ひろひろの生活日記(LIFE Of HIROHIRO)

パソコン講習とソフト開発をしています。自作小説も掲載しています。ネット情報発信基地(上野博隆)Hirotaka Ueno

0287_神々の合議(012)裕也の冒険-地獄の業⑤-

2020年11月26日 20時42分44秒 | 裕也・冒険日記(自作小説)

0287_神々の合議(012)裕也の冒険-地獄の業⑤-

--地獄の業⑤地獄の妖精--

ディフェドは、前に進み石板の中に入って行った。

地獄の妖精の姿は分からない。
ただ、押さえられた肩が燃えるように熱い。
背中の羽を畳(たた)む。
(どこに、連れて行く気だろう)
(妖精の道かな?)
(でも、やけに暗い)
暗闇の中、遠くに明かりが灯っている。
屋城らしきもであるようだ。
近づくとそれは、燃え盛っている。
煌々(こうこう)と燃え立つ屋城である。
屋城の門が開く、中に入る。
熱い。
幾重もの障子を開け、奥へ奥へと進む。
より熱くなていく。

骨折り地獄では、裕也に石板を三枚乗せた。
足の骨が軋(きし)む。
ディフェドと裕也の心がシンクロする。
ディフェドの足も軋む。

一番、奥の部屋に着いた。
座敷に座らされた。
地獄の妖精は顔を顕す。
炎の中、目は吊り上がり、口も避け歪んでいた。
罪を受け止め続けたのだ。
ものすごく苦悩の役目を背負っているのである。
ディフェドは、尊敬し敬意を浮かべた。
純粋に涙がでる。
裕也も涙する。
裕也にもその顔が見えたのである。

「何を泣いてるのだ!
 そんなに苦しいか!
 泣いて詫びるのか?」
鬼たちは笑う。

涙は、溢(あふ)れて出る。涙ぶくろの内側に溢れる。
内側から内側に流れる。
裕也は、涙を地獄の全てのものに繋(つな)ぐ。
地獄の妖精は、みんな涙が出る。
今まで流したことのないものである。
裕也の涙である。
妖精は、純粋さ清さに心を洗われていく。

石板が割れる。
「ゴトン ゴトン ゴトン」

つづく。 次回(地獄の業⑥-洗われし地獄-)

#裕也の冒険 #自作小説 #神々の合議 #裕也 #地獄の業 #地獄の妖精


コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 今日の日記(2020年11月26日) | トップ | (Yuya's adventure)0057_Demo... »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。

裕也・冒険日記(自作小説)」カテゴリの最新記事