お~・・・
歓声が上がりました。
悲しきご縁ではありましたがホッとできるそんなひと時となったことです。
部屋を仕切っている戸を外し二間続きとなっています。
丁度、コイツの横には壁があり隣の部屋でどのようなことになっているのやら分かりません。
子どもの笑い声、泣き声、遊ぶ声・・・
いろんな声を聞きながらどんなにしているのかな~って想像します。
でも、どんなに騒ごうともそこにいてくれることを喜んでいるコイツがいます。
同じ仏さまの薫り満ち満ちるそこにいてくれることの大事さ・・・
法話をさせていただく時間をいただきます。
振り向き合掌させていただきお念仏申していると隣にいた男の子がてくてくとやってきました。
邪魔しては大変とばかりにお母さんが飛んで来てその子を引きずり戻します。
「あ~あ~、どうぞ好きなようにさせてあげて下さい。」
万歳状態で引きずられながらワ~ンって泣いたことは言うまでもありません。
勿論、話そうとしていたことではなく
ここに一緒にいることを喜ばせていただきましょうって法話になっていくのですが・・・
法話も終わり帰り支度をするコイツ。
皆さんにお礼を申し上げていると
最前の子どもがコイツの目前にいたお父ちゃんの膝の上に・・・
「何歳ですか?」
「二歳!」って可愛いお指が二本立っています。
お婆ちゃんがお盆の上に置いて出してくれたリポビタンD、
それをこの子がどうぞとコイツに御接待をして下さいます。
「ありがとうございま~す」って合掌すると
なんとこの子もコイツの真似をして合掌して下さるではありませんか・・・
コイツの手を見ながら自分の手を見つつ・・・
皆さんの歓声が上がるのです、「エライね~」って。
お父さんはギュって抱きしめお婆ちゃんは頭を撫でておられます。
何とやわらかい光景です。
悲しく辛いご縁の中で紅葉みたいな両の手が合うのです。
合掌の姿っていいもんですね。
こんなコイツでもこの手を合わせている姿をみて
あなた(まことの親さま)も喜んで下さるのですね・・・
そんなにコイツが可愛いですか・・・