伊藤博著の「萬葉のいのち」という本を笠松町図書室で借りてきました。初版は1983年。もっと早く読むべき本でした。伊藤先生は故人ですが、名高い万葉学者。4500首あまりの万葉集を228頁にうまく纒めてあります。多くの万葉書籍の中でも最高です。その中に九九の話も出てきます。「くく」と言うべきところが八十一と書いてあるのです。それに「しし」(猪)とすべきところが十六と書いてあるのです。現代人が小学2年で教わる九九が、すでに万葉時代に普及していたことが知られ、万葉人ときょうだいになった気がします。岐阜県の「くくりのみや」という所に万葉遺跡がありますが、この「くく」は、八十一と歌碑に彫られてあります。
