皆様こんにちは
山三 三ツ屋染舗の三ツ屋邦孝です。
いつも当ブログをご覧いただき誠にありがとうございます!!
地方のクリーニング店で辻ヶ花の振袖の丸洗いの依頼を受けたのですが高額な
商品な事と絞りが伸びる可能性があるので当店に丸洗いのご依頼が有りました。
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辻ヶ花振袖袷
辻ヶ花(つじがはな)とは、室町時代から安土桃山時代にかけて現れた絞り染めの技法です
辻が花は、縫い締め防染による染めを中心にしたもので、室町時代末期から江戸時代初期に
至る短期間に隆盛してました。しかし、江戸時代中期に糊で防染する友禅の技法が確立、
普及していくと、図柄の自由度や手間数の多寡という両面で劣る辻ヶ花は、
急速に廃れ消滅した。その技法が急速に失われてしまいました。
現代では日本の染色工芸家の久保田一竹が伝統的な辻が花を完璧に復刻するのは技術的に
不可能であると判断して代わりに“一竹辻が花”として自己流の辻を発展させていきました。
私も修業時代に大阪の高島屋百貨店で展示会に行った事を思い出します。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/2a/f9/e1b38f62780bdf021cab336534743e95.jpg)
辻ヶ花振袖袷 落款
この振袖袷には「翠山」の落款が入っていました。
翠山は新潟県十日町市の工房の名称です。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/2d/41/933d6b0f1bd481344d3a4decb20be8b2.jpg)
辻ヶ花振袖袷 上前柄付け
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/56/48/a9edb9ecec326f9c5136764e0dc1c6c6.jpg)
辻ヶ花振袖袷 上前柄
この辻ヶ花振袖はラメ入りの分厚い生地に絞りが入っているのでが絞りが伸びやすくて
復元しずらい品物の為に着物の知識が無かったり作業経験の無い方は絞りを伸ばしたり
する事故を何度もみています。ご依頼をして頂いたクリーニング店はとても賢明な判断を
されました。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/64/a9/abd5b73a15b3f6407520628a0c6afeb5.jpg)
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/1c/8d/44f3667fba8557cbcb0c5c787bc5e488.jpg)
辻ヶ花振袖袷 袖柄 作業前
湿度の高い地域のお客様が長期保管をされていたと思われます、表地がバイアスに
柄付けしている事と柄の入って無い部分が伸びていて柄の入って入る絞りの部分が
縮んでいるので、全体的に型崩れを起こしています。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/0a/73/7d1496ea42add1aabcfa3fcf6b590c6b.jpg)
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/20/df/222083644c922aeac75a0cb3b2b70c41.jpg)
辻ヶ花振袖袷 袖柄 仕上げ後
表地の生地がラメ入りの分厚い生地の為、業務用の蒸気アイロンでプレスしても
なかなか言う事を聞いてくれませんでしたが、絞りを伸ばさずに無地の部分の
歪みを根気強く修正していきました。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/36/0b/0a6d8c88ad5b11fb89f5d3a2bb8b075c.jpg)
辻ヶ花振袖袷 仕上がり
綺麗に仕上がりホッとしました。
着物と洋服のお手入れは
厚生労働大臣認定一級染色補正技能士のいる
山三 三ツ屋染舗にご用命下さい。
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