あの「魂の法則」が、
Part2「愛の法則」として、
新たに公開されている・・・!
遅ればせながら、転載を開始する・・・。その27
言うまでもなく、作者はヴィンセント・ギリェム(Vicent Guillem)氏、スペイン人で生化学博士である。
翻訳は、初版本「魂の法則」の訳者でもある小坂真里さん。
訳者のホームページ「魂の法則」に、既に公開されているものを、
敢えて転載する理由は、
一人でも多くの方に触れて頂きたいとの願いからである。
それは作者の願いでもあり、訳者の願いでもある。
そして、
共感する拙ブログの願いでもあるからだ。
既に、初版本「魂の法則」は日本でも公刊されており、
魂の法則 | |
ヴィセント・ギリェム | |
ナチュラルスピリット |
是非とも、手に取ってお読み頂きたい
尚、カテゴリー魂の法則には、23回に亘って連載させて頂いた経緯がある。
でも、
一冊の刊行本は、はるかに読みやすく、
座右の一冊となるだろう・・・。
<ヨッキーくんより>
現代の経済社会の淵源に潜む問題点を鋭く指摘!
資本主義に巧妙に仕組まれた、
貨幣経済システムの罠を見抜いている。
資本主義であれ、
社会主義であれ、
搾取が巧妙に仕組まれているなら、
それは戒律を大きく逸脱する。
それは貨幣を造幣する権利が、
権力者に委ねられているからだ。
無からマネーが作り出され、
実体経済に貸し付けられ、生産が行われる。
それは良いが、
やがて操作され、
いきなりマネーが止められ、金利が上昇する。
貸付金の回収と称して、
多くの生産富が収奪されるのである。
これは巧妙に仕組まれた、『盗み』だという。
全く同感である。
【転載開始】
27 愛の法則から見た十戒 9
そう、人は通常、盗むということを、誰かからその人に属する物的な所有物を無断で取り上げる行為である、窃盗のことだと考える。そのため、スリや、銀行や宝石店などの店舗を襲う強盗などのことを泥棒だと見なしている。
しかし、ペテン、詐欺、恐喝などで、労働者からその報酬に見合う賃金を取り上げて私腹を肥やす者や、人の損害、苦しみ、欠乏などの犠牲の上に権力や富を貯える者は、司法によってその罪が暴かれることがなくても、実は最たる泥棒なのだと言っておこう。
したがって、「盗んではならない」という第7戒律は、「偽りの証言をしたり嘘をついてはならない」という第8戒と「人の財産を欲してはならない」という第 10戒と共にまとめられる。このどれもに、自己のエゴを満たすために人に損害を与えるという意図があるからだ。そう考えてみると、これらの三つの戒律を一 本化して、「エゴに突き動かされて、他者に損害を与えてはならない」という助言にすることができる。
最 も物的なエゴの形態は、強欲、貪欲、野心である。これらのエゴは、他の人に及ぼす弊害には目もくれずに、自己の富と権力の貯財に夢中にならせる主犯であ る。だが、人間関係のテーマで扱った、執着、嫉妬心、憎悪、憤怒、独占欲、恨み、無念などのエゴ的感情のように、物質主義的ではない他のエゴの形態も、他 者を傷つけるものだ。
いずれにせよ、君たちの世界では、財産を相続するとか宝くじに当たるとかでもしない限り、誰にも損害を与えずに金持ちになることは難しい。君たちの経済や 商業のやり方は、最も強い者の理論に支配されているので、そのような好戦的なシステムにおいては、それに毒されずに、善人が成功するのは至難の業だ。
*明確に言うと、どういうことでしょうか?
君たちが資本主義と呼ぶ、地上に君臨する経済システムは、人間のエゴから生まれた制度であり、この戒律とは始終一貫して矛盾しているということだ。なぜな ら、それは人間の権利を全く考慮することなく、止めの効かない法外な富の蓄積を追い求め、それを認めているからである。
残りの者は、何であろうと安く買って高く売ることで儲ける投機市場を創り上げ、高利貸しと投機で生きている。ここで売買される商品の中には、農産物、畜産 物、海産物、鉱物や工業製品のような現物もあるが、他のものは株式、証券、投資信託など、「金融商品」と呼ばれる架空の産物である。
実際には、現状の物事はごく単純である。少数の者が貨幣を造幣する権利を独占してしまっているのだ。つまり、お金を造る機械を持っている、ということだ。 ただ同然でお金を生み出すことができ、他の人たちにはそれに利子をつけて貸し出しているので、皆が彼らに借金を負ってしまう。彼らは、安く買い占めて高く 売りさばく特権的な情報を常に持っているので、自分たちが創り上げた市場を操作して、皆を思惑通りに動かすことが、このシステムでは可能なのだ。
上層部の漁師たちは、沢山の魚が餌に食らいついた―つまり、多くの人が借金を背負った―のを見届けると、釣り糸を引き上げて、獲物を収穫する。これは、あ る時期に財布のひもを締めて、貸付金の流れを止めてしまうという意味だ。すると、資金が不足する。借り入れをするためには、ずっと高い利子を支払わねばな らなくなり、それまでに許与されていた貸付金の利子も高額になる。
何もかもが、経済活動の妨げとなる。負債者は借金を返済できなくなり、財産を没収されてしまう。国民の生活レベルは顕著に悪化するが、一方で、それまでに 貯えられた富はこのシステムを牛耳る者たちの手に渡る。こうして金持ちは益々金持ちになり、貧乏人はより貧乏になる。経済危機はこのようにして起こるので ある。
それゆえ、上部の者たちを入れ替えるだけでは、不充分である。我々全員が本当は霊的な存在で、同じ霊的進化の道を歩む仲間であり、愛を体得して幸せになる という目標を共有し、そのために互いを必要とし合っていると認識できるような、人類全体に及ぶ集合的な意識改革が起こらなければならない。
富を溜め込んでも幸福になる役には立たないが、生きるために必要なものがなければ苦しむことになる、と気づくことが肝心だ。こうして、豊かにある物を分け 合えば誰も損はしないし、皆が恩恵を受け取ることになる。だが繰り返しになるが、そのためには富の蓄積を放棄し、分かち合おうとしなければならない。
*素晴らしい展望ですが、まるで夢物語です。もっと具体的な対策があるべきだと思います。
対策の処方箋を望んでいるとしても、そんなものは存在しない。エゴを放棄して分かち合いで兄弟愛に努めようとする、人間の意志と善意次第だからだ。そうい う協力精神がない限り、すべての努力は水の泡だ。愛に基づく社会変革を実現したいと大多数の人たちが願い、それが根付くように精力的に協力してくれねばな らない。強制によってや、全般的な協調がないならば、何も成し得ないからだ。
指導者には、霊的に高度の許容力を持つ人たちを選ぶ必要がある。愛に満ち、謙虚で、寛大で、貪欲・強欲・野心を一切持たず、状況を把握していて、公共の 益・社会の正義・富の公平分配を促進する方策を採る用意がある人たちだ。そういう人たちならば、その場その場で、するべきことがわかるであろう。
大至急すべきことの一つに、高利貸しと投機で成り立つこの経済システムを解体し、利己的な手口が世界に再臨しないように見張って防いでくれる、正義感のある公平な法を制定することがある。したがって、「エゴに突き動かされて、他者に損害を与えてはならない」という戒律は、「公共の益・社会の正義・富の公平分配を促進せよ」で補完されることになる。