皆様こんにちは
山三三ツ屋染舗の三ツ屋邦孝です。
ドライ機を導入後、自店にてきものをドライクリーニングで丸洗いスタートしましたトラブルに見舞われず
順調に滑り出しました。丸洗いのきものも徐々に増えていき、色々な経験とデータも増えていきました。
まだまだ研究段階で洗浄力の向上、洗浄時間、前処理、溶剤管理等研究課題は山の様に有りました。
クリーニング業の先輩や機材商や資材商の方に色々とアドバイスを頂きましたが、
何が基準になる事も当時はわからず暗中模索の様な状態でした。
「洋服と違いそんなに和服は汚れていないので和服にはソープ(洗剤)は不要だ。」と言う
クリーニング業の諸先輩の意見は科学的な根拠では無く経験的な立場からのご意見のためにとても困惑していました。
しみ抜きに関しても当時の札幌の業界は職人不足の為に、しみ抜きや染色補正を産地の京都や東京に送っていた
呉服問屋や小売店も多かったと思います。私も取引先の呉服小売店の紹介で、ある問屋さんの仕事を初めました。
修行時代を含め今までは仕立て上がりの着物の着用後のしみ抜きがメインでしたが、
問屋ですから当然、仕事の依頼は出荷前の商品がメインでした。
新反や仮縫いの訪問着や振袖や留袖等の汚れヤケや柄の修正等染色補正のご要望が多くありました。
この事も自分の技術向上及びスキルアップにつながりました。
特に仮縫いの日焼けの商品は新反でありながら各地の展示会や小売店等を
回った商品なので筋汚れがきつく、ドライクリーニングだけでは、汚れが落ちきれず
しみ抜きで部分的に筋汚れを処理するとその部分の地色が綺麗になりますので
最終的に両親の洗い張り部門にお願いして水洗いをしてもらい、全体的の
ヤケ直し(色掛け)を、かなりの数をこなす事が出来ました。
当時のクリーニング業界で、しみ抜きで高名なみけし洗いの小出富勝先生が講師をしていた
多賀しみ抜きスクール講習会にも積極的に参加しました。
小出先生の講習会は修行時代に一度と卒業後に一度、各一日講習会でしたが
今回は地元の資材商の企画の講習会を偶然知り空席があったので参加しました。
土日の二日間と一ヶ月後に再度土日の二日間の合計4日間のとても内容の濃い講習会でした。
講習会は前半の講演と後半は先生の実演があるので一番近くで先生の作業を見る事が出来たので
師匠とは違う薬剤や違うしみ抜きの方法も学びました。資材商さんの主催だったので、
新しいしみ抜き剤や絞りの帯揚げからの移染の落とし方等、京都の染色補正のしみ抜き方も有りました。
後半は講習会に持ち込まれたきもののしみ抜きの実演中に、昨夜いったすすきののお姉様が着用後にしみが付き、
購入した小売店に持ち込み丸洗いを勧められ丸洗いをして仕上がり後にお姉様が検品後しみが抜けていないので、
再度丸洗いをしたがやはりしみが抜けず二度も料金を請求され大変ご立腹のご様子でした。
きものには、「生地が弱っている為にこれ以上のしみ抜きが出来ませんでした」と書いた大きな札が付いていました。
私の知っている同業者でした小出先生は、中性洗剤を付け簡単にしみ抜きを完了してしまいましたが
苦笑いでした。なぜなら小出先生の講習先だったからです。
他にも地元の新聞で取材を受け、京都からも難しいしみ抜きが送られ来る答えていた
クリーニング店の方も出席されていました。
このクリーニング店が小出先生に相談の為に持ち込んだ着物はすべて
水色(空色)の地色の胸の古い黄変の汗じみの訪問着を2~3枚持参して
小出先生にしみ抜きの実演をしてもらっていました。
先生も強くしみ抜きをすると地色が白く抜けるので、軽く黄変抜きをして、色掛けをしました。
水色は昔東京の新橋の芸者さんが好んで来た色で水色の事を新橋色又は新橋と業界人は言います。
水色(空色)は、黄変抜き(酸化漂白)でもすぐに色が壊れて脱色し易くのでしみ抜き職人は
出来るだけ水色の地色を壊したく無い為に軽くしか黄変抜きをしませんので、しみが残っている事が多いのですが
脱色してもしっかりと黄変しみを抜きを行う事が大切です。
色掛けも新橋(空色)一色で修正出来るために実はそんなに難しい色ではないのです。
ただし色掛けが広範囲の時は色ムラを起こしやすいので、気を付ける事のみです私自身はこの事をよく熟知しています。
修行が終わり難しいしみ抜きや色掛けは両親には申し訳ない事をしましたが
私自身は採算度外視でどんどん取り組んできた成果を少しずつ実感し始めました。
このクリーニング店も水色の地色の胸の黄変抜きで苦労している事を
再度確認出来た事はとても収穫になりました。
業界の技術水準と現状を十分に把握出来たとても実りのある講習会になりました。
多賀シミ抜きスクール講習会の受講修了証
着物と洋服のお手入れでお困りな場合は、
厚生労働大臣認定一級染色補正技能士のいる
山三 三ツ屋染舗にご連絡下さい善処致します。
〒062-0902
札幌市豊平区豊平2条2丁目2番20号
電話011-811-6926 FAX011-811-7126
メール mitsuyasenpo@train.ocn.ne.jp
ホームページ http://328senpo.sakura.ne.jp
営業時間 平日(月曜~土曜) 午前8時~午後6時
休日 日曜 祝日
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