月のひびき (徳正寺だより)

“いま”出遇えた一瞬をパチリ
それは仏さまとの日暮らし…

ちいさな物語のはなし

2010年07月27日 21時14分07秒 | ふうわりふわり(坊守日記)
Yさんのお宅のご法事にお参りさせていただきました。

Yさんの奥様は趣味で陶芸をされていて、おうちには素敵な作品があちらこちらに飾られています。
花入れ、ランプシェードなどのほか、ちいさな動物の置物がたくさんありました。

それが、とってもかわいいのです。


ピーターラビットを思わせるようなウサギさん。
レタス畑にいそうです。


愛嬌たっぷりのネコちゃんたち。楽しいおしゃべりが聞こえてきそうです。



飼い猫のミーちゃんがモデルかな?



箱に入った子犬ちゃん。
拾ってきた子どもとお母さんのやりとりが聞こえるようです。



そして、おみやげにいただいたメモをくわえるわんちゃん。
のんきな顔でなごみます。


他にもたくさんありましたが、ひとつひとつの作品に物語があるような気がします。

ちいさなちいさな物語。

その物語を紡いでいく奥様は、とても優しい笑顔で笑っていらっしゃいました。



ちいさな物語の主人公たちです。




悲之笑顔

2010年07月27日 20時56分56秒 | 仏々相念(住職日記)
しんどいことが・・・

あるホールでご縁をいただきました。
こんな外面ばかり飾っているような者をホールの方々も住職として迎えて下さいます。
恥ずかしさいっぱいの中、優しさに甘えてきました。

「あの~、徳正寺さん・・・」
そのホールで働いておられる方がお茶を御接待して下さりながら話しかけて下さいました。
「実は、以前切ないことがありお参りさせていただいたことがあるんです。」
余程つらかったのでしょう、薄っすらと涙を浮かべながら一生懸命涙を堪えながら語られます。
「え~、そうなんですか! ようお参り下さいました。」
「自由にお参り下さいって書いて下さっているので度々お参りさせていただいているんです」

思いがけず、悲しくも優しい笑顔で語って下さることに嬉しく思ったことです。

徳正寺の本堂が安心して涙を流せる空間になっていてよかった・・・
たった一人でも・・・
又参らせていただこうって思って下さっている方がおられるって私にとって強い励みになることです。

ある講義でこんな話をして下さった先生がおられました。
女子学生さん、親とケンカして家を飛び出します。
行く宛てもなくフラフラ街を彷徨います。
するとお寺の前を通り掛かったとか・・・
閉ざされた三門、こんな夜にお参りしたらきっと迷惑に違いない・・・
そう思い寺の前を通り過ぎてしまったとか・・・
次に通りかかったのが教会、ここは開いているのかなってドアを押すと開いた・・・
教会の空間に座ると、「あぁ~、ここでワ~ンって泣いたらきっと誰かが出て来てくれて私の話を聞いてくれるんだろうな~」って思うと安心したし、又生きて行こうって思ったのだそうだ・・・

この話を聞きながら、我が寺も各ありたいなぁ~って・・・
正直、三門は開いているものの安全上夜間は本堂の施錠はしております。
でも明るい内は出来るだけ戸もすべて開けお参りし易いように心がけています。

ふっと立ち寄りお浄土の美しさを感じながら、安心して泣いていただけたらと思います。
ひょっとして庫裏までは泣き声は届かないかもしれませんが、お声を掛けていただければこんな住職ですが一緒に座らせていただきますよ・・・
返って大きな顔が邪魔な存在になってしまうかもしれませんが・・・
そんな時ははっきり「邪魔です」って言って下さいね!

仏さまが寄り添って下さっていますもんね・・・
安心、安心・・・