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創業106周年きものと洋服のお手入れ専門店 一級染色技能士の仕事事例と日常生活

泉州生洗い本舗おくなが 三年間の修行時代6

2013年06月13日 | 山三 三ツ屋染舗について

皆様こんにちは

山三三ツ屋染舗の三ツ屋邦孝です。

修行も一年が経ち、しみ抜きを一通りできるようになっていました。

後輩も四人入ってきました。関西地域、愛知県豊橋市、北海道小樽市、九州と言葉もバラバラでした。

みんなクリーニング業や染屋の子息でした。現在も数名頑張って仕事を続けています。

後輩が入って来て、タオル洗いからようやく解放されました。

いよいよしみ抜きやの真骨頂の色掛けと仕上げ(プレス)が出来るようなりました。

染色補正業や他のしみ抜き 教室では色掛け(地直し)作業には筆や刷毛がメインで使用していましたが

泉州生洗いでは色掛け(地直し)作業にハンドピースをメインに使用していました。

ハンドピースを現在では、絵画や模型に塗装に多く用いています。

染料を均一に掛けるのにハンドピースは非常に優れた道具です。

使いこなすのに少々時間が掛かりますが、かかるといっても一週間位で出来ました。

師匠にハンドピースの特性と使用法を聞き、いつも師匠の色掛けや先輩達の仕事を見ていましたから

ぶっつけ本番色掛けに挑み続けました。

最初は染料の選別と濃度を師匠に聞きながらの作業でしたが一ヶ月位で色合わせもだんだん分かる様になりました。

染料は酸性染料が51色ありましたが、よく使う色は10色位でほとんどの色掛けが出来ました。

色掛けにも色々なテックニックがあり補色を使い黄変を目立たなくする方法

赤いインクも地色より少し薄くして反対色で目立たなくする方法ですが

一番多かったのは青色系統の黄変抜きで壊れた色掛けでした。

特に空色(新橋)の胸の汗ジミの黄変は、たくさん色掛けをやりました。

時間を掛け色掛けしても色むらになればまた色を落とし最初からやり直しです。

色掛けで足踏みしている頃に 師匠の奥さんから聞いた話ですが、師匠も色掛けで上手くいかないと

台所に来てお酒を煽ってまた色掛けをしていたとの事です。

必ず自分も習得するために一途に一心に色掛けを行いました。

昨年先輩が言っていた色掛けのし易いしみ抜き事を思い出しました。

母からも、色掛けは特に大切な事なのでしっかり勉強して習得する事を言われていました。

色掛けは先輩と競争しながら、行ったりしていた事が良き思い出になっています。

 

