乱鳥の書きなぐり

遅寝短眠、起床遊喰、趣味没頭、興味津々、一進二退、千鳥前進、見聞散歩、読書妄想、美術芝居、満員御礼、感謝合掌、誤字御免、

立春歌舞伎特別公演 2025 昼の部 『本朝廿四孝』『恋飛脚大和往来』『幸助餅』

2025-02-17 | 歌舞伎
立春歌舞伎特別公演 2025 昼の部 『本朝廿四孝』『恋飛脚大和往来』『幸助餅』
前回の夜の部に引き続いて、先日、昼の部を見てきたので、ごく簡単に記録しておきたい。

 

 おなじみの十種香

  中村 雀さんと中村 鴈治郎さんと中村 壱太郎さんが大変良かった。

 台詞まで多くを覚えている封印切

 それぞれの役柄が個性的なので、役者さんの持ち味いよって大きく封印切は芝居が変わる。

 どの役者さんもそれぞれに良かったが、扇雀さんのおえんさんも興味深かった。

 おえんさんといえば多くの役者で見たが、私的には片岡秀太郎さんが印象深いが、扇雀さんは超!好きな役者さんなので、嬉しかった^^

(そのうち扇雀さんも、扇雀丈って呼んでるよ、きっと)

 

  いやいや、主役の忠兵衛と梅川から話を勧めよう。

 

 中村 童さんの忠兵衛は、思ったよりもなかなか良かった。

 獅童さんは白塗りされると顔立ちが引き締まり、(故)三代目 実川延若のようで、舞台映えがする。

 今回の忠兵衛は真面目に一生懸命されており、好感が持てた。

 また八衛門に言い負かされる場面での、梅川に三度目をやり、救いを求めるような困ったような、やるせない視線には色気を感じた。

 こういった忠兵衛は初めてだったので、獅童さん、なかなかやるじゃん!と、うなった。

 

 今回の忠兵衛は【切ってやるぞ】型ではなく、【切ってもた】型であったことを付け加えておきたい。

 梅忠の『封印切』は、どちらの型で演じられるかを見るのが、私は好き。

 

 中村 壱太郎さんは、安定のの梅川。

 最近壱太郎さんが美しくなられ、演技が余計に素晴らしく見えてくる。

 

 中村 鴈治郎さんの八衛門は仁左衛門丈とは仲違った持ち味で、こなれていた^^

 やはり岩次郎さんが出演されると、私の心は、落ち着く。

 

 ところが、中車さんの槌屋治右衛門

 化粧の下限なのか、人相が悪いので顔立ち的には八衛門の方が向いてそう。

 だが、八衛門は超重要な役なので、中車さんでは、お役不足。

 

 こんな感じの梅忠だった。

 上にも書いたが、獅童さんが思いのほか頑張っておられ、好感の持てる梅忠であったと感じた。

 

三、
 幸助餅は面白かった。

 話としては『芝浜の財布』の変形判の人情物。

 観劇したのが二月十四日だということもあり、

「今日は年金が出る日やさかいに(要約)」

という台詞も折り込まれた。

『幸助餅』は鴈次郎さんが似合う芝居だと思う。

 

 今回も見たという簡単な記録だけで、失礼いたします。

 

一、本朝廿四孝(ほんちょうにじゅうしこう)

十種香

  息女八重垣姫
腰元濡衣
白須賀六郎
原小文治
花作り簑作実は武田勝頼
長尾謙信
    中村 
    中村 壱太郎
    市川 
國矢改め澤村 精四郎 ※
    中村 虎之介
    中村 鴈治郎
二、恋飛脚大和往来(こいびきゃくやまとおうらい)

封印切

  亀屋忠兵衛
傾城梅川
槌屋治右衛門
井筒屋おえん
丹波屋八右衛門
    中村 
    中村 壱太郎
    市川 
    中村 
    中村 鴈治郎 ※

 

三、幸助餅(こうすけもち)
  大黒屋幸助
幸助妹お袖
幸助女房おきみ
幸助叔父五左衛門
三ツ扇屋女将お柳
三ツ扇屋帳場平兵衛
関取雷五良吉
    中村 鴈治郎
    中村 虎之介
    市川 
    中村 寿治郎
    市川 笑三郎
    中村 

 

 

『義経千本桜』 大阪国際文化芸術プロジェクト 立春歌舞伎特別公演 松竹座 竹田出雲 作 三好松洛 作 並木千柳 作  夜の部

 

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『義経千本桜』 大阪国際文化芸術プロジェクト 立春歌舞伎特別公演 松竹座 竹田出雲 作 三好松洛 作 並木千柳 作

2025-02-05 | 歌舞伎

大阪国際文化芸術プロジェクト 立春歌舞伎特別公演

 

義経千本桜』 大阪国際文化芸術プロジェクト 立春歌舞伎特別公演 松竹座 竹田出雲 作 三好松洛 作 並木千柳 作 

 

 

 松竹座で『義経千本桜』を見る。

 

 

 大内の場、堀川御所の場、同 塀外の場、道行初音旅、川連法眼館の場、奥庭の場 というように、結構長く演じて下さったので、一連が楽しめ、大変面白かった。

 

 味~なところで書かしていただくと、久しぶりに『芋洗勧進帳』を見ることができ、大いに笑った。

 あら!お恥ずかしい事、、、

 

 今回の見どころは、成駒屋さんの四人さんは大変よろしゅうて、見入ってしまった。

 特に鴈治郎のお兄さんは、今回、恐ろしいほどの目力で挑まれ、素晴らしかった(ぽれぽれ!)

 雀さん、品よく上手くて、ぽれぽれ!

  壱太郎さんも花道に出ると五香さす心静かなでぽれぽれ!

 

 あ!忘れてはいけないのが、中村 虎之介さん。

 今回じっくりと拝見させていただいたが、眼光鋭く、所作美しく形が大きい。

 こりゃ!旨い役者さんになられるわ!と、ぽれぽれ。

 

 他、上村 弥さんも安定のぽれぽれ!

 

 演目良し、成駒屋良しで、今回も楽しませていただきました^^

 

 

 

 

竹田出雲 作

三好松洛 作
並木千柳 作   
  1. 義経千本桜(よしつねせんぼんざくら)
序幕


二幕目
大詰
大内の場
堀川御所の場
同   塀外の場
道行初音旅
川連法眼館の場
奥庭の場

 






〈奥庭〉

源九郎判官義経
御台所卿の君
愛妾静御前
土佐坊正尊
左大将藤原朝方
武蔵坊弁慶
秩父庄司重忠


佐藤忠信実は源九郎狐
静御前
逸見藤太


佐藤忠信/佐藤忠信実は源九郎狐
静御前
駿河次郎
亀井六郎
川連法眼
法眼妻飛鳥
源九郎判官義経


横川覚範実は能登守教経
佐藤忠信
武蔵坊弁慶
静御前
駿河次郎
亀井六郎
伊勢三郎
片岡八郎
川連法眼
法眼妻飛鳥
秩父庄司重忠
源九郎判官義経


    中村 
    市川 
    市川 
國矢改め澤村 精四郎
    市川 虎 ※
    中村 鶴 ※
    市川 


    中村 虎之介 ※
    中村 壱太郎
    中村 鴈治郎


    中村 童 ※
    中村 壱太郎
    中村 虎之介
    市川 
    中村 寿治郎
    上村 
    中村 


    中村 鴈治郎
    中村 童 ※
    中村 鶴 ※
    中村 壱太郎
    中村 虎之介
    市川 
國矢改め澤村 精四郎
    市川 
    中村 寿治郎
    上村 
    市川 

 

『義経千本桜』 大阪国際文化芸術プロジェクト 立春歌舞伎特別公演 松竹座 竹田出雲 作 三好松洛 作 並木千柳 作  夜の部

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通し狂言 雷神不動北山櫻(なるかみふどうきたやまざくら)  市川團十郎五役並びに空中浮遊相勤め申し候  十月大歌舞伎昼の部  松竹座

2024-11-01 | 歌舞伎

 

通し狂言  雷神不動北山櫻(なるかみふどうきたやまざくら)  市川團十郎五役並びに空中浮遊相勤め申し候  十月大歌舞伎昼の部  松竹座

 

