乱鳥の書きなぐり

遅寝短眠、起床遊喰、趣味没頭、興味津々、一進二退、千鳥前進、見聞散歩、読書妄想、美術芝居、満員御礼、感謝合掌、誤字御免、

『梁塵秘抄』(りょうじんひしょう)339(我を頼めて来ぬ男 角三つ生ひたる鬼になれ)  筑摩書房『日本詩人選 22』

2021-06-08 | 梁塵秘抄(今様)

八幡神社  奈良

 

 

『梁塵秘抄』(りょうじんひしょう)339(我を頼めて来ぬ男 角三つ生ひたる鬼になれ)  筑摩書房『日本詩人選 22』

 

 我を頼めて来ぬ男

 角三つ生ひたる鬼になれ さて人に疎まれよ  

 霜雪霰降る水田の鳥となれ さて足冷かれ  

 池の浮草となりねかし と揺りかう揺り揺られ歩け

 (339)

 筑摩書房『日本詩人選 22』 P.8写す

 

 

 我を頼めて来ぬ男

 角三つ生ひたる鬼になれ さて人に疎まれよ  

 霜雪霰降る水田の鳥となれ さて足冷かれ  

 池の浮草となりねかし と揺りかう揺り揺られ歩け

 

 上を読んで、内容こそ違えど、まず一番に、能楽『鉄輪』の女の情念を思い浮かべた。

 

 これは女が男を呪った歌であるが、大胆な悪態ぶりである。

 

 角三つ生ひたる鬼になれ

 たたみ込んで

 霜雪霰降る水田の鳥となれ

 さらに

 池の浮草となりねかし 

 と、駄目押し。

   人に疎まれよ  

   足冷かれ

   と揺りかう揺り揺られ歩け

と、夜離(が)れする男を呪うほどに、悪態をつく。

 

 加えて、和歌では、「男」という言葉を使った作品がほとんどない。

「男」という言葉は体臭を持った「け」の言葉とされていたという。

 その「男」を冒頭で「我を頼めて来ぬ男」と言ってのける。

我を頼めて来ぬ男」には、充たされぬ愛欲を下地にしたっ呪いの響きが聞き取れる。

 なので、上にも書いたが、設定こと違うが、能楽『鉄輪』の女の情念を思い浮かべたのかもしれない。

 

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93:『梁塵秘抄』女の盛りなるは 十四五六歳 二十三四とか 三十四五にしなりぬれば 紅葉の下葉に異ならず

2014-09-13 | 梁塵秘抄(今様)
  (写真は京都 花見小路)



 
 こちらは京都 建仁寺に咲いていた蓮の花  (9月中旬)
 359 遊びをせんとや生まれけむ 
    戯れせんとや生まれけむ
    遊ぶ子どもの声きけば
    わが身さへこそゆるがるれ      P.151





   93:『梁塵秘抄』新潮日本古典集成




 新潮日本古典集成31回(榎克朗)の『梁塵秘抄』をようやく読了。
『梁塵秘抄』は面白いので、繰り返して読みたいよ。
 併読していた(つもりの)日本詩人選22(西郷信綱)『梁塵秘抄』はまだ一部しか読んでないよ。
 困ったな。
 近々某先生のお話を拝聴したいのに、『梁塵秘抄』はもう少し知っておかないとダメだな!と、深く反省。
 この秋は精進あるのみだね(笑)

『梁塵秘抄』は面白いのでもっと多く書き写したいのだけれど、興味のある事や やりたい事が多くて時間が足りないよ。
 うれしい悲鳴かな。

 さぁ!今日も楽しい時間をつなぎあわせましょうぞ!  

