月のひびき (徳正寺だより)

“いま”出遇えた一瞬をパチリ
それは仏さまとの日暮らし…

念仏之味

2011年12月17日 22時20分44秒 | 仏々相念(住職日記)

今年も・・・

 

去年、「来年は書けんかもしれんね・・・」そんなことを話しつつ「念仏あられ」のラベルを書いていた娘。

そうか・・・

これが最後になっては大変と二人の写真を撮り本願寺新報に送り掲載していただいた。

 

今年もカタンカタン・・・とお飾りを下ろしては坊守が切り、カチンカチンと音がするほどに乾かし保存しておく。

それをお講さんの時にあられにしてお参りになった方々にお配りしている。

素朴な味です・・・

 

坊守の里で配られていた「念仏あられ」

義母・祖母・大きな祖母・・・ず~っと作られてきた味。

粗末にできない、大切に大切に・・・の声がするようでした。

そのラベルには懐かしい義父の字で「かめばかむほど味が出る」って書かれてあった。

 

その伝統を引き継ぎ、坊守が徳正寺で始めてもう何年になるのでしょう・・・

不器用なことを理由に何のお手伝いをすることのない私。

カッタン、カッタン・・・カラカラカラ・・・カチンカチン・・・と一人で一年かけて仕上げて下さいます。

そのこととも言うこともなく、皆さんが喜んで下さる顔が嬉しくて仕上げるのです。

 

間際になり、「ラベルどうするん?」って尋ねると側にいた息子はふたつ返事、「ええよ!書くよ!」

問題は娘、関西との距離があるしどうだろうって思いつつ言ってみるとこちらもふたつ返事、「書いて速達で送るね!」

これまた、皆に喜んでもらえることが嬉しくて書いてくれるのです・・・多分。

否、願生ってあられを作る坊守に最高のプレゼントなのかもしれません。

 

今年の絵は、娘は「熊皮御影」の親鸞さま、息子は「安城御影」の親鸞さま。

今年も上手に書いてくれたことです。

 

早速、毎座毎座にお配りさせていただきました。

夜は息子も部活でクタクタなのに出勤して下さり、姉の分も代りに配ってくれたことです。

皆一同に嬉しそうでした。

皆さん一口食べては「カリカリカリ・・・」素朴な味を感じつつ、御苦労下された親鸞さまの顔をご覧になられたことでしょう。

 

あなたがご苦労して下さったお陰で今、親の声を聞かさせていただきました。

「カエレ、カエレ、カエレ・・・」

かめばかむほど味が出る!