闇と光の慈愛のコントラスト(87)闇は母
==第二章、闇と光==
--闇は母(010)闇の未来②--
イリスは、続いて口を開く。
「私は、恨んで言うのではありません。
イリノイスは、傲慢(ごうまん)です。
人を世界を全てを。
自分の都合で支配していこうとしている。
エゴの世界が創られる。
それは、危険なことです」
「闇の民は、呪いを受けました」
アクティスは、心中を言う。
「それは、お可哀想です」
イリスは、答える。
「慰めなど要(い)らない」
アクティスは、強気である。荒立てて言う。
「私は、救わなくてはならないです」
「あなた方は、戦う気でしょ」
イリスは、アクティスの気持ちをさっして言う。
「私は、どう、戦えば良いのでしょう?」
アクティスは、更に問う。
「戦うことが正しいのでしょうか?」
イリスは、切り返す。
「戦うのは、自分の為ですか?」
更に問う。
「いいえ」
アクティスは、答える。脳裏には決まっている何かが浮かぶ。
そして、言葉が突いて出る。
「ただ、闇の民を救いた。いや、民を救いたい、それだけです」
更に言う。
「闇は母です。
呪縛(じゅばく)を解き人々を自由にしたい」
「それが母の愛ですか?」
イリスは、また、問う。そして、言う。
「ならば、答えは出ているはずです。
導き手になるのです。
命を捨てれますか?」
「はい」
アクティスは、躊躇(ためら)いなく頷(うなず)き答えた。
「サンディア。あなたはどうします?」
イリスは、今度は、サンディアの気持ちを問う。
「彼女を支えます」
サンディアは、決定している。
「では、二人とも、今日は休みなさい」
イリスは、労(ねぎら)いの言葉を投げかけた。
これから、二人には、受難の道が待ち受けているのか?
つづく。 次回(新たな時①-闇の担い手-)
#闇と光の慈愛のコントラスト #自作小説 #サンディア #アクティス #闇は母