0295_神々の合議(020)裕也の冒険-地獄の業⑭-
--地獄の業⑭白微穴②--
西の地球は、南の地球の先祖子孫の星である。
理想の社会かは分からないが、
福徳で管理されている星である。
現代の街から古の街まで複雑に混ざり合って都市が形成されている。
裕也は、冥界の人々を、昔の家や街のままで出現させた。
そして、それは、冥界の人々のみではなく家族も出現したのである。
もう、冥界の人々に戦意は無くなった。
ハデスは、充分に広い土地を西の地球に貰った。
(民にとって、戦う必要はない。
戦意もない。
まるめ込まれよって、
馬鹿どもが)
ハデスは、、反乱をあきらめざるおえなかった。
「ハデスさんも、合議に参加してくださいね」
裕也は、気軽に声をかける。
「あぁ」
ハデスは、意表を突かれて曖昧(あいまい)に返事し頷(うなず)いてしまった。
(くそぉ。いつか仕返ししてやる)
ハデスの世間に対する恨み深かった。たまたま、その対象が裕也をターゲットにした。
裕也の地獄での役目は終わった。
「閻魔大王。
それでは、普通の世界にもどしてください。
死者の判決は、今まで通り、
閻魔様。お願いしますね」
鬼たちは、裕也の魂を西の地球の体に戻した。
天照大神の家に寝ていた裕也の体の目が薄く開いた。
「裕也」
天照大神は、声をかける。
「うぅぅ」
裕也は、はっきり目を開けた。
そして、寝かされていた布団から出て、
座りなおした。
「地獄の業を終えて参りました」
諸天善神一同は、裕也の額を見た。
白微穴が、有った。
裕也には、分からなかったが、
諸天善神の目には、分かった。
その額のあざは、光を放っていた。
「それでは、『全神仏の和平宣言』をお受けいただけますね」
裕也は、優しく尋ねた。
「はい。分かりました」
諸天善神の全ての神は、署名した。
つづく。 次回(事後処理)
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