 


 


  これまでに『梁塵秘抄』新潮日本古典集成から書き写した歌 ▼  

 116 女人 五つの障りあり
    無垢の浄土はうとけれど
    蓮華し濁りに開くれば
    龍女(りゅうにょ)もほとけになりにけり  P.60(新潮日本古典集成31回 榎克朗から書き出す 以下省略)

   極楽歌 六首
 175 極楽浄土は一所(ひとところ)
    つとめあければ程(ほど)遠し
    われが心の愚かにて
    近きを遠しとおもふなり
          P.82

 176 極楽浄土の東門(とうもん)は  
    難波の海にぞ対(むか)へたる
    転法輪所(てんぽうりんしょ)の西門(さいもん)は
    念仏する人 参れとて
          P.83

 178 極楽浄土のめでたさは
    一つもあだなることぞなき 
    吹く風 立つ風 鳥もみな
    妙(たへ)なる法(のり)をぞ唱(とな)ふなる 
          P.83
       
 179 極楽浄土の宮殿(くでん)は  
    瑠璃の瓦を青く葺(ふ)き
    真珠の垂木(たるき)を造り並(な)め
    瑪瑙(めのう)扉(とぼそ)を押し開き
          P.83-84

 180 十方仏土の中には
    西方をこそ望むなれ
    品蓮台(くほんれんだい)の間(あひだ)には
    下品なりとも足(た)んぬべし  
          P.84

 181 浄土はあまたあんなれど
    弥陀(みだ)の浄土ぞすぐれたる 
    品(ここのしな)なんなれば
    下品下(げひんげ)にてもありぬべし  
          P.84


 359 遊びをせんとや生まれけむ 
    戯れせんとや生まれけむ
    遊ぶ子どもの声きけば
    わが身さへこそゆるがるれ      P.151

鳥合わせ
 386 烏は見る世に色黒し
    鷺は年は経れ(ふれ)どもなほ白し
    鴨の頸(くび)をば短しとて継ぐものか
    鶴の脚(あし)をば長しとて切るものか
          P.162

 387 小鳥の様(よう)がるは
    四十雀(しじゅうからめ) ひは鳥 燕(つばくらめ)
    三十二相 足らうたる啄木(てらつつき)
    鴛(をし) 鴨 そい 川に遊ぶ   
          P.162
               そい=カワセミ
 388 西の京行けば
    雀 燕(つばくろめ) 筒鳥(つつどり)や さこそ聞け
    色好みの多かる世なれば
    人は響む(とよむ)とも 麻呂だに響まずは(とよまずは)
          P.162
          387 燕(つばくらめ)
          388 燕(つばくろめ)

 394 女の盛りなるは
    十四五六歳 二十三四とか
    三十四五にし なりぬれば
    紅葉の下葉に異ならず        P.165

 410 頭(こうべ)に遊ぶは頭虱(あたましらみ)
    項(をなじ)の窪を極めて(きめて)食う(くう)
    くしの歯より天降る(あまくだる)
    麻小け(まごけ)の蓋にて命(めい)終わる   P.170-171

 456 恋しくは
    疾(と)う疾(と)うおはせ わが宿は
    大和なる三輪の山本 杉立てる門(かど) P.188

 457 波も聞け
    小磯も語れ 松も見よ
    われをわれといふ方(かた)の風ふいたらば
    いづれの浦へもなびきなむ        P.188

 458 須磨の浦に
    引き干(ほ)いたる網の一目(ひとめ)にも
    見てしかばこそ恋しかりけれ       P.188-189

 459 わが恋は
    一昨日(おととひ)見えず 昨日(きのふ)来ず
    今日おとづれなくは 明日(あす)のつれづれいかにせん P.189

 460 恋ひ恋ひて
    たまさかに逢ひて寝たる夜(よ)の夢は いかが見る
    さしさし きしと抱くこそ見れ             P.18

 556 東(あずま)には
    女はなきか 男巫女(おとこみこ)
    さればや神の男には憑く(つく)   p.219

 557 神ならば
    ゆらら さららと降りたまへ
    いかなる神か もの恥はする     P.219

 558 この巫女は様がる(ようがる)巫女よ
    帷子に 尻をだにかかいで
    ゆゆしう憑き(つき)語る これを見たまへ  P.219-220


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『梁塵秘抄』 極楽歌 六首 「極楽浄土のめでたさは 一つもあだなることぞなき 」新潮日本古典集成

2014-09-04 | 梁塵秘抄(今様)
    (写真は『蔵謎』ヤン・リーピン  蔵謎大劇院(劇場) 中国 四川 九寨溝ふもと)


