月のひびき (徳正寺だより)

“いま”出遇えた一瞬をパチリ
それは仏さまとの日暮らし…

青春最高

2012年04月21日 21時43分27秒 | 仏々相念(住職日記)

来とったん?・・・

 

息子の総体が始まりました。

日々の積み重ねを出せる場所です。

そう言えばこの時期だったのかな~って自分の事を振り返ってみたりもするが後悔することばかりで・・・

 

高2の息子ですのでまだまだ控えです。

レベルの高い3年の先輩の最後の総体を支えていきます。

今日の試合の時間を聞くとお昼頃からということ、

「おっ、これ行けるか!」ってなことで間の時間を利用してちょこっと観戦しに行って来ました。

自分は親に来て欲しくなかったので親も来ることもなかったのでしょうが・・・

コイツは問答無用で行ってしまうのです!

コソコソっと・・・

 

やっぱり観たいでしょ!息子!

例え出場することがなくてもその場に立っている姿を見たくて・・・

本心はちょこっとでも出れるかな~って淡い期待を持ちつつ行くのです。

 

やっぱいいですよね~、真剣勝負の空気。

嫌いじゃないです!

ワクワクしながら先輩方の試合を観せていただいたことです。

競い合いながら相手を「カマス」姿とか・・・

睨み利かせたり・・・

面白いな~って観せていただいたことです。

この時だから出来るんですよね・・・

 

余裕のある試合の流れになります。

最後のクオーターで出していただきました。

胸が張り裂けそうになります。

コソコソどころか前のめりになって観ていました。

 

この数分に懸けるのです・・・

ひたむきに歩んできた自分を・・・

 

監督さんに言われベンチを立ち、Tシャツを脱ぎユニホームになる瞬間を観てました。

「おっ、出してもらえるんか!よかったな~!出してもらって!」ってつぶやいていました。

ドキドキしつつも嬉しかろうな~って思ったりもするのです。

 

コートを駆け回る姿を観れて嬉しかったです。

よくそこまで戻したよな~・・・

いろんなことが思い出されました。

 

いいですね、青春!

私にも間違いなくあったのですが・・・

グダグダしてたあの頃に帰ることはできませんが、その時出来なかった爽やかさを心掛けながら生きていこう!

そう毎回思わされる息子の姿でした。

 

私の法務の都合、一人で遅くの夕食となりましたが、坊守と息子がテーブルに着いてくれて楽しくいただくことが出来ました。

「今日、よかったね!出れて!」

「えっ、来とったん?全然気が付かなんだ!」

こんな大きな顔が行ってるのに気が付かないとは・・・集中できて素晴らしい!

っていうか、だれも客席なんて見ませんよね・・・

オレでさえ見なかったですもん・・・

 

明日は残念ですが行けません。

息子よ、友と一緒に願生れ!


法縁歓喜

2012年04月20日 20時31分59秒 | 仏々相念(住職日記)

喜んどらいな~・・・

 

「な~、こうやってお勤めしたら亡き人も喜んどらいな(喜んでおられるよね)~!」

お参りなされた方が私に同意を求められます。

亡くなられた方がご縁をお勤めしていただいて喜んでいる・・・そうおっしゃるのです。

そうおっしゃりながら、さあ、後は住職の仕事!

私らは世間の雑事ごとでも話してます・・・ってお姿。

ワイワイ・・・ガヤガヤ・・・

ん~・・・

 

そうですね・・・

確かに亡き人は自らを御縁として皆が集って下さることを喜ばれるのでしょう。

でも、それは決して自らのために喜ばれるのではなく、そう言うあなたが御縁に遇うって下さったことを喜ばれるのでしょう。

「よう参ったね!私を御縁にようその手合わせてくれたね!」って。

「お経の功徳をいただいて救われるは、私ではなくあなたなんだよ」って。

 

世間の雑事に振り回されて生きる私たち。

アレがどうの・・・

コレがどうの・・・

そんな日常に生きる私をず~っと、ず~っと抱きしめておって下さる阿弥陀さま。

そこに出遇わせていただいた時、

「あ~・・・そうだったんですか!」って喜ばせていただくコイツがいることです。

 

亡くなった方は仏さまのおはたらきとならせていただきます。

よう、参ってくれたねって喜びつつ、

何よりもコイツが出遇って喜ぶところを喜んで下さるのでしょう。

 

よう気付いてくれたね!

