0294_神々の合議(019)裕也の冒険-地獄の業⑬-
--地獄の業⑬白微穴①--
地獄は、消し去られた。
閻魔大王の前に、裕也が一人座っていた。
「とうとう。やりましたね。
もう、宿業は、転換したみたいですね。
これから、どうするのですか?」
閻魔大王は、裕也に尋(たず)ねた。
「地獄は、もう終わりにしましょう」
「罪人の罪は、どうすれば良いと思いますか?」
「記憶の宇宙に連れて行ってはどうですか?」
「連れて行って、どうするのですか?」
「そして、相手の気持ちを体現させましょう。
自分がしたことに対する相手の気持ちが分かれば、
自分の行為が愚かであったことが分かり、
苦悩し後悔するでしょう」
「誰が連れて行くのですか?
鬼は、解放されましたよ」
閻魔大王は、優しく尋ねる。
「鬼さんでも良いのですが、
領地があるので、西洋と統合してガウルの民に頼みましょう」
「ガウルさん。日本の罪人の霊も迎えに行ってくれませんか?」
(裕也。それは、良いのですが、西洋の冥界(めいかい)もどうにかしてほしいのです)
(悩んで苦悩しみ続ける人々が存在しています)
「分かりました。
冥界(めいかい)を解放しましょう」
裕也は、冥界を西の地球に統一することに決めた。
「ハデスさん。冥界を西の地球に統一していいですか?」
(それは、どんな土地ですか?)
ハデスは、密かに聞いていた。
「太陽に照らされた普通の大地です」
(そんな所があるのですか?)
「はい。あります」
(一度、見に行きたいのですが)
裕也は、西の地球に手をかざした。
光が「ピュッ」と飛んだ。
ハデスは、西の地球を見た。
(素晴らしい。普通の大地だ)
ハデスは、(ここだ。西の地球を支配したい)と思った。
納得した振りをして機会を伺うことにした。
「よろしい。統一に賛成します」
つづく。 次回(白微穴②)
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