 


『梁塵秘抄』 極楽歌 六首 「極楽浄土のめでたさは 一つもあだなることぞなき 」新潮日本古典集成

 

 只今読んでいる途中の
  『梁塵秘抄』
    新潮日本古典集成31回 榎克朗、
    日本詩人選22 西郷信綱
   (新潮日本古典集成31回 榎克朗から書き出す 以下省略)
  から、
    今回は 極楽歌 六首を書き写す。

 
   極楽歌 六首
 175 極楽浄土は一所(ひとところ)
    つとめあければ程(ほど)遠し
    われが心の愚かにて
    近きを遠しとおもふなり
          P.82(新潮日本古典集成31回 榎克朗から書き出す)

 176 極楽浄土の東門(とうもん)は  
    難波の海にぞ対(むか)へたる
    転法輪所(てんぽうりんしょ)の西門(さいもん)は
    念仏する人 参れとて
          P.83(同上 以下省略)

 178 極楽浄土のめでたさは
    一つもあだなることぞなき 
    吹く風 立つ風 鳥もみな
    妙(たへ)なる法(のり)をぞ唱(とな)ふなる 
          P.83
       
 179 極楽浄土の宮殿(くでん)は  
    瑠璃の瓦を青く葺(ふ)き
    真珠の垂木(たるき)を造り並(な)め
    瑪瑙(めのう)扉(とぼそ)を押し開き
          P.83-84

    
 


 以前書き写した歌 ▼  

 116 女人 五つの障りあり
    無垢の浄土はうとけれど
    蓮華し濁りに開くれば
    龍女(りゅうにょ)もほとけになりにけり  P.60(新潮日本古典集成31回 榎克朗から書き出す 以下省略)


 180 十方仏土の中には
    西方をこそ望むなれ
    品蓮台(くほんれんだい)の間(あひだ)には
    下品なりとも足(た)んぬべし  
          P.84

 181 浄土はあまたあんなれど
    弥陀(みだ)の浄土ぞすぐれたる 
    品(ここのしな)なんなれば
    下品下(げひんげ)にてもありぬべし  
          P.84


 359 遊びをせんとや生まれけむ 
    戯れせんとや生まれけむ
    遊ぶ子どもの声きけば
    わが身さへこそゆるがるれ      P.151

鳥合わせ
 386 烏は見る世に色黒し
    鷺は年は経れ(ふれ)どもなほ白し
    鴨の頸(くび)をば短しとて継ぐものか
    鶴の脚(あし)をば長しとて切るものか
          P.162

 387 小鳥の様(よう)がるは
    四十雀(しじゅうからめ) ひは鳥 燕(つばくらめ)
    三十二相 足らうたる啄木(てらつつき)
    鴛(をし) 鴨 そい 川に遊ぶ   
          P.162
               そい=カワセミ
 388 西の京行けば
    雀 燕(つばくろめ) 筒鳥(つつどり)や さこそ聞け
    色好みの多かる世なれば
    人は響む(とよむ)とも 麻呂だに響まずは(とよまずは)
          P.162
          387 燕(つばくらめ)
          388 燕(つばくろめ)

 394 女の盛りなるは
    十四五六歳 二十三四とか
    三十四五にし なりぬれば
    紅葉の下葉に異ならず        P.165

 410 頭(こうべ)に遊ぶは頭虱(あたましらみ)
    項(をなじ)の窪を極めて(きめて)食う(くう)
    くしの歯より天降る(あまくだる)
    麻小け(まごけ)の蓋にて命(めい)終わる   P.170-171

 556 東(あずま)には
    女はなきか 男巫女(おとこみこ)
    さればや神の男には憑く(つく)   p.219

 557 神ならば
    ゆらら さららと降りたまへ
    いかなる神か もの恥はする     P.219

 558 この巫女は様がる(ようがる)巫女よ
    帷子に 尻をだにかかいで
    ゆゆしう憑き(つき)語る これを見たまへ  P.219-220


 

