月のひびき (徳正寺だより)

“いま”出遇えた一瞬をパチリ
それは仏さまとの日暮らし…

百人一首

2011年12月07日 20時56分47秒 | 仏々相念(住職日記)

あしびきの~・・・

 

「どうだった?」

「優勝!」

「え~、凄いね~!」

母子の会話。

 

今日、息子の高校ではクラスマッチがあったとか・・・

「あえて百人一首を・・・」

スポーツを選ばず百人一首を選ぶとは・・・

面白い男です。

 

がしかし、これにはベースがあり、晩ご飯をいただきながら当時のことを思い出していました。

「何時頃だっけ、十年ぐらいになるかな~」

当時、なぜだか家族でハマった百人一首。

毎晩、家族で激しいバトルを繰り広げていたことです。

回を重ねるにつけ好きな札が出来てきて、それが場にあると燃えたことです。

面白かったな~、怒ったり笑ったりケンカしたり・・・

その後にかるたブームが到来したことです。

 

それから暫くして松山での大会があることを新聞で知るのです。

誰でも参加自由という記事を頼りに「やってみれば・・・」ってことに。

当時、小学3,4年の娘に小学生になるかどうかという頃の息子です。

正式なルールも知らないので、宇和島のかるた協会みたいなところに教わりに・・・

「無謀な挑戦・・・」みたいな感じで接しておられた。

いざ、決戦の日!

こんな世界なのか・・・

お陰でこんな世界があることを子どもたちによって知らしめられた。

 

先に出たのは息子・・・

一瞬のうちで「無謀」なことであったことを感じた。

1,2歳上の子と対戦でしたが、県でも常にトップの子であったらしいのです。

そんな大きな相手・・・

でも、決して最後まで諦めません!ひたむきに札を見つめていた息子の姿は感動したことです。

ここにあの札がある・・・

少ない経験で知る何枚かの札・・・

「これだけは・・・」そう思いながら見つめていたのでしょう。

そんな中、2,3枚の札を取った時には思わずガッツポーズしてしまいました。

嬉しかったな~

 

次、娘・・・

勝ち気が服着て歩くような娘。

札を並べて許されている素振りと言われる行動があります。

自分の札がどこにどのようなモノが来ているのか、感じながら右に左に手を動かしながらバンバン畳を叩くのです。

そりゃ、家族でする時にはここぞとばかりやってはいましたが・・・

目の前に座る娘はバンバンやっているのです!

長い髪を後ろで束ね闘志満々、「やったるで~!!!」そんな気迫が伝わって来ました。

こいつ、カッコいいな~って涙が・・・

いい試合をしていました。

 

2人のあの姿、忘れることが出来ません。

辛い経験だったかもしれませんが、今となってはいい経験させていただいたような気がします。

 

ひたむきな息子は、今でもやっぱりひたむきに歩みます。

派手さは見せませんが、クールにコツコツと歩んでいきます。

勝ち気な娘は、今でもやっぱり勝ち気に歩みます。

何事も力を抜かず歯を食いしばるように歩んでいきます。

 

それぞれにしんどい人生歩んでいます。

たった2人の姉弟です・・・

支え合って生き抜いてくれよ!

 

その日の帰り道、晴れ晴れした気分でプリクラして帰りました。

そのシール、今も私のお経本に貼っています・・・

疲れきって開く最初のページ、

強敵に屈することもなく立ち向かい戦った子どもたちに恥じないように、私もグダグダ勤めず大切にお勤めさせていただこう・・・

「願生れ!」その声が聞こえるから・・・

 

大切に歩もう!