0280_神々の合議(005)裕也の冒険-未曾暫廢①-
--未曾暫廢(みぞうざんぱい)①--
水子は、「全神仏の和平宣言」の資料を持って、閻魔様のところに承認を得に行った。
「馬鹿者!仏法の『諸天善神』の承認のサインがない。
署名がなければ承認できん。
何としてももらってこい」
閻魔大王は、激怒する。
水子は、慌ててアクストラに告げに帰った。
「アクストラさん。水子は、悪くないよね」
水子は、申し訳なさそうである。
(もう一押し頑張ったら良かったかな?)
「悪くないよ。頑張った」
裕也は、聞いていたので慰(なぐさ)めた。
アクストラは、裕也に諸天善神の了承のサインがないのはおろか、合議に出席していないことを話す。
裕也は、アクストラに面倒をかけ過ぎだと感じ、
自身で解決することにした。
西の地球にある天照大神の所なら分かる。
裕也は、自ら訪れることにした。
平屋の寝殿造り(しんでんづくり)である。屋敷の正面は、谷の構えの瓦の屋根がある。
木の柱が幾重にも並んでいる。何室あるかは分からない。
たいそうな庭があり、川のせせらぎの音がする。
風と通りの良い襖(ふすま)の無い吹き抜けの部屋がり、
奥にも部屋が連なっている。
屋敷の周りは、木の塀で囲まれいて様子は深くは分からない。
入口に木戸の門がある。
日蓮如来仏の屋敷より広い。
きっと祭壇もあり古の鏡を祭っているのだろう。
裕也は、大声で呼びかける。
「お頼み申します。
南の地球の裕也です。
合議の件で参りました。
お取次ぎをお願いします」
暫くして、中から白衣の女人が出てきた。
そして、外を覗き、裕也であると確認すると門を開けた。
「裕也。よく来ました」
女性は、喜び、裕也の手を取った。
裕也は、次元の外に出た。
「あ!」
「うふふふ もう、逃がさないわよ」
裕也は、西の地球に移動させられた。
(帰れるのかな?)
つづく。 次回(未曾暫廢(みぞうざんぱい)②)
メモ:諸天善神の水子①は、またの機会に題が変わりました。
メモ:未曾暫廢(未曾を暫く廃する。)と訳す。全ての事を暫くの間廃止する。我見かもしれませんが、私はそう読みます。
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