 市川團十郎五役『通し狂言  雷神不動北山櫻』に行く。

通し狂言  雷神不動北山櫻』は昼の部であったが、チケット予約の関係上、できるだけ避けていた千穐楽に見ることに。

 案の定、今回の『通し狂言  雷神不動北山櫻』は通しの狂言であったがためにかなり満これが千穐楽でなければ、せめて後一度は行きたいという内容であった。

(こういった事も理由の一つで、だから千穐楽は避けていたのです)

 

 成神の通し狂言は、『毛抜き』から始まる。

 こんなに面白い筋書きの展開はなかなかたまらないものだ。

 歌舞伎全集で通し狂言の筋書きを確かめておきたい。

 

 見てよかったと思える舞台であった。

 

成田不動尊

市川團十郎五役

 

安田蛙文 作

中田万助 作

奈河彰輔 演出

藤間勘十郎 演出・振付

通し狂言

  雷神不動北山櫻(なるかみふどうきたやまざくら)

市川團十郎五役並びに空中浮遊相勤め申し候

鳴神上人
粂寺弾正
早雲王子
安倍清行
不動明王   市川團十郎五役

鳴神上人        海老蔵改め團十郎


  • 通し狂言
     雷神不動北山櫻

    市川團十郎五役並びに空中浮遊相勤め申し候
    序幕

  • 幕間 30分
  • 通し狂言 雷神不動北山櫻
    市川團十郎五役並びに空中浮遊相勤め申し候
    二幕目・大詰

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市川海老蔵改め 十三代目 市川團十郎白猿襲名披露  八代目 市川新之助初舞台 十月大歌舞伎     八代目 市川新之助初舞台

2024-11-01 | 歌舞伎

2024年10月10日(木)~26日(土)

市川海老蔵改め 十三代目 市川團十郎白猿襲名披露  八代目 市川新之助初舞台 十月大歌舞伎

 

 十月の半ば過ぎに、松竹座の十月大歌舞伎 昼の部に行く。

 市川海老蔵改め 十三代目 市川團十郎白猿襲名披露  八代目 市川新之助初舞台とあって、会場はにぎわってはいるが空席が目立った。

 空席といえば、夜の部の千穐楽にも行ったが、やはり空席があり、驚いた。

 

 話を戻そう。

 

『義経千本桜』は右團次さんの見えよろしくで、舞台はもりあがった。

 

 

『一條大蔵譚』は、間が抜けていた。

 つくり阿呆に戻るときのあの下品な笑いは、品がない。

 つくり阿呆と普段の率的なお顔の境目がこれでもか!とはっきりしすぎていて、物語の面白さから外れたのが口惜しい。

 新幸四郎さんは、わざわざつくり阿呆をしなくても普段 お口が開いていらっしゃるので、強調しすぎなくても良かったのではと感じる。

 これが片岡仁左衛門丈ならば、、、と思うと、臍を噛む。

 

 大〇こう の方が幕間でおっしゃっていたが、一条大蔵は実力的には成駒屋(鴈治郎さん)ややるのが妥当だろうと大声でおっしゃっていたが、妥当な意見だろう。

 大〇こう の方は加えて、

「幸四郎はお家と顔だけはええさかいに、、、、顔だけは、、、」

とおっしゃった言葉には、心底大笑いした。

 なんだか釈然としない部分が残った『義経千本桜』であった。

 

 

十三代目市川團十郎白猿
八代目市川新之助
襲名披露 口上』

 新之助ちゃんがしっかりと口上を述べられていらっしゃった。

 新團十郎さんが神妙な面持ちで、可哀そうなくらいに多少ちぢこまっておられたように見えたのが印象的。

 だが、話はそれるが夜の部の『雷神(なるかみ)云々』では、思う存分に力を発揮されていた。

 今回の口上は多少辛口ではあったが、今後の歌舞伎の為にも、成田屋の益々のご清栄を祈願している。

 

 

『連獅子』の毛ぶりは29回

 親子で頑張っておられた。

 

『連獅子』で気になった部分が一つ。

『連獅子』は松羽目者で、途中に狂言師が出てくる。

 成駒屋の鴈治郎さんと、問題の幸四郎さん

 成駒屋さんは狂言師のように、歩幅を短く妥当な長さで、品よく、すり足で歩かれていた。

 だが、高麗屋さんは、成駒屋さんの歩幅の1、5倍以上の長さで、すり足はお構いなしに普通に歩いていらっしゃった。

 幸四郎さんは名取も取られて長年たつのだが、こういった基本が抑えられない方だなと毎回感じる部分が目につく。

 以前松竹座で『棒しばり』をなさったときも、三番叟に近い音楽の部分で足をあげて、ゴキブリのようにバタバタと動かしておられた。

 幸四郎さんはもう少し能や狂言を見てお勉強をなさればいいのにとつくづく思う。

 成駒屋さんのようにうまい役者さんと並ぶと、ますます差が開き、舞台と観客に温度差を感じた。

 

 お父上の白鴎さんが投げやりに、

「能楽を見たければ能楽に行けばよい。狂言を見たければ、狂言に行けばいい(要約)」

といったような内容を話されていたが、k本的に違うでしょ!と内心叱っていた。

 観客は能楽を見たければ能楽に行くが、歌舞伎を見た時にでも、あまりにも基本を押さえられてないことを疑問に感じているのだと、お伝え申したい。

 役者の不勉強の居直りは、下品だと感じた。

 

 その点新之助ちゃんは真っ白で意欲があり、これからの役者だ。

 期待したい。

 

 

  • 義経千本桜
    鳥居前

  • 幕間 20分
  • 一條大蔵譚
    奥殿

  • 幕間 30分
  • 十三代目市川團十郎白猿
    八代目市川新之助
    襲名披露 口上

  • 幕間 25分
  • 連獅子

 

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新歌舞伎『あらしのよるに』  2.0★/5    発刊30周年記念  中村 獅童  きむらゆういち 原作(講談社刊) 今井豊茂 脚本  藤間勘十郎 演出・振付 

2024-09-29 | 歌舞伎

 

新歌舞伎『あらしのよるに』   2.0★/5   発刊30周年記念  中村 童  きむらゆういち 原作(講談社刊) 今井豊茂 脚本  藤間勘十郎 演出・振付 

 

 新歌舞伎『あらしのよるに』を観た。

 おそらく、自宅で動画を見ていた分には、小半時間で見ることを断念したであろうと思われる舞台であったことを始めに記しておきたい。

 

 役者が誰かが分からないような厚化粧の本舞台であったが、中でも個性的な顔である中村 童と、二枚目差を隠せないほどの個性的な河原崎 権十郎だけは、出てきた瞬間で誰かが解る。

 

 また、良い意味で独特の声と言い回しの市村 萬次郎は、人声聞いただけで誰かが解る。

 付け加えておくならば、私は毎度歌舞伎鑑賞の際には、出演者のチェックなどは入念さに欠けるのだが、そんな中でさえ、上の三人は、即座に分かった。

 

 また、脚本に多少の強引さが見られるが、そんな台詞でさえ中村 壱太郎は歌舞伎にしていた。

 歌舞伎らしく感じられたのは、市村 萬次郎、中村 壱太郎、河原崎権十郎、坂東 新悟など。

 新歌舞伎と雖も、歌舞伎の基本から大きく逸脱した言い回しは、私としては感心しない。

 

 舞台全体は、歌舞伎のだいご味ともいえる場面が多く散らばしてあり、1970年代の猿之助劇団のスーパー歌舞伎の小型版を思い浮かべた。

 当時の猿之助劇団起用の 京劇とまではいかないが、とにかくアクロバットのように、くるくるバク転で舞っておられた。

 全体を通して、振り付けは良かったように感じる。

 

 会場中は大興奮で、ことあるごとに手拍子爆発。

 こういった芝居も、時の流れか、、、とほくそえむ。

 

