ドラマ『お先にどうぞ』 1.9★/5 濱田岳 石丸謙二郎 夏帆 2013年 全6話 作者:塩沢 航
濱田岳主演の、ドラマ『お先にどうぞ』を見た。
別段、料理が美味しそうに見えるでもなく、濱田岳の演じ方のみに頼った講釈が多く中身のないドラマのように感じる。
それでも、1話 石丸謙二郎と6話 夏帆の設定には無理はなく、話としてもソコソコに面白い展開を見せた。
このドラマ、例えば 麺なら冷麺、牛丼なら牛丼の食べ方の流儀を頑なに持論で押し付け、それに反する場合は認めない。
一種の多様性の否定であり、威嚇攻撃でさえあるといえよう。
そこまでなら自分たちの中で展開すればいいのだが、店内の飲食者の食べ方にまで、ことごとくケチをつける。
第三者を否定の上に成り立つ正道というなの持論で、中身がない。
他を拒否し、自分の意見だけが正しいと相手に求める行為、感覚は、小学生の仲良しごっこといじめに類似する。
よって、このドラマは、筋書きが嫌いだ。
作者は、塩沢 航。小山薫堂の一番弟子ということだが、それにしてもこのドラマは品位に欠ける。
小山薫堂って確か、下鴨茶寮の方で、wowowで映画解説に出ておられた品の良い方だったのに、、、、。
そういうことは師弟の間でも口出しはしないんだな、、、(笑)
おまけに、上にも書いたが、それほどまでい美味しそうに描くわけでもなく、食べる幸せ感と満足感はない。
むしろ、支配者の胃にそ食わないように気遣うといった、針のむしろ場で食う味なき料理で、見ていても楽しくない。
初めは気をてらい面白く感じたが、パターンが同じで、退屈である。
最終章の、おかまさんたちの話の展開の落とし方で、このドラマにピリオドが打てた。
しかし、食べ物で自分の流儀に合わないと全否定とは恐れ行き屋の鬼子母神!である。
そしてその食べ方に感心するどころか、共感を呼べない箇所もいくつかあったのは、お笑いぐさである。
食べ物は美味しく食べるのが一番である。
食べる行為は楽しくある方が良いだろう。
しかし、相手の意に反さないように、顔色を伺い食べる。
相手は自分の流儀を押し付け要求し、間違うと存在そのものを否定するが、肝心のご自分は、相手からは食事という行為のあり方の基本を剥奪し、いってしまえば、食事という名の拷問を可す。
ある意味度を過ぎたいじめであり、人権の否定でさえあると言える。
スプーンを使おうが箸を使おうが、手づかみであろうが、楽しくて美味しけりゃそれで良い。
栄養バランスがよけりゃ、なお最高。
端から食おうが真ん中から食おうが、野菜から食べようが肉魚から食べ等が、一緒に食べろうが、そんなことは知っちゃいない。
体のための野菜から、、、といった言葉、別問題なのでここでは省きたい。
食べ方の流儀、所作を一つとし、それを最高という、物語に出てくる人物たちに、私は不愉快さを感じたがために、その顔を見届けてやりたく、最後まで見た。
役者はどのような脚本でも引き受けるんだといった例の一つだと感じた。
【主演】:濱田岳
【ゲスト出演】:石丸謙二郎(第1話)、高梨臨(第2話)、関めぐみ(第3話)、池田鉄洋(第4話)、大政絢(第5話)、夏帆(第6話)
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全6話