第Ⅱ章。「現れし古に伝わりし指輪」4話、愛とは誘惑か?。「~失望と愛~導かれし悪魔の未都市。」0007
0007_愛とは誘惑か?
指先に硬い石らしきものを感じる。
(うぅ。これは、どういうことだ?)
イリスは、その手を掴(つか)んだ。
「これを感じるのか?」
デミュクは、イリスの胸の宝石を押える。
(なにも感じないわ)
イリスは、思ったが、言うのをためらった。
「脱いでくれないか?」
デミュクは、無心に頼んだ。
「え。脱ぐのですか?」
イリスは、男性の前で脱ぐのは、初めてのことである。
躊躇(ためら)いがある。
「確かめたい」
デミュクは、もう一度、丁寧(ていねい)に言った。
イリスは、膝をたてて上のシャツの裾(すそ)をもって肩まで上げ、
そして、頭を通して両手を伸ばしてシャツを脱いだ。
シャツをたたみ横に置き、デミュクの前に座った。
褐色(かっしょく)の胸が露(あら)わに現れている。
しかし、デミュクの目は、胸の中心に注がれている。
デミュクは、顔をイリスの胸に近づけた。
目の前に確かに白黄色(はくこうしょく)の小指の頭くらいの宝石が輝いている。
デミュクは、そっと宝石に口づける。
(うぅ)
イリスになにかが働(はたら)く。
(それは、誘惑か?ただの欲望か?)
(それとも、服従か?)
心に声が聞こえる。
デミュクは、声をかき消すように答える。
(誘惑だ!)
(誘惑も罪と知れ)
声は、かき消された。
それは、イリスにも聞こえていたかは、分からない。
デミュクは、イリスの唇(くちびる)に軽くキスをする。
触れる程度である。
そして、喉(のど)。もう一度胸の宝石。
お臍(へそ)の上。下。
そっとズボンを脱がそうとする。
なかなかうまくいかない。
イリスは、どうしようか迷ったが、
自分で手助けして、ズボンを脱いだ。
「下も脱ぐのですか?」
デミュクは、頷(うなず)く。
イリスは、下の白の厚手のパンツも脱いだ。
デミュクは、既に怪我の治療で上のシャツを脱いでいる。
下の灰色のズボンも脱ぐ。
そのまた下の縞柄(しまがら)のパンツも脱いだ。
お臍(へそ)の下にもう一度キスする。
イリスは、下の毛髪(アンダーヘヤー)を整えていた。
それは『やりまん』と言うわけではない。
(それで、嫌いになるわけではないが、整えてほしい)筆者の声です。
下の毛髪(もうはつ)へキス。
そして、股の付け根。
太腿(ふともも)。
膝(ひざ)の横。
右。左。
脛(すね)。
足の指。
小指。
中指。
そして、親指。
それは、彼女に何かを教えているのか?
デミュクの愛し方である。
(私もお返ししたい)
イリスにそう言う衝動(しょうどう)が湧(わ)く。
(それは、足の指?
きゃ)
イリスは、目を瞑(つぶ)った。
指で触(ふれ)る。
細(ほそ)い、か細(ぼそ)い指、だが土の肌触りがする。
強い気高さを感じる。
デミュクに迷いが浮かぶ。
逆にイリスには、迷いはない。
いつしか、二人は、向かい合い横になっていた。
男性にも心がある。
デミュクの心とイリスの心が繋(つな)がる。
悪魔も所詮(しょせん)、自然の摂理(せつり)の一部である。
天に帰依(きえ)していると言える。
少なくともデミュクは、帰依していた。
自然を犯すことは出来ない。
逆らえないのである。
つまり、無理やりする行為は、出来ないのである。
愛し方は、思春期に養母に教わったのだ。
正しい知識を得ることは、何においても大切である。
摂理(せつり)を知ることも大切である。
デミュクに子供を産むための精子はない。
悪魔にも子供を産むには、産むための儀式がった。
それほど、大切な行為である。
デミュクは、愛し合い確かめ合いたいだけであった。
デミュクは、イリスに無理をさせずに、態度で表した。
そして、交わったのである。
いつしか2人は、終えたのである。
イリスも満足した。
2人は、抱合い眠りにつく、2人とも責任のとれる大人である。
それは、忘れてはいけない。
その後は何もしないが一緒に眠る。
肌と心の温かさが伝わる。
イリスもデミュクも安堵(あんど)の気持ちで一杯になった。
つづく。 次回(悪魔が農園の手伝い。土作業?)
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