 上にも書いたが、絵本がベースとなっているため、歌舞伎本来の江草などがない。

 全体を通して、【人情物】に加えてのこのようにに成り下がっていた・

 私は歌舞伎で、このように【教訓】を前に出す重厚さに欠ける話があまり好きではない。

 説経くさく、くどい。

 歌舞伎で【教訓】は、ひらひらと薄過ぎる、、、と感じたのは、私だけか。

 

 そんな中でも、上にも書いた通り、うまい役者がいて、歌舞伎を逸脱しなかった。

 さぞや、やりにくい舞台であろうと察したが役者もしょせん、お金儲け。

 やらざるを得ないのであろうと感じた。

 

 会場を見渡すと、いつもとは違うおしゃれ度の観客が多く、また子連れも多い。

 上演中はあちらでもこちらでも、大きな声で親子で話している。

 せっかくこのような経験をさせてあげていらっしゃるなら、ついでの観劇マナーもお教えになられればいいのだが、親御様が率先して話されていらっしゃった。

 会場スタッフも注意といった配慮はない。

 芝居を観たい観客は大声の雑談を、あきらめる以外にはなかった。

 

 感心したのは、狼六法。

 あれを狼六法とよんで良いのかどうかはわからないが、狼が振る六法を始めて見たので、興奮した。

 ただし、この六法を振っているときも、会場中が爆発の手拍子。

 歌舞伎の六法で手拍子はいささかなじみのない風景だが、観客は大変盛り上がっていたのであろうと、ほくそ笑む。

 

 全体の感想は 2.0★/5と、低め。

 上にも書いたが自宅で動画なら、小半時間で見ることを断念した舞台であった。

 

 

  がぶ
めい
みい姫
はく
穴熊ぴか
たぷ
山羊のおじじ
がい
狼のおばば
ぎろ
中村 
中村 壱太郎
坂東 
市村 
市村 
澤村 
市村 橘太郎
河原崎 権十郎
市村 萬次郎
中村 錦之助
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【上方歌舞伎会】国立文楽劇場  『荒れねずみ』(歌舞伎で初演となる地歌舞)/『恋飛脚大和往来 封印切』

2024-08-28 | 歌舞伎
【上方歌舞伎会】国立文楽劇場  8月24日(土)・25日(日)

 演目は、歌舞伎で初演となる地歌舞の『荒れねずみ』
 上方歌舞伎の代表的な作品『恋飛脚大和往来 封印切』




 地歌『荒れねずみ』を始めて見た。
 地歌『荒れねずみ』とは座敷芸とのこと。
 ネズミの動きのユーモラスな所作や地歌の言葉の隅々までものユーモアに、思わずほくそえんでしまう。

 座敷芸とのことで、故千之丞さんの『起き上がりこぼし』を思い浮かべながらも、楽しくまったりと拝見させていただいた。


『恋飛脚大和往来 封印切』を関西の若手役者が熱演。
 この熱演!というところは見逃せない。
 八右衛門と梅川は、安定してみることができた。
 他の役者も一生懸命さは伝わってきたので、今後に期待。

 また、封印切の場面は
      切ってやるぞ型
      切れてしもうた型

のどちらでもなく、
      切れてしもうた型を強調した
     【ああ~、きれてしまってるぅ~。しもたぁ~。
      きれてしもうたわぁあぁ~~ん。】 

みたいな。
 ここまで極端に強調した【切れてしもうた】型の演じ方を初めて見た。
 或る意味、良い経験をさせていただいた。






「上方歌舞伎会」とは
 関西の若手俳優有志による勉強会「若鮎の会」を前身とし、平成2年より新たな勉強の場として毎年開催してきました。
 上方歌舞伎の継承を志す若い俳優たちが大役に挑むことで伝統を実感し、その経験を今後の飛躍につなげることが目的。
 国立文楽劇場における盛夏恒例の公演として回を重ね、今年で34回目を数えます。




地歌『荒れねずみ』(あれねずみ)
地歌は、江戸時代に上方、つまり今の京阪地方で発展した三味線音楽のひとつ。地歌の作品には、主に動物を題材に擬人法で描いたユーモラスな内容を特徴とする「作物(さくもの)」という分類があります。「作物」に属するこの作品の主人公は〝ねずみ〟。家人が寝静まった後に現れたねずみの一団。危険な場所に行かないよう確認したり、食べ物を集めるよう算段したりするうち、赤斑の大猫の存在を知り、怖がって一斉に逃げ出します。
二世楳茂都扇性(うめもとせんしょう)による七人立ちの巧みな振付は、ねずみの所作がウイットに富んだ楽しい群舞に仕上がっています。地歌舞を育んだ風土に親しむ上方の俳優陣が、同じ上方を中心に活躍する菊央雄司(きくおうゆうじ)の演奏により、素(す)の形式で舞います。

『恋飛脚大和往来 封印切』(こいびきゃくやまとおうらい ふういんきり)
新町井筒屋の場
宝永年間の大坂で、飛脚屋の忠兵衛(ちゅうべえ)が廓通いの末に公金を横領するという事件が発生しました。この事件を人形浄瑠璃に脚色したのが、今年で没後300年となる名作者・近松門左衛門(ちかまつもんざえもん)です。その作品『冥途の飛脚(めいどのひきゃく)』は改作され、さらにその改作が歌舞伎に移されて独自なアレンジが加わり、『恋飛脚大和往来』が初演されました。現行では「封印切」と「新口村(にのくちむら)」が上演されますが、今回は「封印切」を取り上げます。
主人公の忠兵衛を演じる俳優によって、演技や大道具(舞台装置)、芝居の運び等、演出が変わります。上方歌舞伎会では、片岡仁左衛門家(松嶋屋)と中村鴈治郎家(成駒家)、各家に伝わる演出で上演を重ねました。今回は鴈治郎家の演出です。令和2年に予定されていた上演が、新型コロナウイルス感染症の影響による公演中止で見送りとなり、ようやく実現します。
(青字は、上方歌舞伎会の説明)




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立春歌舞伎特別公演 大阪松竹座 昼夜鑑賞 夜の部は二度見た。2024.02

2024-05-16 | 歌舞伎

立春歌舞伎特別公演 大阪松竹座 昼夜鑑賞 夜の部は二度見た。2024.02

 

 今となってはずいぶん昔のように思えるが、、、

 以前、南座の大歌舞伎は昼夜鑑賞の記録は書いた。 

 だが、ブログの再開に伴い、松竹座の昼夜鑑賞の記録をしてなかった。そのことが気がかりで、ここにきて、急遽書くことにした。

 

 二月は大阪国際文化芸術プロジェクトということもあるのか、料金が少し安かった。

 あまり期待はしてなかった興行だったが、夜の部が大変見事であった。

 

『新版色讀販(しんぱんうきなのよみうり)』の出来が良く、面白かった。

 何度も通いたいと思わせるほどにこなれた芝居であった。

 なので、三月の夜の部は席を変えて二度見に行った。二度ともに色あでやかであった。

 

 また夜といえば、扇雀親子の『連獅子』も丁寧で、おまけに気品に満ちた『連獅子』が展開された。

 毛振りは三十数回以上で、割合に多いほうだ。

 回数では過去の故勘三郎の五十回以上には満たないが、品位を感じさせる松羽目者らしさを感じさせる扇雀さんの良さが前に出た『連獅子』だった。

 

『曽根崎心中』の壱太郎も大変良かった。

 

 

 また昼の部の愛之助は、何度も見ている演目だが、畳と階段部分ではかっこ良くて黄色い悲鳴を上げそうになった。

 愛之助もそこそこのお歳なのに、まだこんな舞台を展開される気力があるのだと感心した。

 同時に、仁左衛門丈のこの芝居を今一度見たいとも感じた。

 

