Landscape diary ランスケ・ ダイアリー

ランドスケープ ・ダイアリー。
山の風景、野の風景、街の風景そして心象風景…
視線の先にあるの風景の記憶を綴ります。

トンボの夏/キイトトンボ

2016-08-24 | 生き物

 

暑さも和らぐと云われる処暑です。

ところがこの日、今夏最高気温を更新しました…36.4 ℃。

気温の割には太平洋沖に停滞する台風10号の影響で風が強く、

あまり暑さを感じない一日でした。

ライブカメラを見ると石鎚登山口、土小屋では激しい雷雨だったようです。

日照りの夏も、やっと長いトンネルを抜けそうな様子。

週末あたりから、停滞していた台風10号が、ゆっくり動きそうな気配。

カラカラに乾いた四国地方にも恵みの雨をもたらしそう?

唯、この台風は停滞している間に、高い海水温のせいで、とんでもない巨大台風に成長しました。

上陸すると、恵みの雨どころか、大きな災禍が予想されます。

年々、気象現象は極端から極端に針が振れる傾向にあります。

 

さぁ、暑い夏を通して撮り続けた「トンボの夏」も、今回で終わりでしょうか?

最後は大好きなキイトトンボの再登場です。

黄昏の光に、ゆらゆら揺れる極小の精緻な飛行物体。

神様の創造した生命の奇蹟。

 

掲載した綺麗な泉は、残念ながら自然の景観ではありません。

元からあった泉を整備した親水公園です。

極力、ビオトープとして生態系に配慮して造られていますが、

水辺の生き物たちは多様性に富んでいるとは、まだ云えません。

わざわざ手間をかけて自然の景観に近い環境を再生するのなら、

初めから天然の森が育む泉を残してほしいですね(笑)

 

星野道夫没後20年の回顧展が始まっています。

私がもっとも影響を受けた写真家です。

星野道夫は動物写真家というよりも、文明史的な視点を持った写真家でした。

一万八千年前、氷河期の終わり、ユーラシア大陸の外れからベーリンジアを渡ったモンゴロンドの軌跡を

晩年の星野は、ずっと追いかけていました。

アラスカの先住民たちとの交流の中で、

我々、モンゴロイドの先祖たちが辿った長い旅の軌跡とその神話世界に深く傾倒してゆきます。

星野の著作、「旅をする木」の中の「トーテムポールを捜して」が印象的です。

先住民たちの自然崇拝の象徴であるトーテムポールが今尚残る深い森の中でのエピソード。

 

「この島に人が住んでいた形跡は七千年前まで遡るという。

そして神話の時代を生きた最後のトーテムポールは、あと50年もたてば、森の中に跡形もなく消えてゆくだろう。

そこに刻まれた、どこまでが人間の話なのか、動物の話なのか分からない様々な夢のような民話は、

彼らが自然との関わりの中で本能的に作り上げた、生き続けてゆく知恵だったのかもしれない。

それは同時に、私たちが失った力でもある。

人間の歴史はブレーキのないまま、ゴールの見えない霧の中を走り続けている。

だが、もし人間がこれからも存在し続けて行こうとするのなら、

もう一度、そして命がけで、ぼくたちの神話を作らなければならない時が来るかもしれない。」

 


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4 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
熱中症? (misa)
2016-08-24 17:42:55
夏風邪かと思いながら違和感を感じつつ一週間過ぎてから、もしやと思いました

大好きな入道雲が南の空に浮かびます
お誘いのお知らせも有ります
でもおひさまにあたるのが恐くなっています

来週から夜勤が入ります
断りきれない立場に情けなく思います

今夜は高知三大祭のしなね祭(善楽寺)
只今misaは絶不調
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この先、残暑も厳しそう (ランスケ)
2016-08-24 18:24:28
熱中症なら体温を下げれば大丈夫だけれど、
夏風邪は厄介ですね。

暖かくして安静に寝ていると初期の風邪は、ほぼ治ります。
でも外気が暑い夏は、風邪を治すには厳しい季節ですね。
生命が溢れる季節だけに、余計に生命力が萎えてしまいます。
我慢がまんのサウナ状態にして、なんとか鬱陶しい風邪を乗り切りましょう。

今回の記事は、星野道夫回顧展のために仕立て上げました。
ついでに22日23日に撮影した画像も一緒にアップ。
22日は弟の入院する病院の帰り、湧き立つ入道雲が見事でした。
日照りが凄くて公園の草は、ほとんどカラカラに枯れています。

一雨降ると、やっと山へ行けそうです。
misaさんも、残暑厳しい夏(一ヶ月予報も気温高そう)を乗り切りましょう。
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涼しげな・・・ (鬼城)
2016-08-25 07:53:18
キイトトンボの透明感が良いですね。
ランスケさんが好きなのも分かる気がします。
日本列島どこもかしこも自然に似せて作られた造形物が多いですね。
特に河川はひどい。
生態系が宇和島でさえ変わっています。
できる限り自然に近づける努力は買いますが、ランスケさんが言われるとおり、それならそのままが良いじゃないかと・・・(笑い)
星野通夫さん、一つのテーマを追い、創世されましたが、写真に訴えるものがありますね。
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気になる台風の行方 (ランスケ)
2016-08-25 09:59:17
今年の夏は、身近な題材で済ませてしまいました(汗)
重いザックを担いで山へ入るには、年々、気力が衰えてゆきます。

雑誌で星野道夫特集を見ていると、
「もっと遠くを見つめていたい」という衝動に駆られます。
回顧展には行けないので、
本棚の写真集や数多い著作を引っ張り出してきて読み耽っています。
空間や時間を越えて、原初の風景が持つ憧憬を掻き立てる稀有な作家だと思います。

徐々にモチベーションが上がって来ているので、後はお天気待ち。
台風10号の行方が気になります。
週明けには930hpa 最大風速70m/s 暴風域440km という今年最大の巨大台風となって北上して来ます。

http://www.tenki.jp/bousai/typhoon/detail-1610.html
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