0298_神々の合議(023)裕也の冒険-妖精の国-
--妖精の国--
死神さんは、諸天善神として認められた。
「裕也。マークの精に会いに行きますよ」
石の妖精は、言った。
「いきましょう」
裕也は、石の妖精に頷(うな)いた。
裕也の前に時空の扉が光を渦巻(うずま)きながら開いていく。
裕也の前にピカピカ光る粒くらいの石の妖精が先導する。
裕也は、時空のトンネルに足を踏(ふ)み入れた。
体が吸い込まれていく。
どんどん中を進みトンネルが集まる光の中心に出た。
そこから、違うトンネルを進む。
前に惑星が見える。
体が縮(ちぢ)んで行く。
(あれがマークの星です)
時空の光のトンネルは、裕也をスムーズに安全に運んで行く。
そして、先に外界が見える。
そう思うと次の瞬間。
白い中世に城の前に出た。
周りには、お花畑が広がっている。
丸や四角、星印の光りのマークが宙に浮かんでは、消え、消えては浮かぶ。
石の妖精は、裕也を依然(いぜん)として先導して進む。
城の城壁の扉を叩(たた)く。
「ドン ドン ドン」
「マークの妖精の王よ。
話したき用事があり、伺(うかが)いました。
石の妖精のアオデァです。
それと人の子の裕也です。
訪(たず)ねてまいりました」
「ギギィィィ」
扉が開いた。
キラキラと光の粒が先導する。
裕也とアオデァは、中に入っていく。
中庭も花で包まれている。
コスモスの様である。
中庭を進み、塔に入る。
マークの妖精が姿を現す。
2人を先導する。
王の間に着く。
扉を開けた。
シャンデリアが釣り下がっている。
6角柱の怒り型の土台に球の光が輝いている。
左手には、王と王妃の画像が豪華な金の額縁(がくぶち)に飾られている。赤や青、白黄色等の宝石に飾られた王冠を被っている。
人間の姿と同じである。
奥に王と王妃が飾りつけられた椅子に座っていた。
裕也は、恭(うやうや)しく跪(ひざまず)きお辞儀(おじぎ)をする。
「私は、人の子。
裕也と申します。
神仏の使いで参りました。
お許しがありば、
伝えたき事があります」
「人の子よ。
そう堅苦しく考えなくてもよい。
ここに、人の子が来るのは、
初めての出来事じゃが。
気軽に話すが良い」
王は、労(ねぎら)った。
「恐れながら申します。
妖精に神々から諸天善神の命が下りました。
妖精は、以降、諸天善神となります。
働きは、いままで通りです。
神仏、自然と人を繋(つな)ぎ、助け導きます。
その働きが認められたのです。
諸天善神の一員として任命されたのです。
お受け頂けますか?」
「なざ、私なのですか?」
「最古の妖精と聞きました。
代表者に相応(ふさわ)しいとも聞きました。
今、会って、一層相応しいと思いました。」
裕也は、答えた。
「私も妖精を代表するのは、マークの妖精の王にしかないと存じます」
石の妖精アオデァも進言した。
「諸々(もろもろ)の善い神と言いますが、
悪い妖精とか居ませんかね」
王は、疑問を述べた。
「ある意味。これは、契約です。
善い神であると言う契約でもあります。
ある意味。契約を破ることはできません」
裕也は、任命の意味を意義を説明した。
暫くして王は納得した。
「良かろう。お受けします」
マークの妖精の王は言った。
「水子ちゃん。任命書を持ってきて」
裕也は、宙に話しかけた。
「ポォン」
可愛らしい白のワンピース姿の女の子が現れた。
「裕也。はい」
水子ちゃんは、裕也に紙とペンを渡した。
つづく。 次回(諸天善神の任命)
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