大阪松竹座「立春歌舞伎特別公演」
日時
令和6年(2024年)2月1日(金)~18日(日)
昼の部 午前11時~
夜の部 午後4時~
【休演】8日(木)
劇場
大阪松竹座
昼の部
演目
源平布引滝げんぺいぬのびきのたき
義賢最期
竹生島遊覧
実盛物語
配役
〈義賢最期〉
【木曽先生義賢】片岡愛之助
【下部折平実は多田蔵人行綱】尾上右近
【御台葵御前】片岡千壽
【高橋判官長常】市川荒五郎
【長田太郎末宗】片岡當吉郎
【待宵姫】片岡りき彌
【腰元】片岡愛三朗
【腰元】片岡千太郎
【進野次郎宗政】上村吉太朗
【百姓九郎助】片岡松之助
【矢走兵内】中村亀鶴
【九郎助娘小万】中村壱太郎
〈竹生島遊覧〉
【斎藤別当実盛】片岡愛之助
【小万】中村壱太郎
【主馬判官】中村かなめ
【飛騨左衛門】中村翫政
【塩見忠太】上村吉太朗
【平宗盛】中村亀鶴
〈実盛物語〉
【斎藤別当実盛】片岡愛之助
【小万】中村壱太郎
【葵御前】片岡千壽
【矢走仁惣太】市川荒五郎
【庄屋太郎右衛門】片岡當吉郎
【郎党】中村翫政
【郎党】片岡愛三朗
【九郎助】片岡松之助
【九郎助女房小よし】上村吉弥
【瀬尾十郎兼氏】中村鴈治郎
夜の部
演目(一)
 
配役
【油屋番頭善六】中村鴈治郎
【丁稚久松】中村壱太郎
【娘お染】尾上右近
【女中おとり】中村鴈乃助
【油屋後家おみね】上村吉弥
【松屋源右衛門】中村亀鶴
【山家屋清兵衛】片岡愛之助
演目(二)
連獅子れんじし
配役
【狂言師右近後に親獅子 扇雀 小獅子小太郎
【法華の僧蓮念】中村かなめ
【浄土の僧遍念】市川荒五郎
演目(三)
曽根崎心中そねざきしんじゅう
配役
【天満屋お初】中村壱太郎
【平野屋徳兵衛】尾上右近
【茶屋女おさと】中村扇乃丞
【同  おくに】上村折乃助
【町の衆六兵衛】市川荒五郎
【同  甚兵衛】中村かなめ
【同 松右衛門】片岡當吉郎
【女郎お千代】上村吉太朗
【同  お仲】片岡千太郎
【同 おかつ】片岡愛三朗
【下女お玉】中村翫政
【手代茂兵衛】中村鴈成
【天満屋惣兵衛】中村寿治郎
【油屋九平次】中村亀鶴
【平野屋久右衛門】中村鴈治郎
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2022年12月 南座顔見世 第二部『恋飛脚大和往来』鴈治郎、扇雀、東蔵、愛之助、片岡亀蔵  『秀山十種の内 松浦の太鼓』片岡仁左衛門 中村歌六

2023-01-10 | 歌舞伎

2022年12月 南座顔見世 第二部『恋飛脚大和往来』鴈治郎、雀、蔵、愛之助、片岡亀蔵  『秀山十種の内 松浦の太鼓』片岡仁左衛門 中村

 

 

 左:『秀山十種の内 松浦の太鼓』右:『恋飛脚大和往来』

 

 南座 顔見世 恒例のまねき上げ

 もじは、勘亭流

 

 

 まねき上げを南座の内側から見てみる。

 余談ですが、

 2022年顔見世恒例の竹馬がなかったのは、残念!

 

 

 右端が京都南座 右横 

 

 

 

 コロナでとんとご無沙汰していたが、南座顔見世 第二部に行く。

 二部は『恋飛脚大和往来』と『秀山十種の内 松浦の太鼓』

『恋飛脚大和往来』は「封印切」のみ。

 後ろに座る観客二人ずれが恐ろしく騒がしく、始終マスクを外して話していたため、スタッフがなんども注意していた。

 しかしながら芝居中も大声でたわいなく話す彼女らの話の内容は、私を十二分に楽しませてくれた。

「あれは誰だの、これは誰だの、、、」

はまだしも、

『秀山十種の内 松浦の太鼓』に至っては、「忠臣蔵違うのに、忠臣蔵みたいやな、、、」

 また、中村獅童さんが出てこられると、なんだかただごとならぬ賑わいで、肩透かしを食わされたような気分を味わった。

(ここで付け加えておきたいが、中村獅童さんは仁左衛門丈にかなり教わられ頑張られたようで、歌舞伎本来の言い回しを忠実に守り、頑張って演じられていたことは付け加えておきたい。やはり仁左衛門丈の力は大きい)

 

『恋飛脚大和往来』「封印切」は、「切ないように思わせるけど、あれはシャレか?なんや、中途半端な終わり方やなぁ、、、」

(イヤイヤ、本来ならばまだ、道行がありますから、、、)

 

 そして、女が座ったままよろけて、

「よよよよ、よぉ〜〜〜〜」

と泣くと、爆発して大笑い。

 離されず、場違いに大笑いや爆発されないっ時は、水筒をカチカチ、お菓子の袋をガシャガシャされ、歌舞伎をみておられる時間がさぞや退屈であったのであろうとお察しした。

 おかげさまで芝居をじっくり見ることはできにくかったが、いい体験をさせていただいた、、、ことにしよう、、、?、、、か

 京都まで大福よ時間かけて久々に見た顔見世の今回座った席は、大はずれであった^^

 

 

『恋飛脚大和往来』は鴈治郎さん、雀さん、蔵さん、愛之助さん、片岡亀蔵さんらが出演されていた。

 誰とは言うまいが上記に書いてない贔屓客の年配の役者の言い回しが遅く、つられて、鴈治郎さん、雀さん、蔵さんまでもが言い回しがスローで、芝居が止まりそうな出だしから始まったのが口惜しい。

 しかし成駒屋さんや東蔵さん他ベテランの役者さんがしばらくすると場を盛り上げ、いつものテンポに戻された。

 

 今回も『恋飛脚大和往来』『秀山十種の内 松浦の太鼓』を問わずおちゃらけというか、笑いを取るために力を注いでおられたきらいのある舞台であった。

 最近の歌舞伎は、歌舞伎を広めよう、敷居を低くしようとするがためにか、必要以上に下品なまで笑いを取りに行く嫌いがある。

 その点で、『恋飛脚大和往来』『秀山十種の内 松浦の太鼓』を通して、

     雀さん、蔵さん、歌六さん

は歌舞伎らしい素晴らしい演技を披露してくださった。

 

 惜しいのが仁左衛門丈。

 おそらく座長を務めておられるのであろうが、

     あの!!仁左衛門丈!!までもが!!!大笑いを取らざるを得ない『秀山十種の内 松浦の太鼓』

であった。

 仁左衛門丈の笑いをさらいに行く多少ぎこちないセリフが、多少痛々しかったし、また、お気の毒と言わざるを得なかった。

 歌舞伎も、このように変化せざるを得ないのかと、暮れ行く時を、肌で味わったような気がした。

 歌六さんの演技が、こだまするように私の心に響き、それが一つの救いであった。

 

 端折って書きたいことを好き放題書いているが、最後に今回の鴈治郎さん『恋飛脚大和往来』のもろ、封印切の場について触れておきたい。

 今回は、

     切ってやるぞ型

ではなく

     しもた!切れてしもた、、、型

で演じられた。

 また、梅川役の扇雀さんはこれまで歌舞伎役者が演じられてこなかった細部まで、事細かに表現されていた。

 裾をパラリと落とすその表現さえ、他では見たことがないほどに美しかった。

 成駒屋さんは今後も注目に値すると、心から感じた。

 

 今回も見たという簡単な記録のみにて失礼致します。

 

 

 みなさま

 ご来場に心より感謝いたします。

 ありがとうございます。

 

 

 

第二部

  恋飛脚大和往来

第一、玩辞楼十二曲の内 封印切(ふういんきり)
   新町井筒屋の場  
  亀屋忠兵衛
傾城梅川
丹波屋八右衛門
肝入由兵衛
槌屋治右衛門
井筒屋おえん
鴈治郎

愛之助
寿治郎
片岡亀蔵
第二、秀山十種の内 松浦の太鼓(まつうらのたいこ)
  松浦鎮信
大高源吾
近習江川文太夫
近習渕部市右衛門
近習里見幾之丞
近習早瀬近吾
近習鵜飼左司馬
お縫
宝井其角
仁左衛門


虎之介
鷹之資
橘太郎
橘三郎
千之助

 

