十三夜、頭上にもみじが舞った。
あたりに灯がともるように赤い紅葉が舞ってくる。
「まぁ大きな月だこと、しかももみじが月からおりてきてるよう」
女の子はみあげて小さく呟いた。
「やぁ、こんばんは。もみじを君に。紅葉には早いけど僕、せっかちなんだ」
大きな月から兎が現れるなり身を乗りだして、更にもみじをまいた。
「兎さん、私を知ってるの?」
「ふふ、ねぇ気に入った?気に入った?」
女の子の手のひらに、もみじがふんわり乗りそうになったとき
「ふふ、君へ十三夜のもみじを」
といって兎はいなくなった。
※ 色鉛筆