べらぼう第三回「千客万来『一目千本』」見ました
岡場所や宿場に流れていった客をなんとか取り戻しいたいと、蔦重が最初に打った手は「吉原細見」の改本。細見そのものは前からあったのですが、放っておいても一定数は売れるので改訂もせずの毎年刷り直していただけの代物。そこを蔦重が苦労して改訂し、序を平賀源内に依頼した。そこまでは第二回のお話でしたね。
こうして出来上がった改訂本。本そのもはたそのものは評判がいいのですが、吉原の客足は遠のいたまま。そこで蔦重が打った次の手は、吉原の遊女を花に見立てた「一目千本」。吉原の姐さんたちからお金を募って、彼女たちの本を作ろうと算段しましたね。
出資したのは花魁たちのご贔屓さんなのでしょうね。いかにうまく金を引き出すかは彼女たちのの腕次第。額の多い順に並びが決まるので、姐さんたちも頑張っちゃいましたね。
「どう思う。もうこれしか中橋(なかばし)なんだと思うんだけど」なんて蔦重、九郎助稲荷に相談していましたね。江戸っ子ってどんなに困っても変な冗談飛ばすのですね。でも九郎助稲荷に言わせれば、「かなり危ない橋」みたいですよ。
その危ない橋の手始めとして、花ノ井を使って若き鬼平から50両の大金を巻き上げましたね。そしてそれをそのまま川岸のかたせ梨乃さんのところに持っていきました。何よりも先に川岸の女たちを助けたかったのでしょうね。おかげで玄米の茶色い握り飯がふるまわれました。姐さんったちも一息つけたのようですね。その上玄米なら、脚気の心配もないでしょう。
川岸の女たちも元気になり、これからが資金集めの本番。蔦重、吉原の花魁たちに片っ端から声を掛けていきくましたね。それにしてもいろんなタイプの女たちが出てきましたね。そのときの姐さんたちの特徴と後で見立てた花がよく合っていましたね。「一目千本」一度見てみたいですね。
彼女たちのおかげで資金も集まり、いよいよ本を作りが始まりました。絵師の書いた原画が彫師に渡り、その後摺師の手によって紙に印刷され、川岸の女たちの手で製本されました。コンコンと槌の音が暗い部屋に響き、姐さんたちも商売の傍ら頑張っていましたね。おかげで出来上がった本はめっぽう粋でした。
「やることがことがいっぱいあって寝る間もねぇくらいて大変だっけど、なんだかめっぽう楽しかった」
出来上がった本を見ながら蔦重がいいましたね。大変と思うよりも楽しかったと思えたのは、きっと天職に出会ったからでしょうね。
さて天職といえば気になるのは若き日の鬼平さん。この方もそろそろ天職に出会うのでは。親の残した金を使い果たしから、もう吉原には来れないと花ノ井に手紙が来ていましたね。
蔦重と若き日の鬼平さん。これからの二人の天職に期待してますよ。