草むしりしながら

読書・料理・野菜つくりなど日々の想いをしたためます

カブトムシ事情

2023-08-31 11:49:36 | 草むしりの「ジャングル=ブック」

カブトムシ事情

 日曜日に長女一家が来て、カブトムシを持って帰った。我が家に居たのはちょうど二週間になるが、三晩続けて脱走してかなりの存在感を発揮した。そのせいか少し寂しい気もするが、卵から育てた本来の持ち主(飼い主)に返すのが筋であろう。

 しかしよく卵から育てたものだと思う。私などの言わせると、カブトムシは捕ってくるものなのに……。

 さてカブトムシと言えば、八月十三日放送されたNHKの自然番組「ダーウィンが来た」が実に興味深かった。この番組によれは昨今、各地の住宅街でカブトムシが謎の大集結が多発しているというのだ。

 実際大集結している所がテレビに映し出されたが、驚くほど多くのカブトムシたちが一本の木に集まっていた。しかも昼間である。その上クヌギではなく、シマトネリコという亜熱帯の常緑広葉樹なのだ。

 詳しい内容はここでは控えるが、カブトムシが増えた理由やなぜシマトネリコという木に集まるのかなどの理由が解き明かされた。なるほど人類だけではなく昆虫類も進化するのだなと思ってしまった。ただカブトムシの場合は環境の変化という、やむにやまれぬ理由があってのことだ。

 実を言うと私は子どもの頃、かなり虫が好きだった。そして月並みではあるが、やはりカブトムシが一番好きだった。

 夏になると電燈の灯りに誘われてよくカブトムシが飛んできた。それがオスだったりしようものなら、大喜びして捕まえたものだ。わざわざ捕りに行かなくても、好きなものが自分の方から飛んでくるなんて。今考えればなんて幸運な子ども時代を過ごしていたのだろう。

 ただ一方では捕りに行くという行為も楽しかったのだろう。ある時期私は、自分だけの秘密の木を知っていた。たぶん当時まだ同居していた叔父に教わったのだろう。誰にも教えるなと言われたのだろうか。それとも自分が誰にも教えたくなかったのだろうか。とにかく誰にも教えずに、一人でこっそり行っていた。

 秘密の木といっても田んぼの脇の林の中に生えている、一本のくぬぎの木のことである。そんなに大きな木ではなかったが、幹に穴があいており、中から樹液がこぼれ出ていた。その樹液を目当てに色々な虫たちが集まって来ていた。蜂や蝶(もしかしたらオオムラサキだったのでは?)に混じって昼間でもカブトムシやクワガタがいた。運よくオスのカブトムシを捕まえることができた時には、小躍りして帰ったものだ。

 それから驚くほど年を取ってしまったものだ。あの頃の私が現在にタイムスリップしたとして、一本の木に無数に集まっているカブトムシを見て、どんな反応を示すのだろうか。感激して捕りつくすだろうか。それともあまりの異様さにひいてしまうだろうか。いやその前にこの暑さで倒れるかも知れない。などとまた昨今の猛暑の話になってしまいそうだ。

 さて猛暑の話はもう飽きただろから、今日はこの辺で……。

 それにつけても、早く涼しくなってくれないだろうか……。


こっちの方がもっと重要な問題かも

2023-08-22 09:17:52 | 草むしりの「ジャングル=ブック」

こっちの方がもっと重要な問題かも

 夜中に足の甲に違和感を覚えて目が覚めました。違和感というより正直痛い。何かが足の甲の上を這っているような……。

 うん、この違和感には覚えがある……。ムカデだ!と思って飛び起きました。しかし田舎の古民家である生家と違い、ここは東京のマンションの七階です。ムカデなどいるわけがない。もし仮にいた場合は、管理会社に文句をいわなければ……。などと寝ぼけた頭で考えながら足を見ると、いましたカブトムシが!

 先日逃げたカブトムシがまた逃げました。ちゃんと蓋は閉めたはずなのにと思いながら、飼育箱に戻しに行ってみると、やっぱり蓋が外れていました。あれほど肝に銘じて蓋をしたのに、それをこじ開けるなんて。

「お主も、なかなかやるものじゃ」

 などとは思いませんでしたが、閉めたはずの蓋が外れていました。中からこじ開けたのでしょうか。それも蓋と飼育箱本体がきちんとかみ合っていなかったのでしょうか。今となっては謎ですが、でも昨日はちゃんと蓋と飼育箱がかみ合っているかも確認したはずです。たぶん?

