皆様こんにちは
山三三ツ屋染舗の三ツ屋邦孝です。
呉服問屋さんが以前に小売店に卸した訪問着仮縫いを小売店が顧客に販売しました。
小売店の在庫の商品のために汚れやヤケの点検とあれば、新反洗いと衿の黄変しみ抜きの依頼です。
まずは湯のしを行う為に仮縫いを解き、ロックミシンで縫い一反の着物にします(画像を撮り忘れました)。
この辺は10/29の湯のしの記事を参考にして下さい。→http://blog.goo.ne.jp/toyo32892/d/20151029
訪問着仮縫い 掛衿中心部分 黄変しみ Before
訪問着仮縫い 掛衿中心部分 黄変しみ(アップ) Before
訪問着仮縫い 元衿中心部分 黄変しみ Before
訪問着仮縫い 元衿中心部分 黄変しみ(アップ) Before
訪問着仮縫い 元衿 黄変しみ Before
訪問着仮縫い 元衿 黄変しみ(アップ) Before
訪問着仮縫い 衿先部分 黄変しみ(アップ) Before
訪問着仮縫い 八掛衽部分(裏側) しみ Before
畳んである状態で、掛衿、元衿の中心部分と両衿先部分に黄変しみ及び八掛に濡れて地糊が型になったしみがありました。
推測ですが、お茶のしみでは無いかと思われます。
新反ですが、とても糊が強いので、しみ抜きのみを行うとひどい輪じみの発生して輪じみ直しに手間が掛かる為に
根本解決を考え新反洗いをしました。新反洗いと言っててもドライクリーニングでは無く、水洗いをしました。
いつも主張している様に新反に付いている糊は、水に濡れると輪じみになり易いです。
新反洗い(水洗い)
洗い張りと同じ工程です。
洗う前の洗浄液 Before
泡はありますが、洗剤が入った無色透明の洗浄液ですが
洗い後の洗浄液 after
生地に付いていた加工剤と糊が落ち洗浄液が白く濁っています。
この白く濁った加工剤と糊が紋屋さんが抜き紋に使用する抜染剤を洗い落とした後に霧吹きをしても上手くぼけずに
輪じみなり易い原因です。これはしみ抜き屋も一緒ですしひいては、購入された顧客の方も雨に当たった時に
雨しみになります。私自身洗い張りとしみ抜き作業を通じて学ん事ですし、ブログの読者の方達に
一般の方達がしみ抜きを行わない方が良いとの考えを持っている理由です。
訪問着乾燥中
一番上に引っ張って、乾燥しています。
乾燥後に湯のしをしてからしみ抜き作業を行いました。
訪問着仮縫い 掛衿中心部分 黄変しみ しみ抜き後 after
訪問着仮縫い 元衿中心部分 黄変しみ しみ抜き後 after
訪問着仮縫い 元衿衿先部分 黄変しみ しみ抜き作業中
しみ抜き作業中黄変抜きをすると地色が少し薄くなりました、色掛け作業前です。
訪問着仮縫い 元衿衿先部分 黄変しみ 色掛け後 after
訪問着仮縫い 掛衿中心部分 黄変しみ しみ抜き後 after
酷い黄変のしみでしたが、黄変抜きを行い色掛け(染色補正)を行い修正しました。
訪問着仮縫い 掛衿中心部分 黄変しみ しみ抜き後(アップ) after
新反の訪問着仮縫いの解き、ミシン縫い、アイロン掛け、水洗い、乾燥、湯のし、
しみ抜き、色掛け、巻き取り、で加工は終わりましたが、一人で全て行っているので、
数はさばけませんし、機械化の部分も少なくとても手間が掛かりますが
着物は製造するのにとても沢山の職人さんが手間を掛けていますし高価なものです。
最初に、きちんと処理して有るので、末永く大切に着ていただきたいと思います。
問屋さんも仕上がりを見てとても綺麗になった事と風合いがとても良くなった言っていました。
訪問着の新反洗いとしみ抜きは
厚生労働大臣認定一級染色補正技能士のいる
山三 三ツ屋染舗にご用命下さい。
〒062-0902
札幌市豊平区豊平2条2丁目2番20号
電話011-811-6926 FAX011-811-7126
メール mitsuyasenpo@train.ocn.ne.jp
ホームページ http://328senpo.sakura.ne.jp
営業時間 平日(月曜~土曜) 午前8時~午後6時
休日 日曜 祝日
ブログランキングに参加しています!
皆様の応援がとても励みになります
良い記事や参考になる記事には
ポチッと押してください。
よろしくお願いいたします。
↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