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新歌舞伎『時超輪廻古井処(ときをこえりんねのふるいど)』 G2 脚本・構成 今井豊茂 補綴・演出 片岡 愛之助 中村 壱太郎 梅丸改め中村 莟玉 市川 男女蔵 今井 翼

2022-10-06 | 歌舞伎

 

 

  新歌舞伎『時超輪廻古井処(ときをこえりんねのふるいど)』 G2 脚本・構成 今井豊茂 補綴・演出 片岡 愛之助 中村 壱太郎 梅丸改め中村 玉 市川 男女蔵 今井 翼

 

 

 

 歌舞伎『番町皿屋敷』は色々な役者で見ているが、映画『貞子』は怖くて見てない私。

 だが、『番町皿屋敷』と映画『貞子』。

 良く言えば融合、悪く言えばこじつけて脚本家され演出されたと言う点で興味深かったので、新歌舞伎『時超輪廻古井処(ときをこえりんねのふるいど)』を見ることにした。

 と言うか、なんでもよかったので、芝居が見たかったと言うのが本音。

 

 新歌舞伎『時超輪廻古井処(ときをこえりんねのふるいど)』は概ね面白かった。

 だが、『番町皿屋敷』の良いとこ取りとはいかず、浅山鉄山(愛之助)の役所としてのはじめのお菊(中村 壱太郎)に対する愛する思い入れが感じられない。

 後半殺す間際に、俺のものにならぬなら、、、と言ったエロでよこしまな思いが小汚く舞台を澱ませる。

 自分の思いのままにならぬならと痛めつけ、刀でお菊の口まで左右に引ききり、殺して井戸へ、、、

 汚い男だ!と、顔を背ける。

 いや!中村 壱太郎さんの感情移入よろしく!の迫真の演技に見とれていた。

 

 依然片岡仁左衛門丈で見たときには、皿が足らない。お菊が隠す、、云々

 仁左衛門丈は心もとなく、苦悩の表情を浮かべ、

「お菊を愛している。どうしてそなたは私を裏切ったのか、、、愛しているゆえ、許せないのだ。(要約)」

と、苦悩の末、刀をとり、菊を斬った、、、

 あの場面は心に残り、仁左衛門丈の表情や所作は今も心に刻まれている。

 そう言った感動の場面は、新歌舞伎『時超輪廻古井処(ときをこえりんねのふるいど)』には、どの場面を切り取っても、感じられないのが惜しい。

 

 また、『時超輪廻古井処(ときをこえりんねのふるいど)』には、姫路などの語りも歌われていたので、姫路城のお菊の井戸(伝承)を思い浮かべキモチはたかびっていた。

 しかしながら、映画『貞子』とのこじつけにより、現代の品d原画出てくると面白くなく、そして室町時代の状態を歌舞伎で表現する場面になると興味深く面白かった。

 正確に言うと、『番町皿屋敷』と映画『貞子』は時空をけてのテーマなのか、超心理現象がテーマなのか、あい(と言っても、この舞台ではエロス)がテーマなのか、軸が揺らぎ、テーマが定まってない。

 おまけに訳がわからないところで、中途半端な技術のダンスにも及ばないタップで。余計に筋書きのテーマは揺らぐ。

 私はこの舞台で今井 翼さんを初めて知ったが、あのタップダンスはなんだったのか?あれ、いるのか???

 私がタップダンスを初めて見たのは大学時代にイギリスの路上でおじいさんが見事なタップダンスを踊っておられた。

 しかし、『時超輪廻古井処(ときをこえりんねのふるいど)』であの半端な短いタップで筋書きは途切れ、おまけに、故中村勘三郎の顔が思い浮かぶ、『時超輪廻古井処(ときをこえりんねのふるいど)』どころではなくなってくる。

 声が完全におじさまで、途切れ途切れの台詞と発声しかできない今井 翼さんを起用なさったのかが、疑問である!!! 

 それを、若いながらも梅丸改め中村 玉さんが、多少カバーされていたと感じた。

 

 片岡 愛之助さんは細やかな表現ではなく、始終歌舞伎口調を強調されていた。

 松竹座の『伊勢音頭恋寝刃』あたりを考えて、もう少し仁左衛門竹のように細やかで感情移入される役者のなるだろうと考えていたが、今のところは表面に押し出す演じ方をされていらっしゃる。

 

 ここのところ目を引くほどに成長された中村 壱太郎さんの最近の立ち振る舞いや表現力は見事である!!!!

 素晴らしい中村 壱太郎さんに、拍手。この役者さんは素晴らしい!!!

 

 上にも書いたが、映画『貞子』は見てない。

 しかし、学生時代に多少なりともアングラ劇団を観ていた私としては、今回の貞子役のダンスや表現が物足りなかった。

 若干バレエ風の表現もあったが、概ね顔の前で怖さを表現させた手がぐねぐねしていた。

 と言うのは、手や脚を前に動かし怖さを表現されていたが、如何にせんむ、背中部の後ろ側が演じられていなかった。

 背中の後ろまでときには手をもう少し大胆に動かしたり、イナバウワーの1/5くらいは回して大きく表現して欲しかった。

 強いているならそのときに、枯れ草か場面んい似合うお香の香りが欲しかった。

 やけにライト表現がうまかったのに対して、無臭であったことは、肩透かしを食わされた。

 

 驚いたのは梅丸改め中村 玉さん。

 高松煌平役は言葉がはっきりとしていて可愛く、金髪も似合っている。

 ジ●●●ズよりもよほど端正で可愛らしいお顔立ちである、、、といえば、世の中の多くのジ●●●ズファンを敵に回すことになるので、あまり言わないことにしよう、、、

 船瀬三平役は上手い!美しい。

 この役者さんは期待の星だと考える。

 

 安定の市川 男女蔵さんは、歌舞伎を見ていると言う気がした。

 

 押し戻しが意外と短く残念であった!!!

 ここは芝居好きの方なら、もうすこし

      たっぷり!

の場面である。

 あっという間の押し戻し出会った。

また、月並みな言葉だが、愛之助さんのラストの見得はかっこよかった。

 

 私は基本的に歌舞伎で考えると、古典歌舞伎が好きなのだとつくづく感じた。

 そういえば、今年見た、七月と九月の大変感動した歌舞伎の記録が未だかけてないことに気づく。

 七月と九月の松竹座の歌舞伎は、大変素晴らしく、満足のいくものであった。 

 

 今回も簡単な記録のみで失礼致します。

 

 

 

 

 

 

以下は、松竹株式会社 歌舞伎美人 公式HPより引用

  ▼

G2 脚本・構成

今井豊茂 補綴・演出

  時超輪廻古井処(ときをこえりんねのふるいど)
  浅山鉄山/細川巴之介
室戸光
お菊/お春の方
船瀬三平/高松煌平
山名宗全
    片岡 愛之助
    今井 翼
    中村 壱太郎
梅丸改め中村
    市川 男女蔵

 

時超輪廻古井処(ときをこえりんねのふるいど)
あのリングシリーズ“貞子”と伝統芸能“歌舞伎”『播州皿屋敷』の異色のコラボが実現!

