闇と光の慈愛のコントラスト(100)新たな時-金塊の発掘②-
==第二章、闇と光の決着==
--新たな時(013)金塊(きんかい)の発掘②--
翌日、ゼーデェ。 モウジィ。を含み仲間6人は、金鉱へ向かった。
朝、日が昇る前に光の村を出発した。
ゼーデェは、モウジィを呼びに行った。
もう、モウジィは仲間を家に呼んで集まっていた。
みんな、手に鉄の道具を持っていた。
「出発しましょうか」
「はい」
皆、やる気十分である。
何も問題がないように思えた。
村の東の外れから森に入った。
最初は、山の木々も森へ入る者に優しく思えた。
日の光も差し方角(ほうがく)も大体認識できた。
「とにかく、まず東に向かいます」
斜面を斜めに登っていた。
森が、深くなってくる。
蔓が足に絡みつく。
落ち葉が足元に積み重なっている。
日の光が薄い。
「あぶない」
「最近、見慣れない動物が現れています。
気をつけてください」
「ガサ。ガサ。ガサ」
ニョロニョロした地を這(は)う動物。
「ザク」
モウジィが手に持っていた斧で首を切断した。
「へ へぇ へ。蛇(へび)です」
その後は、なにもなく過ぎた。
言葉は、少し発するのに時間を要したが神から生まれた時に授けられていた。
そして、切り上がった崖に着いた。
右側は、切り裂けた谷である。
「この崖(がけ)を左に回り越えます」
モウジィは、丁寧に道を案内する。
(これで、私も一人で金鉱にいける)
ゼーデェは、モウジィの案内ぶりに感心した。
崖の接面の周りをそい左に回って登った。
暫く登り回り、
木が茂っていない岩肌の崖の中腹に出た。
そこの壁の様に切り立った岩の層に、
掘った跡がある。
「大分、掘ったようですね」
ゼーデェは、ようやく着いたと燥(はしゃ)いでいる。
「あ!ぁぁぁ!」
モウジィは、それを見て愕然(がくぜん)と跪(ひざまづ)く。
「どうした!」
ゼーデェは、驚いて尋ねる。
「あ!ぁ!誰かに掘られている」
「何ぃ。
それは、どう言うことですか?」
「金塊(きんかい)が盗まれています」
「げぇげ。それは大変だ」
モウジィとゼーデェは、慌てて走って、
掘ったところへ駆(か)け寄った。
2人は、注意深く中を見る。
「まだ、少しだけ掘られただけみたいですね」
「良かった」
「見張りを立てないといけませんね」
「盗んだ金塊を何に使う気でしょうか?」
「すぐには使えません。
まだ、金は流通していませんからね。
もっていれば、犯人だとすぐばれてしまいます」
「初めて起きた犯罪です。
それが、重大な意味を持ちます」
ゼーデェは、考え深げにため息をついた。
「村の人は、全て善人ばかりだと思っていました」
モウジィは、驚きのあまり呟(つぶや)いた。
つづく。 次回(騎士の役目。犯人をどうする?)
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