0055_チベット(13)祐也日記
祐也は、宇宙のはじまりに参加した。
祐也だけではない、全ての人が参加していたかもしれない。
宇宙のはじまりには、心があった。
それは、母の心であり、父の心であり、師の心であった。
全てを愛し、
全てを導き、
欲望に負けない意志があった。
平和、協調の心があった。
戦争、独占など、
はじまりの心には無いのである。
アジェスタ「祐也、釈尊やキリストが説いた法は、」
「はじめから」
「この心を持っているのです」
「一つの宗教に説かれいる、そんな小さな名前ではないのです」
「ナムミョウホウレンゲキョウ」
「それは、はじまりの心の名前なのです」
アジェスタ「祐也、この曼陀羅を持っておゆき」
「それは、あなたのものです」
「この曼陀羅は、あなたの光と影です」
「あなたを照らし、あなたの姿を映すでしょう」
祐也は、静かに受け取ることにした。
なぜなら、全ての人の幸せを願うからである。
争いからは、幸福は、生まれないのである。
「アジェスタ 一週間、ここに居ていいですか?」
「かまいませんよ 裕也」アジェスタは、微笑み返事した。
裕也は、瞑想を再開した。
(悟の? 何を? まあいいかぁ)
つづく