洋服のしみやメンテナンスでお困りな方は

厚生労働大臣認定一級染色補正技能士のいる

山三 三ツ屋染舗を是非ご用命下さい。

〒062-0902

札幌市豊平区豊平2条2丁目2番20号

電話011-811-6926 FAX011-811-7126

メール mitsuyasenpo@train.ocn.ne.jp

ホームページ http://328senpo.sakura.ne.jp

営業時間 平日(月曜~土曜) 午前8時~午後6時

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泉州生洗い本舗おくなが 三年間の修行時代5

2013年06月10日 | 山三 三ツ屋染舗について

皆様こんにちは

山三三ツ屋染舗の三ツ屋邦孝です。

修行時代も半年が過ぎ大阪の生活にも少しずつ馴染んできました。

毎日のタオル洗いも三歳年上の同郷の人が入ってきたので一日おきになりました。

生まれて初めて見ただんじり祭り、世の中にこんなに面白いお祭りがあるのかと感動した事も

昨日のように思い出します。しみ抜きをする弟子が三人と先輩達は仕上げ(プレス)と色掛けに回り

仕上げをしていた師匠とはしみ抜きを行っていました。弟子が増えて店の作業場も手狭になり、

別の場所に工場を借りて作業場を移転し、新工場で作業をするようになりました。

師匠はとにかく出張講習で留守が多く作業のわからない所は先輩に教えてもらいながら進めていました。

一年目は丸洗いとしみ抜きで二年目から色掛けと仕上げ(プレス)を習いました。

私は一年目なのでしみ抜きもまだコツもつかめず、悪戦苦闘していました。

部分洗いの作業が上手くいかず、暗中模索していましたが、

ある日突然、師匠の部分洗いのやっている作業をみてはっと気づきました。

そうだ自分と師匠の作業の違いが明確にわかりました。

なんの事はなくスプレーガンで汚れを確実に打ち抜いている(確実にたたく)その事に気づきました。

師匠がしみ抜きの講習で一番最初に教える事は、ドロハネの除去でした。

ドロハネに助剤を付け、ブラシで叩き、指でもみ、スプレーガンで打ちますが、

ドロハネを確実に溶剤を当てないと除去出来ません。この事に気づきました。

これ以後スプレーガンを使いこなす事の為の心構えを取得して

確実に目でみて照準を合わせ、確実に打ち抜き、しみを除去し、薬剤をゆすぎきり、

周りを確実にぼかす、その後ドライヤーのて乾燥、

一連の流れの動きがわかってから一気に上達していきました。

黄変抜きは最初に師匠からこのぐらい抜くと色掛けで治るのでここまで抜きなさいと

実演して見せてもらいましたが次の色掛けをするまでは、どの様にどこまで抜くかが

本当の意味を理解出来ませんでした。

先輩達の話によると、先生の黄変抜きした物がとても色掛けがしやすい事を教えてもらいました。

翌年色掛けをして、その事を理解しましたが、作業のすべては次の作業を楽にするために

先を見越して作業する事も学んで行きました。

当時の黄変は食べこぼし等の蛋白質の入ったしみが多く、

きちんと酵素処理をしないと抜けずらっかた事を思い出されます。

 

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泉州生洗い本舗おくなが 三年間の修行時代4

2013年06月04日 | 山三 三ツ屋染舗について

皆様こんにちは

山三三ツ屋染舗の三ツ屋邦孝です。

しみ抜きの水処理にも少しずつ慣れ、次は酵素処理、黄変抜きと続きます。

黄変しみとは、生地に付着した汚れや汗、しみの成分を適正処理ぜずに取り除かずに

放置した為にしみの成分が酸化して黄褐色になったものをいいます。

しみ抜きは、まず油性処理を行い、油分を落とし、次に化粧石鹸にて水処理を行います。

食べこぼしや古い血液には、蛋白質が残っているので、蛋白分解酵素にて処理します。

この酵素処理をしないと黄変が落ちづらくなります。

油性の処理と蛋白質の処理が不十分だとお互いが、ガード加工の役目をするので

その後の黄変抜きの為に酸化漂白を行いますが十分機能しません。

酸化漂白はたくさん処理の方法がありますが

現在では高性能な薬剤もありますが古くは過マンガン酸や過酸化水素と炭酸マグネシュウム法等ありますが

泉州生洗いでは、ビホワイトと言う薬品と過酸化水素水を使用していました。

加熱方法は和裁用のコテを上手使い加熱をしていました。

何度か繰り返しますが、抜けた後、酢酸で中和しします。

その後水のスプレーガンにて、良くゆすぎ、ドライヤーで乾燥します。

最初は黄変を上手く抜けないことが多く難儀しました。

コテの使い方によっては生地を傷めてしまったりします。

黄変抜きをすると、地色が抜ける事も有ります。

色が抜けた物は色掛けをします。

 しみ抜きをする時には、色々と薬剤が必要になりますが、

この薬剤を必ず中和とゆすぎきる事が特に重要になります。

薬剤が残留していると、後日経時変化により必ず黄変になります。

この事を防ぐ為にスプレーガンの使い方にも洗い(しみ抜き)法とゆすぎ法ぼかし法が有ります。

用途に応じた使い分けをしています。

 

この頃に、師匠より賜った言葉ですが、

着物の生産地の職人は出荷前の物を扱っているが、作業した商品は出荷後に

二度と自分の所の戻ってこない、心無い職人は使用した薬品を充分ゆすぎ出さない。

半年、一年後にどうなっても(経時変化による黄変化)自分のところに帰って来ることはない。

しかし三ツ屋君の店は看板を出しのれんを出している。

君が手を掛けた仕事は必ず戻って来る、半年、一年後に持ってきてお客様に

これ前におたくでやって頂いたんだけれどと言い寄られたら君はどうする?

どうにも出来ないやろ。

我々のやっている仕事はしみ抜き屋だ、しみ付け屋ではないんだよ。」と言われました。

自分の仕事に責任を持ちなさい。 と言う強い心構えとメッセージをいただきました。

今では自分の職人としての支えになっている魔法の言葉です

 

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