時代のウェブログ

イマを見つめて
提言します

はたして幼稚な殺人事件か?

2006年08月30日 02時36分52秒 | 社会・経済
稚内市で46歳の病院パート職員の女性が自宅で刺殺された事件は、女性の16歳の長男が15歳の友人に30万円を支払うと持ちかけて殺害を依頼していたことが解った。gooNews
多くの人は、30万円で母親殺害を依頼するなど極めて幼稚、まるで漫画のような感覚の事件だと感じるかもしれない。30万円で人を殺すことなど考えられないのではないか?

しかし筆者は、16歳と15歳という年齢が、どうも気に掛かる。
平成13年4月1日、改正少年法が施行された。この改正で、
1.犯行時16歳以上の少年が故意の犯罪行為により被害者を死亡させた罪の事件,例えば,殺人(既遂),傷害致死,強盗致死,危険運転致死等の事件については,家庭裁判所の調査の結果,刑事処分以外の措置が相当と認められる場合を除き,検察官送致決定をしなければならないこととなった。
2.改正前は,終局決定時16歳未満の少年について事件を検察官に送致すること(いわゆる「検送」)はできなかったが,改正後は,14,15歳の少年についても,家庭裁判所の調査の結果,刑事処分を相当と認めるときは,検送することができるようになった。

しかし現実では15歳以下の少年の検送は、ほとんど実施されていない。【参照】「改正少年法の運用の概況」→
情報過社会において、少年がこのような情報を知っている可能性も考えられる訳で、もしも「お前は、まだ15歳で検送されないから、30万円でやらないか?」と持ちかけたとすれば、「幼稚な犯罪」とか「漫画みたいな計画」とは言ってられない。
実際に、筆者の少年時代にも「俺はまだ未成年だから、人を殺しても死刑にはならない」などと恐ろしい事を嘯く輩がいた。

もちろん厳罰化だけが犯罪防止に効果的などと言う気はない。しかし現実に、連日次々と少年による凶悪犯罪が起きている現在、安閑と構えていられる余裕はもうないと思う。すべての大人は、こういう事件が他人事ではない事を自覚しなければならないと感じる。



最新の画像もっと見る

4 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
Unknown (ちさと)
2006-08-31 08:41:38
>こういう事件が他人事ではない事を自覚しなければならないと感じる



本当にそうですね。

回りの話を聞いていても「被害者になるかも知れない」とは言っても「加害者になるかも知れない」と言う人がとても少ないと感じます。



被害者にも加害者にもなりうると言うことを自覚し、子育てを見直さなければならないと思わされた事件でした。
返信する
コメントありがとうございます (uesama01)
2006-08-31 19:29:02
「離婚するな」なんて言えば完璧な暴言になってしまいますが、この2少年には大きな影響を与えてしまった感が否めないし、他の少年事件の中にも影響を与えていそうな事件がかなりありますね。できれば離婚まで至る前に双方が最大限の努力を重ねるのが子供の為だと感じます。色々と難しいのでしょうが。
返信する
トラバありがとうございました。 (ウフフマン)
2006-09-01 20:14:02
ブログに載せた後で、30万円で友人に依頼とか、オヤジも殺すつもりだったとかのニュースを知り驚きました。家族関係の崩壊もありますが、今の10代の友人関係の奇妙さも同時に露呈したような事件でした。ご指摘のごとく、感情抜きの知恵がまわる人種が増えているのかもしれないですね。しかし、そのような人種をつくりだしたのは大人と時代であります。自分の跳ね返ってきそうで怖いです。
返信する
コメントありがとうございます (uesama01)
2006-09-03 06:31:54
すぐに殺したりする風潮を「今の子供は堪え性がない」とか批判されますが、大人にも堪え性がない人が多いですよね。腹が立つと直ぐ虐待する、パチンコしたいのを我慢できず子供を放置する、性欲を堪えられず生まれた子供を殺す……etc.

少年犯罪は大人社会の乱れの鑑でもあります。
返信する

コメントを投稿