銀河のサンマ

何でもあり

エビフライとアタシとキノコ

2020-01-05 | 吾子のおはなし

 

 

 

「スーパーでエビフライの総菜が1匹100円とする。

 ブナシメジは158円くらいかもしれない。

 エビフライをベイトにブナシメジを釣るの。

 これ簡単に釣れるから技術料は不要、58円でブナシメジが釣れたっ!お得っ」

年末から続く母の口癖。

紐のついたエビフライ型の猫の玩具を買ってきて私たちを揶揄うのだ。

本能が故、釣られる私たちに母は喜んでいる。

 

私ブナシメジとシメジは血縁である。

実は私には以前、兄がいた。シイタケとマイタケだ。

母は面倒だと私達にキノコ類の名前をつけた。

丁度その時期「HOKUTO」のCMが流れて母は私たちを指さし歌っていた。

もう10年近く昔の話である。

 

今日、母は年明け早々小さく叫んでショックを受けている。

シメジとブナシメジて同じくない? ね? ね? と聞いてくる。 

私は抑々キノコを知らない。

エビフライが100円として、と年末から言っているが興味がない。

ただエビフライという玩具に本能が反応するだけで、母の時差勘違いは普通だ。

周囲曰く、母は数秒差、数分差、数日差なら未だしも、年単位で勘違いに気づくことが多いらしい。

そんな母に遊ばれ遊んであげ、今日を共にする。

 

 

  エビフライを投げる母の紐が許せない。

 

 

 

 

 

 

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