1か月以上、映画について書いていないけれど、それは面倒だからで実際にはかなり見ている。いちいち書いていると見るのさえ面倒になってしまうからやめていただけで、とはいえ溜まってくると気になるのも因果な性分だ。
今、連載している「明月記」関係の記事は書き下しとはいえ漢文を前に頭をひねらないといけないし、あちこちの文献も見なくてはならないので手間も掛かる。ブログの間隔が空くのもあまりよくないと思っているのだけれど、かといって記事を書きたくなるようなニュースもない。先日読み終えた今西錦司の「生物社会の論理」も感想というほどのものはない。映画はその点気楽だと言うと叱られるかな。
そこで思いついたのがリストを掲げて、それを少しずつ書き足していくという安直な方法である。8月の半ば以降に見たものでなんにも書いていないもののリストは次のとおり。
「ゴッド・スピード・ユー! BLACK EMPEROR」
なんか大昔の暴走族ってかわいかったんだぁって感じ。でも、そういった「なつかしモノ」以上の何かがこの映画にあるかというと「さあ?」って感じ。ドキュメンタリーとしてはNHKの「新日本紀行」の方がおもしろいでしょ。
「シッコ」
マイケル・ムーアの作品は初めて見たが、とてもおもしろいし、ヒューマンな人柄がよくわかる。「カナダ人を引っ掛けろ!」(カナダ人と結婚して医療保障制度を利用しようという)サイトに誘引するところなど、現実にコミットメントする姿勢は日本でもほしいものだ。
アメリカとキューバの医療保障制度の比較は秀逸。すべてが事実そのままとは思わないが、政治家の演説よりは真実味があるだろう。
「七年目の浮気」
「グレン・グールド エクスタシス」
「ミュンヘン」
「300 <スリーハンドレッド>」
「赤線地帯」
「ラヂオの時間」
三谷幸喜の映画って「THE 有頂天ホテル」もそうだったけど、作為ばかりが目立つくせにストーリーが不自然で、人物造形も雑で「ホントにビル・ワイルダー監督に私淑したのか?」と思わせる。たぶんたくさんの登場人物を操るだけの技量がないんだろう。
「ヴィトゲンシュタイン」
ヴィトゲンシュタインの生涯と思想を映画にしてみましたといった感じの作品。その思想の射程を示せているわけでもないし、映像としてのおもしろみがあるわけでもない。緑色の火星人も彼の哲学を理解するキッカケというか、一発芸としてはいいんだけど、何回も使っちゃねぇ。。
「GHOST IN THE SHELL 攻殻機動隊」
あっさり言ってしまうとこの作品のテーマは「人間は何によって人間たりえているのか?」ということだろう。だとすると「GHOST」は心とか魂とかいうことになりそうだが、魂という言葉は別途出てくるので、少し違うのかもしれない。
しかし、そうしたテーマに沿ったストーリー展開は「人形使い」が暴走し始めたところから単なるアクションものにずれていってしまっている。まあ、それはそれでおもしろいし、自分が本当に人間なのか不安を持つサイボーグと自分が誰であるかもわからない「人形」というアイテムはインパクトがあるのだが。
「生きるべきか死ぬべきか」
「サンセット大通り」
「世界中がアイ・ラヴ・ユー」
ウディ・アレンのミュージカルというのも逆説的な感じだが、96年の作品なのにモノーラルというのもちょっとびっくりした。もちろんアフレコでマイク位置を考えなくていいようにするためだろうけど、いつの時代の話なのかバラバラな感じを一層強めてしまった。いつもどおりぶつぶつ言ってる冴えない中年男のご自分がいちばんエラく見える。脱獄囚がセレブなお嬢さんをモノにして、強盗仲間に引きずり込むところがブラックユーモアとしてよくできていた。
今日の段階(10/7)では監督もキャストも何にも書いてないし、これも最近見た順になっている。ぼくが利用しているネットDVDレンタルの履歴を貼り付けたものにすぎないからだ。少しずつ足して独立した記事にしようかなと思うかもしれない。そうしたらこの記事の日付を過去にずらしてしまえばいい。感想というほどのものがないものも多いからそんなふうにスピンアウトしていくのはあまりないかもしれないけど、胸のつかえが下りたような気分にはなったかなw。
10/9に少し足した。
10/15にも足した。
書くことを思うと見るのが面倒になるとは、本末転倒…それとも本来書くために見てた!?…
いずれにせよ、それは確かに因果な性分かも知れないですね…