ただでさえ落としはせん身ながらも、尚、抱きしめて下さるのでしょう。

 


一々所作

2012年04月19日 21時09分45秒 | 仏々相念(住職日記)

あっ、ここが・・・

 

何をしても癖ってありますよね。

他のモノが変化しているのに気付き自分の癖が見えてきます。

そういえば、ここを触れながらこうするよな~・・・

 

モノを大事にすると言えば聞こえもいいのでしょうが、欲なるが故に捨てることができないだけなのです。

ボロボロになってもまだまだ使えるって思ってしまいます。

それは、世間的に言う「エコ」ではなく、言えば自分に「エコ」なのです。

どこまでも自分の為に・・・なのです。

でも、よ~く考えると直し直しで使用するより新しくした方が安く終わることも・・・

こちらの方が余程自分に「エコ」ってこともあることです。

欲すりゃ損するってやつでしょうか・・・

カッコつければ、モノの命を大切にしているんだ!って・・・

 

御衣・御袈裟・御念珠と身に着けさせていただく大切な御仏具。

仏さまからのいただきものであると恭しくいただき身に着けさせていただいています。

これあれば故にお飾りとならせていただけるのですから・・・

大切にお扱いさせていただいているつもりです。

 

衣体を整えさせていただき、「それではお勤めさせていただきます」とお参りされている御門徒に御挨拶。

それでは皆さん御一緒に合掌礼拝って時にいつも何気にしている動作がありました。

右手で何気に摘まむ御袈裟の位置があり、そこがほつれているのです。

「あ~、ここほつれているよな~・・・」って合掌の動作の度に思います。

 

私は正直こういうの大好きです。

そのほつれや破れが愛おしくて堪らないのです。

こうなれどもこんな私を支えて下さるのですか・・・

ほつれた箇所を親指で這わしつつ、「ありがとう」いっぱいになります。

 

御浄土の御荘厳です。

綺麗でピカピカのほつれ破れがないモノをと思います。

でも、御門徒がお迎え下さった1つ1つを出来る範囲で補修しながら着破っていきたいな~って思うのです。

私の変な癖でほつれているところも・・・

布が擦り減り刺繍が無くなったところも・・・

破れてしまったところも・・・

ヨレヨレになったところも・・・

汗や涙で染みになったところも・・・

「生きる」そのことのために身に着けているようなコイツをそのまんまを御浄土のお飾りに仕立て上げて下さる。

ボロボロになりながら支えて下さる。

 

すいません、ありがとうございます。

 

愛しくて堪りません・・・


黄色い花のはなし

2012年04月19日 19時00分38秒 | ふうわりふわり(坊守日記)
雨の合間に境内の草引きをしました

暖かくなりましたし、雨も適度に降るので、草はすぐに伸びます

引いても引いても、次々に伸びます

あれあれ、細い茎の先に小さな蕾がたくさん…

花が咲くまでに引いておかないと…

躍起になって、ひたすらに草を一本ずつ根こそぎ引いて進みます

あ…

黄色い花と目が合いました

ちょっと悩んで、結局引くのをやめました


引かれる草と、残される草

草にちがいはないのですが…

ちがいをつけている私はいったい…

其香普薫

2012年04月18日 20時51分58秒 | 仏々相念(住職日記)

いい薫りが・・・

 

今日は、「お香の日」なんだそうです。

知ってましたか?

恥ずかしながら、今日の愛媛新聞で教えていただきました。

 

日本書紀で推古天皇3(595)年夏4月に「沈水(香木)、淡路島に漂着」とあり、

そして、「香」の字が分解して「一十八日」と読めることからお香屋さん協会が1992年4月に制定したんだそうです。

なるほど・・・

 

「お香」大好きです。

御門徒さんの所にお参りしてもいい薫りがするお香だとついつい沢山焚いてしまいます。

先日、私は近所のお家にお参りして帰って来て横の門から入ると本堂からお香の薫りがしてきます。

坊守が本堂にてお参りさせていただいていたので薫って来たのでしょう・・・

「あ~、いいな~」って思わずお念仏がこぼれ出たことです。

 

帰りますと法務の鞄から急いで法衣・御袈裟を出して陰干しします。

すると、その時参ったお家のお香の薫りがフワ~っと部屋を満たします。

逆の場合もあり、最近ではめっきり少なくなりましたがタバコの匂い・・・

タバコの匂いって凄いです、ちょっとやそっとにお香焚いたくらいではどうにもなりません。

自分も吸っていたのは棚に上げ、「分かってないな~」って思ったりします。

その後、鞄から開けた瞬間にタバコの匂いがしますもんね・・・

勿論、法衣・御袈裟にもその匂いが・・・

続いて他の家にお参りした時には気の毒に思うほどです。

 

お参りさせていただいたところで着替えをさせていただいていますとお同行さんがお参りされ御往生された法友を思います、

「〇〇さん、お参りさせていただいたよ・・・」

この方もよく本堂にお参りされていましたが、身体をお悪くされ参ることがむずかしくなってしまいました。

本堂にお参りされていた頃には、皆々が声を掛け合います、

「〇〇さん、お参りされたかな!よう参りんさった!」

こんな声が飛び交っていました。

お互いを思い合える、そんな優しい空気で満たされていました。

そんな薫りを感じていたのです・・・

いい薫りだよな~って有難く思ったことです。

 

お浄土の薫りは沢山のいろんな香りが合わせ成る薫り・・・

競い合うんじゃなく、争い合うんじゃなく、それぞれがそれぞれを讃え合う・・・そんな優しい薫りなのでしょう。

至らぬところがなく、隅々まで優しい薫りで満たされているのです。

 

そんな優しいおはたらきの中にこの身をおかせていただく・・・

この毛穴から染み込んで下さる・・・

 

あ~・・・