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「碧いうさぎ」替え歌「白いクスリ」削除申請

2009年08月17日 02時01分00秒 | ネット・IT
「碧いうさぎ」替え歌「白いクスリ」、削除申請の理由をクリプトンが説明

 「初音ミク」開発元のクリプトン・フューチャー・メディアは8月13日、「ニコニコ動画」に投稿されていた、初音ミクを使って作られた「碧いうさぎ」の替え歌「白いクスリ」を削除申請した理由について、「ピアプロ開発者BLOG」で説明した。「当社の営業上の利益と信用が侵害されるおそれを考慮して」削除を申し立てたという。
(中略)
 この動画の削除申請については、ニワンゴ取締役の西村博之(ひろゆき)氏が12日に更新したブログで、「この動画がクリプトンさんのどういった権利を侵害してるのかよく分からない。クリプトンさんが気に入らないものは、権利侵害の名の下になんでも削除できちゃうなら、JASRAC(日本音楽著作権協会)より性質が悪い気がする」などと指摘していた。

初音ミク(はつね みく、HATSUNE MIKU)は2007年8月31日にクリプトン・フューチャー・メディアから発売された音声合成・デスクトップミュージック (DTM) ソフトウェアの製品名、およびキャラクターとしての名称である。「キャラクター・ボーカル・シリーズ(CVシリーズ)」の第1弾として発売された。
ヤマハの開発した音声合成システム『VOCALOID2』を採用したボーカル音源の1つで、メロディと歌詞を入力することで、合成音声によるボーカルパートやバックコーラスをパソコン上で作成することができる。また、声に身体を与えることでより声にリアリティを増すという観点から[1]女性のバーチャルアイドルのキャラクターが設定されている。
出典:フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』


初音ミクといえばキャラクターが全面に出ているので、ともすればゲームソフトみたいな印象が強いのだが、これをDTMソフトウェアという観点から捉えると、問題がややこしくなる気がする。
すなわち、それはシンセサイザーみたいな物で、実際にヤマハの開発した音声合成システム『VOCALOID2』は初音ミク以外にも用いられている。となれば、これを進めていくと「この楽曲は当社の楽器で演奏されている。そして当社の利益に反するから、この楽曲の発表はまかりならん」ってな事にもなり得る。もちろん極論ですよ(笑)。
もちろん初音ミクのキャラクターはクリプトンに著作権があるし、それ以前に「碧いうさぎ」には作詞者・作曲者・編曲者の著作権があるから「全くなんの問題もない」作品とは言い難いのだが、PC等を用いて製作された著作物に対して、それを製作した人物と、その元となるシステム・原形を製作した人物が対立した時には、かなり難しい問題になるだろうと考えさせられる事件(?)ですね。
そもそもパロディと表現の自由の著作権は大昔から論争の対象であり、山岳写真家の白川義員氏の雪山の斜面をスキーヤーが滑走している写真に、デザーナーのマッド・アマノ氏が自動車タイヤを被せたモンタジュー写真が「パロディか著作権違反か」で争われた裁判は、和解までに14年も掛っている。「白いクスリ」とマッド・アマノ氏を同列に扱うことはできないが、根は同じかなという気がする。