2011年度 46 『古筆と平安の和歌 料紙と書の美の世界 』 逸翁美術館 2011早春展
『古筆と平安の和歌 料紙と書の美の世界 』 逸翁美術館 2011早春展
逸翁美術館展観図録業書
逸翁美術館
館長 伊井春樹
P、59~139
岩波書店
昭和40年 (P,502)
三月の課題にしていた『古筆と平安の和歌 料紙と書の美の世界 』を本日読了。
古筆切の発生から記され、流れや種類などの道の世界に触れる。
この図録を読んでから、展示物をを見ることができたなら、もっと実となったろうか…
諸々の博物館や近くでは大和文華館などでも楽しむことが出来るので、今後もこの内容は覚えておきたい。
古筆は鎌倉や室町時代初期、と木には平安時代にまでさかのぼる資料が存在。
平安朝末の「夜の寝覚」葉途中が抜け落ちているそうだが、古筆断簡にはその失なわれた部分が存在するという。
紙や書の美しさばかりではなく、資料として価値があるのだと知る。 5
左は【古筆鑑定家系図】
古筆鑑定家についてのコラムでは、これらの人が「真筆」といえば偽筆も真筆となり、「偽筆」といえば真筆も偽筆となるとある。 26
『徒然草』(八十八段)
ある者、小野道風の書ける和漢朗詠集と手持ちたりけるを………「…時代や違いはべらん。…」………
………「さ候へばこそ、世にありがたきものにはんべりけれ」とて、いよいよ秘蔵しけり。
小野道風がなくなる前の都市に生まれた公任が『和漢朗詠集』を書写できるはずがないというと、
「それだからこそ、この世にも珍しいのです。」 3
本図録には古今和歌集などの説明も含み、少しかじりはじめたわたしにとっては非情に嬉しい。
古筆手鑑と利休のコラムなどは興味深い。
むずかしいことは抜きとして美術鑑賞として面白さを感じる古筆。
図録『古筆と平安の和歌 料紙と書の美の世界 』は薄くて安価な冊子だが、いつも手元においておきたい一冊と感じている。
おつきあい下さいまして、ありがとうございました。
心より感謝しています。