 室町時代後期。足利幕府は機能不全に陥り、有力守護大名の細川氏と山名氏が国を二分して争い、世情は乱れに乱れていた。

 細川家の国家老・浅山鉄山(愛之助)はこの機に乗じて、抵抗勢力をことごとく抹殺し、天下を掌握する野望をいだいていた。

 細川家の当主・勝元は病の床にあり、後継者の巴之介(愛之助・2役)が、政治に無関心で遊び呆けているのをいいことに、ますます権勢を強める鉄山の台頭に危機感を募らせた近習の船瀬三平(莟玉)は、その陰謀を暴こうと内偵を始めたものの、鉄山の返り討ちにあって井戸に落とされる。

 ただ、鉄山自身もまた、不思議な力に引き寄せられ、井戸に引きずり込まれてしまう。

 


 その500年後の現代。

 同じ古井戸のそばで、若者たちが謎の死を遂げる。

 彼らに共通していたのは、古いVHSテープに映っていた同じ映像を見ていたということ。

 一報を受けて調査に乗り出した神官の室戸光(今井翼)は、現場の状況から

映像を目にした者は7日後に呪いが発動して死ぬのではないか」

という仮説を立てる。

 事件の関係者の“スマホ”に問題の映像が録画されていることをつきとめた室戸は、“スマホ”を媒介して呪いが拡散する可能性に気づき戦慄する。

 折しもそこへ、井戸のもつ魔力で現代にタイムスリップしてきた鉄山が現れ、その“スマホ”をまんまと奪い去って姿を消す。
 

 

 元の時代に戻った鉄山は、今度は、待望成就の妨げとなる、船瀬の許嫁のお菊(壱太郎)を、家宝の皿を紛失した濡れ衣を着せて殺害し、井戸に沈めてしまう。さらに、手に入れた“スマホ”の呪いを複製する手段を思いついた鉄山は、最強の政敵・山名宗全(男女蔵)を滅ぼすべく、恐るべき奇策に打って出るのであった…。
 

「Jホラー」を代表する貞子と、歌舞伎の「皿屋敷伝説」が、古井戸を通して、時空を超えて交錯する新作歌舞伎『時超輪廻古井処』、、、

 

 

11:00開演

  • 時超輪廻古井処
    序幕

  • 幕間 30分
  • 時超輪廻古井処
    二幕目

  • 幕間 10分
  • 時超輪廻古井処
    三幕目・大詰

 

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歌舞伎役者  中村扇雀様

2022-07-08 | 歌舞伎

 

 

 中村扇雀さんの『堀川波鼓』を見た。

 古典歌舞伎を軸に、重厚で見事な所作と言い回し。

 表情も細やかで、リアルな表現と形を重視した表現が心憎い。

 繰り返し見たくなる、そんな『堀川波鼓』であった。

 

 放課後に乗られている扇雀さんを見たことがある。

 素顔が美しく目が大きい。

 始終楽しそうに対応しておられ、スマホを掲げて放課後の中の自分の姿を撮影されていた。

 お人柄が伺える一コマを見た。

 

 扇雀さんの『葛の葉』を松竹座で見たことがある。

 このお舞台は素晴らしかった。

 心に残る舞台の一つである。

 彼の教養と役者魂を感じる舞台であった。

 

 元々は成駒屋さんで、今は成駒屋さんとして堂々とした古典歌舞伎を演じられていらっしゃる。

 一時的に故勘三郎さんの舞台に立たれることが多く、その時はおちゃらけが多かったので、あまり感心してなかった私。

 今は、かなり好きな役者さん、、というか、5本、いや3本の指に入る演技の好きさ。

 さすが、成駒屋さん!

 

 三代目 中村 扇雀(なかむら せんじゃく、1960年〈昭和35年〉12月19日 - )

 歌舞伎役者。屋号は成駒家。

 父 坂田藤十郎^^v

 日本舞踊雁音流二代目家元雁音 歌扇 (かりがね かせん)を継承

 

 

 

 

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片岡仁左衛門 休演>< ご回復を願っております。   感情移入よろしくの、あっぱれ!中村扇雀さん^^v 今回の『堀川波鼓』は良かった。

2022-07-07 | 歌舞伎

 

 片岡仁左衛門 休演><ご回復を願っております。  さすが!!感情移入よろしくの、あっぱれ!中村扇雀さん^^v 今回の『堀川波鼓』は良かった。

 

『名作歌舞伎全集 第一巻』を読んだり 『近松全集』を開けて楽しみ、仁左衛門丈を楽しみにしていた『堀川波鼓』 

『近松全集』      『名作歌舞伎全集 第一巻』 『近松全集』より

 仁左衛門さんは初日から休演とのこと。

 悲しすぎる!

 

 ただ、今回の『堀川波鼓』は中村扇雀さんが感情移入よろしくでうますぎたので、大満足はできた。

 扇雀さんの松竹座で見た『葛の葉』は私の感動したお舞台のかなり上位に食い込んでいることは、これまでも何度も書いたことがある。

 扇雀さんが力を入れて演じられると、重厚な古典歌舞伎に仕上がることが快い!!!

 もし、仁左衛門さんが出演されていたならば、おそらく歌舞伎の名作の一つになったことであろうと考えている、、、、

 

 仁左衛門丈が出ておられなかったが、今回の舞台は何度も格が良かった。

『堀川波鼓』は決して派手な舞台ではないが、扇雀さんのような役者さんが演じられると、こんなに大きな分厚い舞台になるのだと感心した。

 扇雀さんが良かったので、『堀川波鼓』を今一度読んで余韻を楽しみたいと感じる。

 

『堀川波鼓』の感想がまた別の機会で^^

 今回は、仁左衛門さんが休演で心配であることを取り急ぎお伝えしたい。

 仁左衛門さんのご回復を心より願っております!!!

 

 

 以下は松竹株式会社 歌舞伎美人公式HPより

 https://www.kabuki-bito.jp/news/7641

 大阪松竹座「七月大歌舞伎」夜の部『堀川波の鼓』に出演を予定しておりました片岡仁左衛門ですが、体調不良のため、初日より当面の間休演させていただきます。

 【夜の部】

  『堀川波の鼓』

  小倉彦九郎  中村 勘九郎
  宮地源右衛門  中村 隼 人

 


 

 

 

 『近松全集 第四巻』より、「堀川波鼓」
  「堀川波鼓」 近松門左衛門作 1  一オ

  「堀川波鼓」 近松門左衛門作 2  一ウ 二オ

 

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「和楽器と歌舞伎で『世に駆ける』」中村壱太郎 『邯鄲枕物語』「艪清の夢」三世桜田治助作 2014 中村歌六 中村壱太郎 市川染五郎

2021-04-13 | 歌舞伎

 

 

  『邯鄲枕物語』「艪清の夢」三世桜田治助作 2014 中村歌六 中村壱太郎 市川染五郎

 

 

 以前にも見た『邯鄲枕物語』「艪清の夢」を見た。

 面白かったが、途中で二度も寝てしまい、途中休憩も加える><

 巻き戻してなんとか最後まで見る始末。

 

 口直しにと、中村壱太郎の「和楽器と歌舞伎で『世に駆ける』」を楽しむ。

 同じ動きの繰り返しを試み、和楽器の軽快さプラス重厚感でノリノリ^^

 見ている私も、フリフリ、ノリノリ^^

 壱太郎の小指の絡ませ具合の間が良く、あら!ま!袖からまして歌舞伎してるじゃん!と楽しんだ。

 歌舞伎役者もこういうのは、大いに、有りだわ!!!

 

 

 

 明治座 五月花形歌舞伎 『邯鄲枕物語』「艪清(ろせい)の夢」

 三世桜田治助による『邯鄲枕物語』は、通称「艪清の夢」ともいわれるように、職人清吉が見た夢物語が展開する作品。

 大金の遣い道に困り果てる清吉の姿をユーモアに見せることで、栄枯盛衰の人生ドラマを明るくほのぼのと描きます。

 本興行としては、明治38(1905)年の明治座での上演以来となる珍しい復活上演。

 

 中村歌六

 女房おちょう/梅ヶ枝 中村壱太郎

 艪屋清吉 市川染五郎

 

邯鄲の枕(かんたんのまくら)

 邯鄲の枕(かんたんのまくら)は、唐の沈既済の小説『枕中記』(ちんちゅうき)の故事の一つ。

 多くの派生語や、文化的影響を生んだ。黄粱の一炊、邯鄲の夢など多数の呼び方がある。(ウィキペディア)

 

邯鄲の枕(かんたんのまくら)

「盧生(ろせい)」という若者が人生の目標も定まらぬまま故郷を離れ、趙の都の邯鄲に赴く。

 盧生はそこで呂翁という道士(日本でいう仙人)に出会い、延々と僅かな田畑を持つだけの自らの身の不平を語った。

 するとその道士は夢が叶うという枕を盧生に授ける

 そして盧生はその枕を使ってみると、みるみる出世し嫁も貰い、時には冤罪で投獄され、名声を求めたことを後悔して自殺しようとしたり、運よく処罰を免れたり、冤罪が晴らされ信義を取り戻したりしながら栄旺栄華を極め、国王にも就き賢臣の誉れを恣にするに至る。

