ひろひろの生活日記(LIFE Of HIROHIRO)

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闇と光の慈愛のコントラスト(84)闇は母

2020年11月08日 12時48分33秒 | 闇と光の慈愛のコントラスト(自作小説)

闇と光の慈愛のコントラスト(84)闇は母
==第二章、闇と光==
--闇は母(007)しばしの休息①--


アクティスは、サンディアの家についた。
「ここで、暫くゆっくりしていてください」
そう言うと、サンディアは、アクティス為に飲み水を汲(く)みに行った。
飲み水は、島の山の中腹に溜まった水が流れ出ている場所がある。
木の幹を刳(く)り抜いた桶(おけ)を持っていた。
水源に着いた。
汲む前に、サンディアは、一口飲んだ。
「美味い」
サンディアは、安心した。
アクティスに害のあるものを飲ませることはできない。
光の神の手が届くとは思わないが、少し用心したのである。
(夕食の分も足りるだろう)
桶一杯に水を汲んだ。こぼさないように慎重に戻った。
「アクティス。水です」
サンディアは、勢いよく家を覗(のぞ)いた。
「まあ。うれしい」
アクティスは、もう何日も何も口にしていない。
喉(のど)が渇(かわ)いていた。
サンディアは、水桶から、カップに水を移して差し出す。
アクティスは、「ごくごくごく」と飲んだ。
「おいしい。サンディア。ありがとう」
サンディアは、今度は、籠(かご)とその籠に栓のついた容器を入れた。
「少しは休めましたか?
 私は、畑に夕食の素材を取りに行きますが、
 アクティスは、どうします」
「私も畑を見たわ」
今まで暗闇にいたせいか、違う景色が見たくなった。
畑は、山の中腹の家からまだ登らないといけない。
アクティスも闇の民である。農作業も手伝っていた。足腰は丈夫である。
2人は、仲良く出発した。
「アクティス。足元に気をつけて、
 折れた木の根が突き出ているから」
2人は、山を足元を注意しながら登る。
草木が険しいが、
サンディアが毎日、農作業で通うからか道が出来ている。
畑に着いた。
部屋五件分ぐらいの畑である。周りは柵で囲んであった。
母親と2人で暮らすには十分な広さなのでしょう。
緑の葉のキャンジャを一つと赤いボヤゲの根を三本取り籠に入れた。
ジョガの木に傷をつけて汁を栓のついた容器に取った。
そして、2人は、家に戻ったが、サンディアが、今度は一人で出ていく。
「少し待ってて」
「どこ行くの?」
「いいもの」

つづく。 次回(しばしの休息②)

 


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