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『梁塵秘抄』 鳥合わせ【烏は見る世に色黒し 鷺は年は経れ(ふれ)どもなほ白し…】など

2014-08-28 | 梁塵秘抄(今様)
         (写真は錦里古城   2014年8月)



  『梁塵秘抄』鳥合わせ【烏は見る世に色黒し 鷺は年は経れ(ふれ)どもなほ白し…】など



 只今読んでいる途中の
  『梁塵秘抄』
    新潮日本古典集成31回 榎克朗、
    日本詩人選22 西郷信綱
   (新潮日本古典集成31回 榎克朗から書き出す 以下省略)


   鳥合わせ

 386 烏は見る世に色黒し
    鷺は年は経れ(ふれ)どもなほ白し
    鴨の頸(くび)をば短しとて継ぐものか
    鶴の脚(あし)をば長しとて切るものか
          P.162(新潮日本古典集成31回 榎克朗から書き出す)

 387 小鳥の様(よう)がるは
    四十雀(しじゅうからめ) ひは鳥 燕(つばくらめ)
    三十二相 足らうたる啄木(てらつつき)
    鴛(をし) 鴨 そい 川に遊ぶ   
          P.162(新潮日本古典集成31回 榎克朗から書き出す)
               そい=カワセミ
 388 西の京行けば
    雀 燕(つばくろめ) 筒鳥(つつどり)や さこそ聞け
    色好みの多かる世なれば
    人は響む(とよむ)とも 麻呂だに響まずは(とよまずは)
          P.162(新潮日本古典集成31回 榎克朗から書き出す)
          387 燕(つばくらめ)
          388 燕(つばくろめ)




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『梁鹿秘抄』から 遊びをせんとや生れけむ 戯れせんとや生れけん・・・

2010-04-15 | 梁塵秘抄(今様)

(写真は奈良県庁の賛否両論あるが、最近やっと奈良県民はこのキャラに慣れてきたという せんとくん。

 あそびをせんとや せんとくん
                  である。...違うか^^;;)


 昨日『神歌』の【とうとうたらり たらりら たらりあがり ららりとう】を考えていたら全くわからなくなってしまった。

 多分、いい加減なことを書いているのだと思う...。

 考えれば考えるほど知らないことに気づく。

 仕方が無いので◯◯に、聞く。

 すると、三冊の『梁塵秘抄』を貸してくれた。


  『神楽歌 催馬楽  梁鹿秘抄 閑吟集』日本古典文学全集51巻 

  『梁鹿秘抄』西郷信綱  日本詩人選22
  
  『梁鹿秘抄』新潮日本古典集成

 三冊を出してくれたのはいいが、話が長い。

 自分が本を見ては楽しそうに話しだす始末。

 結局は『神歌』についてははっきりとしたアウトラインはわからなかったが、『梁鹿秘抄』についてはある程度理解できた。



『梁鹿秘抄』三冊を見比べると面白いことに気がついた。

 わかりやすいので四句神歌 359の


    遊びをせんとや生れけむ

    戯れせんとや生れけん

    遊ぶ子供の声きけば

    我が身さえこそ動がるれ

 解釈は微妙に違う。

 一般的には遊女が詠んだとされているが、

    【老境に入ろうとして、過去をかえりみ、子供の童心に憧れる微妙な心理の動き】
           (『 梁鹿秘抄.』西郷信綱  日本詩人選22   21ページ)
という解釈があってもいいのではないか.......と思っていたわたし。

 日本詩人選22『 梁鹿秘抄.』で西郷信綱は
    【それは棒読みだ】
と説く。 

 西郷信綱は読んでいて面白い。 



『神楽歌 催馬楽  梁鹿秘抄 閑吟集』で「神楽歌」の始まりといくつかの歌を読むがこれも興味深い。

『竹斎』『宮田登に本を語る』『伊勢物語 大和物語』『美術の歩み 上下』『正倉院』『ゾロアスター教』........。

 読みたい本がわたしの机のまわりには多く積まれ、少々焦る。 



         知らないことばかりが山積みだ。

         こりゃ!楽しいぞ^^
 

コメント (2)
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