ひろひろの生活日記(LIFE Of HIROHIRO)

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0216_東の王(006)裕也の冒険

2020年01月03日 17時45分00秒 | 裕也・冒険日記(自作小説)
0216_東の王(006)裕也の冒険
--死神四郎③--
「私は、死神四郎と言います。
 鎌倉時代に私は生まれた。
 大聖人様が本を顕した時、
 私は大聖人様を守るように生まれました。
 姿を消し、お傍(そば)でじっとお守りしていました。
 小さな死神を走らせて
 情報を集めたり、ここ…殺させたりです。
 小さな子は瞬時に千里を駆けます。
 命令には、従います。
 彼らと違って、私の姿は人の姿をしています。
 今は、理由(わけ)分けあって消えていて人には見えません。
 霊界と人界の狭間(はざま)に居ます」
彼の声は、低く重かった。
声は明晰だが黒ずんでいた。飲み込む闇があった。
(宿業を積んでいる)
裕也は、そう思った。そして、口火を切って言葉が出た。
「それを聞けば、大聖人様はあなたを悲しむでしょう。
 仏法者を守ることとはいえ
 人を殺めること。
 それは、仏法を行ずることではない。
 仏法に違背することです。
 本当の仏法は、自身で自身の業と向き合い南無妙法蓮華経を
 唱えなければ分からない」
四郎は、はっとした。
「大聖人、仏法の行者を守ることが仏法を行ずることだと思っていました」
裕也は、重ねて言った。
「題目を唱えることです。
 そして、自身の宿業と向き合うことです」
四郎は、恐る恐る言葉を発した。
(おこがましいお願いかもしれない)
「あの、あの…あの鏡が欲しいのですが…」
裕也は、察した。
(阿修羅にある鏡が不思議だったのかもしれない。
 四郎は、死神。神である。
 曼荼羅ではなく
 鏡が良い)
裕也は、意を決した。
つづく 次回(東の王007)死神四郎④

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