 

台風が来る前に、夏の名残を…

嵐が過ぎると、日めくりを捲るように季節が別の顔になっているかもしれない?

足早に過ぎ去る夏の後ろ姿は、

置いてけぼりをくったみたいな、切なさが募る。

きっと、いつまで経っても夏休みの感傷(トラウマ?)から抜けられないのだろう(笑)

 

風に秋を感じるが、陽射しは、やっぱり暑い。

この日も34℃を越えたようだ。

いつもは、お遍路道、久万街道から松山市内に入る旧街道筋を辿る。

その道を一本外してみた。

田圃の中に延びた道を辿ると、

田園風景に日盛りの濃い影を落とす、こんもり盛り上がった塚と一本の樹が目に入った。

田圃の真ん中にポツンと立つ樹は、何かを祀っている場合が多い。

お地蔵さんやお不動さんの小さな祠と桜の樹なんてロケーションをよく目にする。

ここの場合は近くにある弘法大師伝説、衛門三郎の文殊院に因む八ツ塚古墳だった。

古墳に樹を植えて、衛門三郎の亡くなった子供たちを菩提(地蔵菩薩)しているようだ。

(後で調べると周囲に八つの小さな円墳が群集しているらしい)

遍路道から外れているので、まったく知らなかった。

いつもの通いなれた道を一筋外してみると、近場だって思わぬ発見があるものだ。

里山散策も雑木林の奥へ足を踏み入れてみた。

木蔭に咲き残った一輪の桔梗が木漏れ日に揺れていた。

クヌギの樹に、コムラサキが夏の忘れ物のように一頭だけ無心に樹液を啜っていた。

もうカナブンやカブトムシの姿も見なくなった。

ツクツクボウシの蝉しぐれが降るようだ。

最後はギンヤンマの飛翔。

空の青を纏った憧れのヤンマは、季節最後の命を繋ぐため、縄張り巡行に余念がない。

 


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4 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
雨上がりの山へ (ランスケ)
2016-08-28 19:51:30
夏風邪、快方へ向かいそうですか?
今朝は、少し寒いくらいでした。
わずか2℃下がるくらいで、ずいぶん身体の感じ方は違うものです。

天気情報サイトの雨雲の動きを見ていると、
やっと山にも、まとまった雨が降ったようです。
明日の様子を見て、夏の終わりの堂ヶ森へ入ろうと思っています。

雨上がりの山は、新月前で星が降るようかもしれません(笑)
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秋のけはい (misa)
2016-08-28 18:26:27
土佐ではしなね祭りが終わると秋風に代わると昔からの言い伝え
確かに風が変わりました
裏山で泣く虫も秋?と思わせるほどです

やっと夏風邪が抜けてくれたようで
明日は半年ぶりの夜勤勤務
ちょっと興奮してます(笑)

ひと段落したら瓶車中泊やるつもりです
返信する
涼しい朝 (ランスケ)
2016-08-28 09:33:59
台風が秋を運んで来たようです。
昨日あたりから涼しさを感じるようになりました。
幸い、四国は台風の進路から逸れたようで、恵みの雨で済みそうです。

四国遍路の開祖と云われる衛門三郎の伝説は、強欲ゆえの悲しい話です。
旧久万街道と呼ばれる三坂峠から山道を下った里山の遍路道沿いに
伝説の舞台となった荏原集落があります。
軒を連ねる民家の佇まいが旧い往還路であったことを偲ばせます。
鬼城さんが、よく足を運ばれる生涯学習センターからも近いので、
文殊院や八ツ塚群集古墳群を絡めて訪ねるのも面白いですよ。

遍路道も、こちらの田園地帯を歩いた方が気持ちいいです。
世界遺産を目指すのなら巡礼路である遍路道を
ロングトレイルルートとして考え直さないと無理だと思います。
遍路道の大半は、車の行き交う主要幹線道路沿いですからね。

台風一過、秋の気配が漂い始めるでしょうか?
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対象 (鬼城)
2016-08-28 07:25:35
何を撮ってもすばらしい。
感性でしょうね。
絵心かもしれない。
衛門三郎伝説、多くの人に知って貰いたいですね。
三坂から下りた遍路道を一本外したのでしょうか?
農村風景が広がり、ちょっと暑さを忘れさせてくれる場所ですね。
もう8月も終わり、夏が過ぎていきます。
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