ノースヒルでのライブ、初日。
来る前からメールで晴子さんに、入居者に一人チェリストだった、と言っている人がいて、
その人のチェロがあって、弾いていいと言っているんだけれど、と言われていたのだが、
申し訳ないけれど、どんなチェロか分からないし、楽器屋から借りる事にした。
ところが、行ってみてびっくり、その方はプロのチェリストで、ボストンポップスにいたとか!
さらに、その方の娘さんが、バイオリニストで、今回、僕らの演奏に合わせて、アリゾナからやって来てくれたのだ。
娘さんはフィアンセを連れて来ていて、ちょうど僕らが音チェックで「星に願いを」を演奏していた時に、
結婚する報告を父親にしたそうだ。
最高の雰囲気だった! と彼女は言っていた。
そんな訳で、是非父のチェロを弾いて欲しい、と言われ、Ayakoは古びた木製の重いケースを開けた。
ちょっと小振りなチェコ製のチェロ。
長い間弾かれていなかったのだろう、まだ目が覚めていない音だったが、とても良い音色がした。
その場でサンサーンスの「白鳥」を弾く。
目を閉じて聞いていたお父さんは、弾き終わって、「弾かせていただきました」と言うAyakoに
「ちゃんと練習しているようだね」と言った。
真ん中がお父さん、右側が娘さん。
Ayakoが持つのがお父さんのチェロ。
演奏は約50分。
一曲演奏が終わるごとに、「Beautiful」「Wonderful」と声がかかる。
歌詞の無いinstrumentalの音楽には、まさに国境は無い。