皆様こんにちは
山三三ツ屋染舗の三ツ屋邦孝です。
いつも当ブログをご覧いただき誠にありがとうございます。
パンツを購入してサイズ直しを行った所、ウエスト部分が染まっていなくて
脱色していました。裾直しを行った所生地が硬くて以前の筋が伸びていないので
直して欲しいとのご依頼です。
パンツ(EVO FIT製)
パンツ(EVO FIT製)品質表示
素材は綿100%です。
洗濯表示は液温は30 ℃を限度とし、洗濯機で非常に弱い処理が出来る、
塩素系及び酸素系漂白剤の使用禁止、当て布をして、底面温度110 ℃を
限度としてスチームなしでアイロン仕上げができる、ドライクリーニング禁止
となっています。
パンツ(EVO FIT製)お直しにより発生した脱色
お直しでウエストを出した所、縫い込みの部分が染まっていなくて、白くなっています。
本来は原反の状態で染色して裁断して縫製していれば、縫い込みの中もきちんと染まって
いますが、この品物は白生地の原反を裁断、縫製後に染色したと考えられます。
ヨーロッパ製(ルーマニア製)なので製造も考え方が違うので仕方がないのかも
知れません。
パンツ(EVO FIT製)裾 お直しによる筋
裾もサイズ直しで生地が硬くてお直し屋さんのアイロンでは蒸気圧が低いので
筋が伸びなかったと思われますし、地色も折れて脱色しています。
ウエスト部分の染まっていない所ですが、以前の補正の経験から色掛け
(色修正・染色補正)を行っても上手く直らないので、染直し後に色掛け
(色修正・染色補正)を行う事でご納得いただきました。
パンツ(EVO FIT製)染色中
新品とはいえ、生地に付着している糊気を落とす為に水洗いを行ってから、ワインレッド色の
染料が無いので2色の染料と助剤の塩を入れて85℃以上の高温で良く煮込んで染めました。
脱色部分が良く染まる様に期待しています。
パンツ(EVO FIT製)ウエスト部分 染色後
パンツ(EVO FIT製)裾 お直しによる筋
ウエストの部分が赤く染まりましたし裾の部分もかなり染まっていますが、染色職人は
これが限界でこれ以上直りませんとのメモと共に納品されると思います。
しかし染色補正の仕事はこれからが真骨頂に色掛け(色修正・染色補正)を行い
補正して行きます。
パンツ(EVO FIT製)ウエスト部分 色掛け(色修正・染色補正)後
パンツ(EVO FIT製)裾 色掛け(色修正・染色補正)前後
裾部分の脱色の上の筋は染色後で色掛け(色修正・染色補正)前
下の部分は色掛け(色修正・染色補正)後です。日本の着物業界では
当たり前の染色補正(色掛け・色修正)ですが、洋服の業界には無い
染色補正(色掛け・色修正)の技術です。
パンツ(EVO FIT製)裾 色掛け(色修正・染色補正)後
この様な状態で納品するとお客様もご納得いただけると思います。
パンツ(EVO FIT製)仕上げ後
綺麗に仕上がりました。
今回のパンツはヨーロッパの物作りの考え方とお直しを考えての染色や生地選びと
お直し屋さんのアイロンの設備と技術等色々と洋服業界の問題山積で技術のupdateが
出来ていない事を改めて考えさせられました、自分も着物の裄出しによる筋消しの
技術や長年updateして来たプレス(仕上げ)の技術、染物の技術と染色補正の技術も
着物だけでは無く洋服への応用する為のupdateが今回のパンツに発揮出来た事は
達成感を感じる事が出来ました。一つの技術だけでは出来ませんでしたが、
色々な技術を組み合わせて、これからもupdateをし続けていきたいと思います。
着物と洋服のお手入れは
厚生労働大臣認定一級染色補正技能士のいる
山三 三ツ屋染舗にご用命下さい。
〒062-0902
札幌市豊平区豊平2条2丁目2番20号
電話011-811-6926 FAX011-811-7126
営業時間 9:00~18:00
休日 日曜・祝日
メール mitsuyasenpo@train.ocn.ne.jp
ホームページ http://328senpo.sakura.ne.jp
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