 子や孫にも恵まれ、幸福な生活を送った。

 しかし年齢には勝てず、多くの人々に惜しまれながら眠るように死んだ。

 ふと目覚めると、実は最初に呂翁という道士に出会った当日であり、寝る前に火に掛けた粟粥がまだ煮上がってさえいなかった。

 全ては夢であり束の間の出来事であったのである。

 盧生は枕元に居た呂翁に

「人生の栄枯盛衰全てを見ました。先生は私の欲を払ってくださった」

と丁寧に礼を言い、故郷へ帰っていった。

 中国においては粟のことを「黄粱」といい、盧生が粟粥を煮ている間の物語であることから『黄粱の一炊』としても知られる。

 いわゆる、日本の落語や小説・漫画でいうところの夢オチの代表的な古典作品としても知られる。

 同義の日本の言葉としては「邯鄲夢の枕」、「邯鄲の夢」、「一炊の夢」、「黄粱の夢」など枚挙に暇がないが、一つの物語から多くの言い回しが派生、発生したことからは、日本の文化や価値観に長い間影響を与えたことが窺い知れる。

 現在ではほとんどの言葉が使われることがなくなっているが、「邯鄲の夢」は人の栄枯盛衰は所詮夢に過ぎないと、その儚さを表す言葉として知られている。(ウィキペディア)

 

能楽『邯鄲』

  能『邯鄲』は、『邯鄲の枕』の故事を元に作られた能の演目である。

 しかし道士・呂翁にあたる役が、宿屋の女主人であり、夢の内容も『枕中記』とは異なり、『太平記』巻25などに見えるような日本に入ってから変化した『邯鄲の枕』の系譜上に位置づけられると言えよう。

 舞台上に設えられた簡素な「宮」が、最初は宿屋の寝台を表すが、盧生が舞台を一巡すると今度は宮殿の玉座を表したりと、能舞台の特性を上手く利用した佳作である。

 なお、盧生の性格や描写から憂いを持つ気品ある男の表情を象った「邯鄲男」と呼ばれる能面が存在し、能『邯鄲』の盧生役のほか、能『高砂』の住吉明神などの若い男神の役でも使用される。

 芥川龍之介は能『邯鄲』をモチーフにして『黄粱夢』という作品を書いた。

 また三島由紀夫は『近代能楽集』の中に能『邯鄲』を現代風の戯曲に翻案した作品を書いている。

 また古井由吉も『邯鄲の夢』をモチーフに『邯鄲の』という作品を書いている。(ウィキペディア)

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京の年中行事 當る子歳 吉例顔見世興行 2019年夜の部 『堀川波の鼓』『釣女』『魚屋宗五郎』『越後獅子』

2019-12-29 | 歌舞伎


 

 南座新開場一周年記念
 京の年中行事
 當る子歳
 吉例顔見世興行
 東西合同大歌舞伎

 2019年11月30日(土)~12月26日(木)


 昨年の顔見世は、夜の部を夫婦二人で見た後日、ミニバイクで事故を起こした。
 夜の部を観劇後日、一人で行く予定であった昼の部を夫がかわって行ってくれた^^

 今年は絶対行けるようにと願をかけ、夫と二人で夜の部に絞った。
 20年ぶりに興行される仁左衛門丈出演の『堀川波の鼓』を見るためである。
 夫は『堀川波の鼓』は二度目、私は退い10年前は受験などのため、子育てに追われていた^^

 会場にはN.Kのカメラは入っていた。
 南座の係員女性に尋ねると、
 案の定、『堀川波の鼓』収録だろいう。
 係員曰く、
「お客様、さすがですね。ちなみに昼の部は、『金閣寺』を撮っておられました。」
と。
 いずれN,Kで放映されるかもしれない^^


 2019年南座顔見世の私のみた夜の部は、役者さんたちが嬉々とされており、観て満足のいくお舞台でした。

 ただ^^、
 中国旅行後のカメラの電池の充電を忘れ^^;;夜の様子や、南座の顔見世ならではの風物詩の一つ、竹馬の写真を撮ることができませんでした。


    ま!舞台がよかったので、良しとしましょう^^v



   < strong>
 夜の部 午後4時45分~

  堀川波の鼓 4:45-6:00
  
 
  

  

  近松全集(影印 途中まで)と歌舞伎全集で読んで舞台観劇に挑んだ『堀川波の鼓』

 『堀川波の鼓』に片岡仁左衛門丈がご出演されるということだけは知っていたが、後の出演者や他の演目名の予備知識はなかった^^

  行ってびっくり。

  配役の想像を間違っていた。

  夫役がの座衛門丈で、おっしょさん(御師匠さん)役は梅玉さんであった。

  
  舞台は新歌舞伎に近い流れではあったが、面白かった。


  幕間 15分

  釣女 6:15-6:50
  

  

  松羽目物^^

  何度も見た演目であるが、鴈治郎さんの『釣女』を見て、多くの方で見た『身替御前』(狂言では『花子』)の中で、田之助さんと鴈治郎さんのそれを思い浮かべていた。

  
  鴈治郎さんの私が見た日の『釣女』の化粧は おかめ、或いはは醜女というよりは、愛嬌と可愛げのある少し太根の女を演じられていた。

  化粧に愛嬌があり、可愛らしくて、おおよそブサイクとは言い切れない。

  演目の内容を知って会場中は大笑いしていたが、私、笑いながらも他のことを考えていた。

 『これは、役者の遊び心ではないのか?』
 と。
  役者は幕鬱で度々ストレス発散させた言葉を発するという。

  会場中は笑っていたが、実は、会場の女性たちが笑われていたのではないかといった穿った考えがふと頭の片隅によぎる。

  それほど、今回の鴈治郎さんの『釣女』は可愛らしく、ブサイク(笑)ではなかった。

  幕間にロビーのソファーで座っていると、一般観客の可愛げのあるお顔の多さに驚いた。

  いらぬ勘ぐりをされないように、もう少し化粧を、おかめに仕上げてもと感じたのは、私だけか。

  もっともこう行った愛嬌があるだけのブサイクではないメークは、翫雀さんだけに限ったことではない。

  もうお一方の、二人が釣れると行った対比から考えれば、こう行った演出が好ましいのかもしれない、と、ブス申す。


  幕間 30分

  新皿屋舗月雨暈 魚屋宗五郎 7:20-8:30
  

  
  役者さんみなさんが、大変力を入れておられた。


  現在の中村芝翫さんの力の入れようと研究心が半端なかった。

  多くの役者さんのようところを多く取り入れられ、それでいて、芝翫さんのみじからや砂らしさも全面的に前に出され、大変満足のいく芝居であった。

  現在の中村芝翫さんも、お父上の芝翫丈同様、素晴らしい役者さんだと感じた。

  またご子息の現在の橋之助さんが大変援護力を伸ばしておられ、見ていて気持ちが良かった。

  夜の部に行って良かった。
  

  幕間 10分

  越後獅子 8:40-8:55
  

  

  華やかで楽しい『越後獅子』の全ての若い役者さんたちは、全力で挑んでおられ、見ている側も背筋を正して楽しませていただいた。

  舞台も会場も熱が入り、大向こうの最後の言葉が、

 「良かったよ!!!最高!!」
  、であった。
  大向こうの方のこう行った言葉を聞くのは、久しぶりであった^^v 




  


  堀川波の鼓 
    
  

  釣女
   

  新皿屋舗月雨暈 魚屋宗五郎
   

  越後獅子
   

 


   「堀川波鼓」 近松門左衛門作 1  一オ

   「堀川波鼓」 近松門左衛門作 2  一ウ 二オ   

     他





  

  昼の部は次の演目でした。

  昼の部 午前10時30分~

  信州川中島合戦 輝虎配膳 10:30-11:10

  幕間 15分

  戻駕色相肩 11:25-11:55

  幕間 30分

  衹園祭礼信仰記 金閣寺 12:25-1:55

  幕間 20分

  仮名手本忠臣蔵 衹園一力茶屋の場2:15-3:50
コメント (6)
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松竹座 七月大歌舞伎 昼の部  『義経千本桜 渡海屋・大物浦』仁左衛門 孝太郎 菊之助 猿弥 彌十郎 鴈治郎   2019年

