0289_神々の合議(014)裕也の冒険-地獄の業⑦-
--地獄の業⑦針地獄--
鬼は、裕也を針地獄に連れて来た。
針地獄とは、人を刺して殺した痛みを徐々に味わい罪を償(つぐな)う地獄である。
「それ!あの山を登って降りてこい」
鬼は、裕也を突き出した。
針が尖(とが)って突き出している。
裕也は、恐る恐る足を出す。
(いたそやなぁ。尖(とが)ってるなぁ)
針は、山に吸い込まれへっこむ。
(あれ、痛くない)
裕也が置く足の位置の針は、全てへっこんで行く。
他の亡者の足も同じように針がへっこんで行く。
(もう。十分みんな痛みを味わったよ。
もう許したげる)
地獄の妖精は、思った。
(うぅぅ。気持ちがいい)
(えぇ なにこれ)
裕也は、ビックリした。
足に針が刺さってきたのである。
(足のツボです)
地獄の妖精は答えた。
(気持ちが良いけど。
今日は、遠慮しとくよ)
裕也は、気持は嬉しかったが、ちよっと怖かった。
(ふん。ぷん)
針の山は、つるつるてんに成った。
裕也は、無事に針の山もクリアした。
「次は、灼熱地獄だ」
鬼も安心した。
(どうせ。良い湯加減ですと言うに決まってると思った)
つづく。 次回(地獄の業⑧-灼熱地獄-)
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