 ただ夜中のカブトムシたちは昼間とは比べものにならないくらい活発で、指でツンツンすると向かってきました。さすが昆虫の王者。これなら飼育箱の蓋くらい簡単にこじ開けられそうです。

 私の閉め方が甘かったのかカブトムシがこじ開けたのか、謎は解決しないままです。いずれにせよ、今度からは一度ではなく二度三度と確認しなければと肝に銘じました。

 さて翌朝、寝ぼけ眼でカブトムシに餌やりに行きました。さすがに昨日の冒険が過ぎたのか、クヌギの腐葉土(くぬぎマット)の中でおとなしくしていました。お腹もすかないのか、専用のゼリーも食べてはいませんでした。

 疲れたのでしょうか?それにしても私の足に来るとは……。もしかして私の足は腐ったくぬぎの木の匂がするのかしら?蓋を閉めたか閉め忘れたかよりも、こっちの方がもっと重大な問題のような気がします。


アキアカネやーい!

2023-08-17 09:02:51 | 草むしりの「ジャングル=ブック」

アキアカネやーい! 

 この暑さ、まだまだ続くそうですね。昔は当たらないものの代名詞みたいに言われていた天気予報ですが、この頃はまったくよく当たりますね。しかしまだまだ暑さが続くなんて予報は、正直外れてほしいものです。ですがこうゆう時に限ってよく当たるものですね。

 それでも台風一過のおかげか、昨日は幾分涼しかったですね。そのせいでしょうか、駐車場でアキアカネを一匹見かけました。たぶん私の目に狂いがなければ、あれはアキアカネに違いありません。

 六月の末ごろの羽化したアキアカネは七、八月の暑い時期に高地に移り、秋にはまは平地に移動すると言われています。きっとこうゆう生き物たちは天気予報などを頼りにしなくても、季節の変わりを察知することができるのでしょうね。

 私が子供の頃には必ず盆過ぎには戻ってきていましたが、今では秋のお彼岸近くにならないと見かけなくなってしまいました。やはり気候が昔と違ってきたのでしょうね。

 でも昨日は確かに私は、アキアカネを一匹見ました。私の住む集合住宅の周りはきれいに木々が植えこまれよく手入れもされているのですが、日陰で風通しが悪いです。そのために絶好の蚊の住処となっています。

 昨日は一歳になったばかりの孫を連れて末娘が遊びに来たのですが、その帰りのことです。車のトランクに荷物をいれるまで孫を抱いて駐車場の隅で待っていました。ところが孫を狙って蚊が寄ってくるのです。

 これはたまらないと、すぐに駐車場の中央の日の当たる場所に出ました。ここなら風も吹き抜け、蚊もこないだろうと思ったときです。私の目の高さをトンボが一匹飛んでいきました。それがアキアカネでした。

 どうしたのでしょうか。まだまだ暑さが続くというのに、独りぼっちで飛んでいるなんて、昨日の涼しさにもう秋だと早とちりしたのでしょうか?あわてん坊のアキアカネだね!でももしかしたら早とちりじゃなくて、秋はすぐそこまで来ているのでは……?

 無情な天気予報よりも、あわてんぼうのアキアカネを信じたいくらいの猛暑が続きますね。皆さま、ご自愛ください。


危険生物図鑑 番外

2023-07-18 07:02:42 | 草むしりの「ジャングル=ブック」

危険生物図鑑 番外 サワガニ

 サワガニは毒を持っていたり、ハサミを振りかざして襲ってきたりはしない。だからこの危険生図鑑には載っていない。今日は番外編としてサワガニのことに触れてみよう。

 河原の石の下によくいるので、子どもの頃は石をひっくり返してよくつかまえたものだ。唐揚げにして食べられるそうだがそんなことはしたことがなく、もっぱらつかまえて遊ぶだけだった。だからサワガニと言えば河原にいるものという印象がある。

 ところが大人になって庭の草むしりなどをするようになると、その認識が崩れてしまった。庭の少し湿った石の下や草むらの中にもいるので驚いてしまった。

 しかし何を食べているのだろう。川辺の小さな魚や苔などを食べているのだと勝手に思い込んでいたものだから、畑の隅で何を食べているのかが想像できなかった。

 さて数年前までは私は米も作っていた。種籾を専用の箱に中にまき苗から作っていたのだが、その苗箱の近くでサワガニを見つけることがたびたびあった。何をしているのだろうか。不思議に思ってそっと覗いてみた。

 するとどうだろう、サワガニはそろりそろりと苗箱に近づき、種籾を一粒ハサミで挟むとこっそりと逃げていった。しかも例のカニさん歩きである。その可愛いこと可愛いこと!