2019-07-11 | 歌舞伎





    松竹座 七月大歌舞伎 昼の部  『義経千本桜 渡海屋・大物浦』仁左衛門 孝太郎 菊之助 猿弥 彌十郎 鴈治郎   2019年




 

 

 

 

 

 

 松竹座の今年度の七月大歌舞伎は昼夜み終えた。

 昼の部、片岡我當様のお舞台の『厳島招檜扇(いつくしままねくひおうぎ)』は歌舞伎を長年にわたり見てきた私としては、感無量のお舞台であったことを書き記した。
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     大阪松竹座「七月大歌舞伎」2019年 昼の部より『厳島招檜扇(いつくしままねくひおうぎ)』片岡我當様のお舞台で、心を動かされる。役者魂を見せていただいた。

 

 昼の部で、心に残る、何度でも見たくなる演目があった。

 仁左衛門丈の『義経千本桜 渡海屋・大物浦』であった。

 私が見た日の仁左衛門丈は、感情移入よろしくの細部にわたる細やかな表情作りであった。

 私は仁左衛門丈の仕草や表情や声色を少しも見逃さぬようにと、私なりに凝視した。

 おそらく側から見れば、怖い!危ない人に見えたのではないかと少し心配。

 

 また、先日楽しんだ大和絵と文字で描かれた『舞の本』には『義経千本桜 渡海屋・大物浦』に関連性の高い冨樫や弁慶などの話が多々乗っており、それたも心の中で順序立てながら楽しんでいた。
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    『海の見える杜 舞の本を読む  微笑が愛した舞の世界の物語』石川透 星瑞穂編 (三十四話掲載)  舞の本「冨樫」を能楽、歌舞伎と比較しながら記録。

    『乱鳥徒然 湿気た土から息吹きを吸い取り、庭の花々は嬉々としている。弁慶は『舞の本』「冨樫」では子供に扇を与え、子供から冨樫状の関の様子を詳しく聞く。


 

 今回の仁左衛門丈の『義経千本桜 渡海屋・大物浦』は阿呆な言い方に変えれば、超男前で美しい。おまけに、相当の威厳と気品を感じさせてくださる。

 こんなに美しい役者さん。孝夫さん時代から四十数年来の美しさで、その魅力は私が高校生の頃も相当可愛いお年頃に変身(メタモルフォーゼ。いや、メタボルフォーゼ、ですわ^^)したおばちゃんですら、その魅力の虜である。
 
 
 
 仁左衛門丈の今回の芝居での気品、これは見た方なら皆感じ取っておられるのではないでしょうか?!

 夜の部で、隣席させていただいた殿方の話によれば。
「あの表情、見られましたか?」
「気品があるましたね。」
「あれはもう見られませんよ。」
「何回も見たくなるでしょう。」
「最高の舞台でしたね。」
など次々に話され、私の気持ちを代弁して下さり、二人の話に熱が入っておりました。

 

 仁左衛門丈の『義経千本桜 渡海屋・大物浦』をみ終えて、悲しい気持ちはずっと尾を引いていた。

 子供は義経に引き取られ安堵感はあるであろうが、それにしても悲しい結末。

 私は涙がなかなか止まらす、エスカレーターも踏み外しそうになった。

 
 一階に降りると仁左衛門夫人が例のごとく番頭さんのあたりに立っておられた。

 全く面識はないが、涙でくしゃくしゃのなった顔で、遠くから御夫人に頭を下げて松竹座を後にした。

 感動するような舞台をは楽しませていただたせめてものご挨拶であった。

 

 仁左衛門丈のお舞台は印象に残るものが多く、また、感動しすぎで二度ばかり腰を抜かしてしまったこともある。

 幸い夫と一緒で、数分ほど座っていれば歩けるようになったので良かったが、芝居で腰を抜かしたのは仁左衛門丈のみ。

 私にとって、嬉しい失態である。

 

 仁左衛門丈といい、片岡我當様の熱い思いのお舞台といい、大好きな秀太郎様の揚巻(『助六』曽我五郎の相手役))の台詞のパロディといい、今回の昼の部は大変満足の行くお舞台でした。

 まさしく歌舞伎を愛する会にふさわしく松嶋屋さん三兄弟  が揃って出演して下さり、感無量のお舞台でございました。

 これで先代の仁左衛門はんがいらっしゃったならと思うと胸が熱くなり、こみ上げて来るものがございます。


 お三方皆々様にはいついつまでもお元気で素晴らしいお舞台を披露していただきたい。

 心に残る素晴らしいお舞台をありがとうございました。

 感謝申し上げます。




 三、義経千本桜(よしつねせんぼんざくら)


  仁左衛門
  孝太郎
  菊之助
  猿弥
  彌十郎
  鴈治郎





 『色気噺お伊勢帰り(いろけばなしおいせがえり)』及び 夜の部の記録は後日を予定しています。
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大阪松竹座「七月大歌舞伎」2019年 昼の部より『厳島招檜扇(いつくしままねくひおうぎ)』片岡我當様のお舞台で、心を動かされる。役者魂を見せていただいた。

2019-07-08 | 歌舞伎



  大阪松竹座「七月大歌舞伎」2019年 昼の部より『厳島招檜扇(いつくしままねくひおうぎ)』片岡我當様のお舞台で、心を動かされる。役者魂を見せていただいた。
  この舞台は一生覚えているであろうと感じる。




 

 先日松竹座の七月大歌舞伎、昼の部を見た。

 片岡我當様の『厳島招檜扇(いつくしままねくひおうぎ)』、これには感動した。

 

 我當様は随分とお痩せになられておりましたが、先代の仁左衛門はんのようなお顔立ち。

 言葉も一生懸命、仕草も動作も一生懸命。何より威厳と存在感と品格を感じさせる。

 先代の仁左衛門はんも黒衣の方に支えられながら、お役柄に徹しておられ、鳥肌が立つほどの感動いたしました。

 

 我當様のお姿は、真の舞台人を感じさせました。

 最後に南座で拝見させていただいた先代の仁左衛門はん。
「仁左衛門はんのお通りぃ〜。」
の声を合図に、上手から下手に役者さんに支えられながらゆっくりと歩かれた。

 そのお姿は今も忘れず印象深いものですが、今回の片岡我當様のお舞台もまさしくそういった心を動かされるお舞台で、役者魂を見せていただいた素晴らしいものでした。

 

 片岡我當様の『沼津』や『近頃河原達引』が頭に浮かびます。

 素晴らしい役者様が舞台を愛され精一杯に演じられるお姿は、観客の心を動かします。

 我當様のお舞台を見て、涙があふれ出ました。

 昼の部を見てよかったと!


 我當様、舞台魂を拝見させていただき、誠にありがとうございました。

 ご自愛の上、これからも着方の部舞台を拝見させて頂ければ!と思います。

 

『厳島招檜扇(いつくしままねくひおうぎ)』以外の演目、『色気噺お伊勢帰り』 と 『義経千本桜』「大物浦」 。

 これらも大変に満足を感じるお舞台でした。

 

 近日中に七月大歌舞伎の夜の部を見ます。

 夜の部も好きな演目があり、好きな役者さんが多く出演されます。

 

 昨年(2018年)の七月大歌舞伎の某役者の襲名披露よりあと、歌舞伎が嫌いになりそうでしたが、見続けてよかったと感じます。

 良いお舞台を見せていただけたことに感謝申し上げます。

 

 

 
 

  『厳島招檜扇』
  中村福之助、中村萬太郎、片岡我當、中村壱太郎、片岡進之助、片岡松之助

『厳島招檜扇(いつくしままねくひおうぎ)』。厳島神社で、我當演じる隆盛を極めた平清盛が社殿の新造を記念し、祭祀を催そうとしています。
 しかし、大経堂の造営が間に合っていないことを知った清盛は、沈みかけた夕日を檜扇で呼び戻します。様式美あふれるひと幕で、約5年ぶりの本格的な芝居復帰となる我當に、客席からは大きな拍手が送られました。





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