月のひびき (徳正寺だより)

“いま”出遇えた一瞬をパチリ
それは仏さまとの日暮らし…

帰巣本能

2011年12月20日 20時43分49秒 | 仏々相念(住職日記)

捜し回りました・・・

 

総代長さんの愛犬「A]

シーズー犬って言うんでしょうか、可愛い犬です。

私は犬は好きです。

今日の家にも多分ダックスフンドだと思われる犬がいました。

この犬もよく躾けられており大人しく、私みたいな者にでも触ってくれとばかり寄ってくる可愛い犬でした。

 

この総代長さんの相棒・・・「老い」なのです。

最近では、目も見え難く耳も聞こえ難い状態・・・

だから、明るい時でも5メートル程離れただけでも総代長さんが分からないのだとか。

いくら呼んでもウロウロするばかりでもの凄く不安そう・・・

 

報恩講が終わった日の夕方、散歩をしているときにちょっと目を話した間に見失ったのだとか・・・

「捜してな~・・・2時間程アチコチ捜したが見つからない。こんなけ捜しても見つからないのなら仕方ない・・・」

諦めて家に帰ることに・・・

すると玄関前で座って待っていたとか・・・

嬉しかったことでしょう!

「帰えっとったの!ここにおったの!」いてくれる嬉しさで沢山擦ってやったことでしょう。

 

目も見えない状態でどうやって帰ったのでしょうね。

犬には「帰巣本能」があると昔、動物好きの祖母が見ていたテレビで野犬と闘いながら遠く離れた家に帰っていくという犬のドラマの中で言っていたように思います。

それだったんでしょうか・・・

それとも相棒である総代長の香りだったのでしょうか・・・

どちらにせよ、無事で帰ってよかった!

 

ウチの愛しい娘も近々帰ってきます!

ここ宇和島に帰ってきます。

嬉しくて指折り数えて待つことです。

 

帰巣本能なのでしょうか・・・

「ここに帰る」と言ってくれることに安心することです。

捜さんでもいいように帰ってくれます。

 

さあさあ、この命尽きればどこに帰りますか?

私の帰巣本能はどこまでも地獄に真っ逆さま!

落ち行く私を求めて抱きしめて下さる阿弥陀さまでした・・・

迷う私をず~と抱きしめて「さあ、一緒に帰ろうな!」ってこの人生。

 

「カエレ・・・」そうおっしゃて下さるおはたらきに出遇えてよかった・・・


親之念珠

2011年12月20日 20時03分31秒 | 仏々相念(住職日記)

これは・・・

 

皆それぞれに思い出の品を持たれています。

お念珠であったり、鞄、式章・・・

お仏具だけでなくいろんなモノを手にします。

懐かしいあなたを、愛しいあなたを感じたいから・・・

 

以前、あるご院家さんの写真が親玉に入ったお念珠をいただいたことがありますが、これはびっくりしました。

よくご法事のご縁とかで、お念珠の親玉を電気に向け覗き見ているのをお見かけします。

「私のは仏さまが入っている」なんておっしゃりながら・・・

親玉だから親さんである仏さまの絵があってもいいようなものですが、亡くなられた方の写真とか寺の写真とかいろいろあって何かちょっとって感じかな~

手を合わさせていただければそれでいいのですが・・・

 

「ご縁に会わせていただく時は、いつもこの爺ちゃん(親父)が持っていたお念珠を持ってお参りさせていただくんです。これを持ちながらお参りするといろんなことを思うのです。こうやって自分が参るようになるとどうにでもしてお参りできるのに、爺ちゃんを連れて来てやったらよかった・・・さぞ来たかったろうに・・・その時にはなかなかここまで足が向かんでな~申し訳ないことです。」

お念珠を握りしめながら優しい微笑みに出会っておられるのでしょう・・・

「よう参ったな~、おっお~、よう参った!」って。

 

「ご院さん、この房見て下さい。色も褪せボロボロになってしまいました。これ、母が使っていたものなんですよ・・・」

 

皆さんそれぞれにいろんな思いを持たれています。

いろんなご縁が繋がり、そのご縁のまん真ん中に手を合わさせていただく。

 

その温もりを通して合掌の優しさに出会いながら生かさせていただきましょう。