0274_神々の戦い(043)裕也の冒険-ゼウスの駆け引き⑤-
--ゼウスの駆け引き⑤--
裕也は、手をゼウスに向けた。
手から、手のひらの大きさの物体が現れる。
長方形で頭が丸くなっていてギザギザな丸い円盤。
鋸(のこぎり)がついている。
どんどん現れて飛んで行く。
その数は、5体。
今いるゼウスを含む光の神の数である。
その中には、女神もいた。
その円盤鋸(えんばんのこ)は、ゼウスを含む光の神に向かっていく。
「ブゥゥゥン。ブゥゥン」
漂(ただよ)いながらゼウスの目の前に来た。
ゼウスは、振り払おうとする。
しかし、体は動かない。
他の者も動かない。
そして、額の真ん中を真横に切り出す。
「ギィィギィィギギ」
(生ながら切り刻まれるとはこう言う感覚か)
ゼウスは、声を出そうとしたが、声も出ない。
これは、しかし実際に切り刻まれているのではない。
イメージの感覚である。
頭蓋骨は切り取られ、
そして、頭から落ちる。
「ドッコン」
後に、脳みそが丸出しになっている。
(スゥスゥスゥ)
他の者も口を開け叫びだそうとしているが声はでない。
裕也は、それを見て話しかける。
「見てみぬふりをしたものも同罪だ。
ゼウス。銅漬けの脳の気持ちが分かるか?」
ゼウスは、必死で声を上げた。
「か か か かい 解放の仕方が分からないのだ」
裕也は、声を出すことを許したのである。
石の妖精は、ここぞとばかりに、石板に映し出す。
石板の千里鏡に闇の民の銅漬けの脳が映し出された。
赤いろに照らされた洞窟に2千余りの脳が映っている。
それは、近くに溶岩がながれていた。
つづく。 次回(ゼウスの駆け引き⑥)
#裕也の冒険 #自作小説 #神々の戦い #裕也 #ゼウスの駆け引き