リラの香の夜の闇つきて届きけり
(りらのかのよのやみつきてとどきけり)
路地裏の古りしポスターライラック
(ろじうらのふりしぽすたーらいらっく)
リラの香や風の便りは唐突に
(りらのかやかぜのたよりはとうとつに)
4月11日~20日のつぶやき句を32句にまとめました。
闘鶏や南沙諸島に波高く 闘鶏や九条に誓ふ平和主義
闘鶏やすまじきものは宮仕え サックスの少女や菜花蝶と化す
園児らの舞や菜の花蝶と化す 淡海へ菜の花蝶と化す如く
迷路より出でて菜の花蝶と化す おかっぱをおさげに十三詣かな
恥ぢらひを初めて十三詣かな 少年の照れある笑みや知恵貰ひ
緞帳の降りし余韻や残り花 読了の浸る余韻や残り花
遠き日の褪せし恋文残り花 停車場のラストシーンや残り花
自分史に一つ添えたる残花かな ここ一番肥後もっこすぞ春の地震
過ぎ来れば辛苦も彩に春の虹 今泣いた子がもう笑う木の芽晴
妖精の目覚むる如く木の芽晴 人柄ののぞく笑顔や木の芽晴
青海苔や滑舌清き奴の弁 青海苔の侘しき独り朝餉かな
青海苔や酒道極むに未だ半ば 花銀杏少女の初めし薄化粧
恋求む和泉式部や花銀杏 恋心秘める少年花銀杏
描いて消し描いては消して磯遊び 磯遊び波と交はせる独り言
まだ恋と知らぬ二人や磯遊び 梢より残滴一つ穀雨かな
祈り伏す揺るる大地の穀雨かな 被災地にうべなふけふの穀雨かな