月のひびき (徳正寺だより)

“いま”出遇えた一瞬をパチリ
それは仏さまとの日暮らし…

安定之味

2014年01月26日 20時31分48秒 | 仏々相念(住職日記)

アイス食べる・・・

 

慣れ浸しんでくると飽きてきて隣りの味が気になるのでしょうか。

慣れる程味わうこともなく次へと思ってしまうのでしょうか。

その歳になっても惑わされるのですか・・・

いろいろです。

 

こちらが一生懸命にはたらきかけても聞き入れてもらえない。

いや、一生懸命といいながらもっとできることがあったのか・・・

コイツにおいては、

他人の人生にヅカヅカ入るようなことはしたくありません。

ご迷惑にならない程度のところでさりげなく・・・

それ以上は出来ませんから、コイツ・・・

 

コイツにおいては「南無阿弥陀仏」しかありません。

 

今日のお味わいは「会話」でした。

お参りさせていただいたお宅に心やすいご門徒夫婦。

以前、そのご夫婦に訊いたことがあります、

「オジサンたちって会話あるん?」

「会話あるで~、アイ ラブ ユーって言わんだけよ」

粋な返答を思い出しそんなことをトツトツと・・・

 

「会話」があるっていいですね。

いや、会話ができるっていいですよね。

会話の会話ではなくそこに一緒にってところ、

そういう環境にあること。

 

3年前、旅立つ娘が教えてくれた俵まちさんの俳句、

「寒いねと 話しかければ寒いねと こたえる人のいるあたたかさ」

とても頷けたコイツ。

 

ここに一緒にいてくれる・・・そんなあたたかさ。

 

阿弥陀如来の本願は

必ず救う まかせよと

南無阿弥陀仏のみ名となり

たえず私によびかけます  

 

「浄土真宗の救い」より

 

一人にして下さらないのです。

一人ぼっちの寒さを分かって下さるから

ず~っとよびかけて下さっていました。

 

「ここにおるよ 一緒におるよ 大丈夫、わたしがおる」と

御立ち向かいのおはたらきはよび通し。

 

よびかけてくださる声に出会ったら返事させていただきましょう、

「ありがとうございます。ここに・・・ありがとうございます。ナンマンダ~ブ・・・」

 

なんとこの声の尊いことか・・・

 

やっぱりコイツにはこれしかありません。

ここ、気付いてほしくて・・・

 

浄土真宗のお仏壇はお祈りをするためのものではありません。

会話できる、そんな空間なんでしょう・・・

 

あなたも一人じゃないんです。

 

夕食後、パソコン開けてボエ~ってしていると

息子が最高の笑みを浮かべつつ言うのです、

「アイス食べる?」

「えっ、アイスあるん!」

「帰る時買って来たんよ、ハイ、安定の味!」

「お~っ、クランキー!分かってるね~、いただきま~す!」

 

コイツにはこれしかなくて・・・