黄姚古鎮の『松と鶴』
時斎作
黄姚古鎮の家の入り口を見ると、上のほうに『松と鶴』の絵。
土壁の上に、直接 泥絵の具で描かれていた。
松は右側に堵から強く立ち、枝は左の方に円状に現される。
枝の上には二羽の鶴。
一羽は待つの幹に向かい、一羽は風に歌う枝を見上げる。
鶴の左には多分この家が栄えるように書かれた言葉。
『松』や『巣高』や『眠』といった文字が目にうつる。
そして最後には 時斎のサイン。
絵の回りには赤みを帯びた黄土色で囲み、赤や水色の半円の飾り。
半円の中には植物のような模様。
絵の上には飾り木。
この木の両側からは唐草文様を思わせる雲が内側に向かって伸びる。
待つの幹の力強さは時斎という画家或いは職人の力を感じさせる。
幹に使われた黒は心憎く、見事だ。
このような素晴らしい絵が、家にさらりと描かれている黄姚古鎮。
ここにはどんな家族が住んでいたのだろうか・・・
私は中国や黄姚古鎮に対して、今まで以上に興味を持った。