 まるで猿蟹合戦の世界じゃないか!猿のおにぎり取られないように石の下に隠れてお食べ。思わず応援してまった。


危険生物図鑑その6 キノコ

2023-07-16 07:48:43 | 草むしりの「ジャングル=ブック」

危険生物図鑑 その6 キノコ

 春にはワラビ秋にはキノコ。子供の頃に親につれられて行った覚えがある。だがワラビはともかくキノコなんて、そう簡単に子供に見つけられるはずがない。ただ親の真似をして木の下の落ち葉をガサガサとかき回すだけだった。

 ところが親の方は何種類かのキノコを上手に探し当てていた。中でも一番上等とされているのが「ハッタケ」と呼ばれる傘の部分がお猪口のような形をしたキノコだった。余談だが傘が反対にひっくり返ることを一般的にはお猪口になったと言うが、当地ではハッタケになったという。

 さてハッタケの次に喜ばれるのはアミタケと呼ばれる、傘の部分が網目になっていてぬるぬるしたキノコだった。その他にはシメジなどもあった。

 父はシメジを見つけるのが上手で、一本シメジという大きなシメジを見つけたこともある。もしかしたら父にはどこか秘密の場所があったのかもしれない。その時も急に姿が見えなくなったと思ったら、どこからか出てきて取ってきたシメジを自慢げに見せていた。昔の人は自分だけの秘密の誰にも教えないで持っていたようだ。

 シメジはその他にも群れてできる種類もあり、似たような毒キノコもある。父が秘密の場所を自分の子どもにも教えなかったのは、私たちがまだ小さかったからだろうか。それとも毒キノコを間違って食べたらとの心配があったからだろうか?

 ただその時はシメジと毒キノコの見分け方を教わった。キノコを手で縦に割いてみると、柄の部分がまっすぐに割けるもと、割けないものがある。きれいに二つに割ける方が食べられるキノコで、途中で切れて割けないものが毒キノコだと教わった。

 キノコ狩りはその時以来行っていないので、父の秘密の場所も教わり損ねたし、毒キノコの見分け方も実践したことはない。また仮にまっすぐに割けるキノコを見つけたとしても、食べる勇気もない。自分で原木に菌を打ちつけたシイタケ、ヒラタケ、ナメタケしか食べないようにしている。

 しかし誘惑も多い。秋に山に行くと枯れた倒木の根元によくヒラタケが自生している。もう100%ヒラタケに間違いない。今がちょうど食べごろだ。と思っても絶対に採らないようにしている。

 しかし食べたらおいしいだろうな。ある時誘惑に負けてバケツ一杯採ったことがあった。だがいざ家に帰ってみると、どうも食べる勇気がない。絶対にヒラタケなのだけど、もしかしたら……。

 試しに犬に食べさせてみようか。しかし飼い犬にそんなことできるわけがない。微塵でもそんなことを考えた自分を私は深く恥じた。おかげで自生したヒラタケの誘惑に負けることは無くなった。

 しかし最近新たな誘惑が私を苦しめるのだ。ここ数年庭の松の木の根元に、ハッタケのようなキノコが生えるようになったのだ。庭の松の木の下にハッタケが生える話は聞いたことがある。実際に生えているところを母の生家で見たこともある。

 しかし我が家の庭の松の木の下のキノコが、ハッタケだという自信がない。色や大きさはハッタケなのだが、肝心の傘がお猪口になっていないのだ。でももう少し大きくなったらお猪口のなるかも知れない……。

 ああ、またしてもキノコが私を誘惑する。ええい。危ない、危ない。疑わしきは罰せよ。見つけた端から採って捨てるようにしている。