乱鳥の書きなぐり

遅寝短眠、起床遊喰、趣味没頭、興味津々、一進二退、千鳥前進、見聞散歩、読書妄想、美術芝居、満員御礼、感謝合掌、誤字御免、

映画『歌行燈』  1943年 東宝 泉鏡花 原作 成瀬巳喜 監督  花柳章太郎  山田五十鈴 

2009-11-15 | 映画



      映画 『歌行燈』



 ★★★★★ ★★★★☆

  1943年 93分 日本 東宝


 原作 泉鏡花 『歌行燈』

 監督 成瀬巳喜男


キャスト

 花柳章太郎(男優) 恩地喜多八

 山田五十鈴(女優) お袖

 大矢市次郎(男優) 恩地源三郎

 伊志井寛(男優) 辺見雪叟

 村田正雄(男優) 宋山

 柳永二郎(男優) 次郎蔵   三味線をひき門付をしていた役者はこの人か?演技がものすごくうまかった。

 清川玉枝(女優) 春木屋のお兼



 泉鏡花 の『歌行燈』がテレビで放映されると言うことで、日曜日の朝,早々と床を離れる。

 時間があるので前に流された映画『ぼんち』を見たが、故中村鴈治郎丈が出演され、嬉しさはひとしお。

『ぼんち』を見る前に『歌行燈』はブルーレイに録画予約。

 これでよし。


 先ほど【泉鏡花 の『歌行燈』がテレビで放映されると言うことで、日曜日の朝,早々と床を離れる。】と書いたが,実はわたくし、歌舞伎の演目の中ではどちらかというと鏡花ものは多少苦手気味かも知れない。

 多分これは以前にも書いたかも知れない。

 だが歌舞伎と映画では違うのかも知れないという好奇心に押され,ここ一週間というもの、この映画を楽しみにしていた次第なのである。



『歌行燈』は日曜夜に家族とともに観た。

 二人とも,静かに食い入るようにテレビ画面を見つめる。

 能楽に携わる方の生き様が展開される『歌行燈』は、とても面白かったのだ。


 能。

 能を観たい。

 無性に能を聴きたい・・・。

 ここのところこの思いが強く,悶々とした感があった矢先の映画『歌行燈』である。

 面白くない訳が無い。


 ところでこの映画もわたくしにとっては初めて見る顔もあり、知らない役者が多い。

 お袖は田中絹恵だとばかり思っていたが,映画が終わって字幕を見ていると山田五十鈴。

 二十代の山田五十鈴は想像以上に美しかった。


 お袖(山田五十鈴)の舞った曲は『海士』の「玉之段」

 確か鼓ヶ原(?)で恩地喜多八に稽古を付けてもらう。

 霧が立ちこめた早朝、まわりの松を能舞台に見立てての能稽古は神秘的で素敵。

 この場面は好きなシーンの一つ。


 主役の恩地喜多八では無い役者で味線をひき門付をしていた役者の演技が感心するほどにうまかった。

 恩地喜多八に因縁を付け、歌わす。

 恩地喜多八の歌を聴き、酒を飲みながら、恩地喜多八に対しての心の変化を自然体で表現しておられ,心地が良かった。

 彼は柳永二郎という役者だろうか?

 わたくしにはわからない。

 いつもながら、頼りない話である。

 
 ここで心を引いたのは能楽のあり方。

 やじろべいさん、ねじろべいさんと言い合い歩む、能楽師の恩地源三郎と鼓の辺見雪叟。

 そして一方では、人の道に外れた息子を勘当するという能楽師の厳しさ。

 伝統芸能の根本と能楽に生きる精神的にも厳格な家系の厳しさの両方を垣間見たような気がした。

 

コメント (2)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

映画『ぼんち』 1960年 大映 市川崑市監督  市川雷蔵 中村鴈治郎 若尾文子

2009-11-15 | 映画



       映画『ぼんち』



 ★★★★★ ★★★★☆

 1960年 大映


 監督 市川崑

キャスト

 市川雷蔵

 若尾文子

 中村鴈治郎

 中村玉緒

 草笛光子

 越路吹雪

 京マチ子

 山田五十鈴




 本日、映画『ぼんち』を見た。

『ぼんち』は芝居と映画では少し脚色が違うのが、また魅力。

 こういった映画を見ると,大映映画の華々しい時代を知らないわたしはそれを知る人たちをうらやましく思うのである。


 映画には故中村鴈治郎丈が春団治役で最後をぴりりとしめられた。

 これにより若旦那(といっても高齢役)の一生とそれを示す人柄が小気味よく描かれたと感心。

 故中村鴈治郎丈のなせる技である。


 故中村鴈治郎丈は中村玉緒と親子で出演。

 素晴らしい・・・。


 素晴らしい女優さんたち。

 皆が主役のような実力を持つ方達ばかりを集められたこの映画・・・驚くばかりである。



 映画『ぼんち』は山崎豊子原作を映画化。

 三島由紀夫の『金閣寺』をタイトル『炎上』として映画化した 市川崑監督と市川雷蔵の組み合わせ。


 市川雷蔵はわたくしの年代にはなじみは無いが、なかなかの二枚目。

 なんだかわたくし『切られ与三郎』という芝居がかった衣裳とメークの映画が見たくてしょうがなくなった。


 ところで『ぼんち』は一言でくくると、船場の老舗 足袋問屋の若旦那の話。

 なかなか面白い。

 作家 山崎豊子の作品には船場の話が多いようだが,この船場の中での一種独特の決まり事はなかなかどうして、興味深いことが多い。

 船場、山崎豊子、故中村鴈治郎丈、市川雷蔵など,今後も気に留めながら、わたくしの知らない古い時代の邦画も楽しみたいと感じた。


 今回も記録のみにて失礼申し上げます。

コメント (2)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

映画『女ばかりの夜』 1961年 監督 田中絹代 原作 梁雅子  原知佐子 北あけみ

2009-11-15 | 映画


      映画『女ばかりの夜』



 ★★★★★ ★★★☆☆

 1961年 日本 92分


 
【スタッフ】

 原作 梁雅子
 監督 田中絹代
 製作 永島一朗 、 椎野英之
 脚色 田中澄江


【キャスト】
邦子 原知佐子
チエ子 北あけみ
亀寿 浪花千栄子
よしみ 富永美沙子
松子 田上和枝
小雪 関千恵子
留子 田原久子
しづか 千石規子
原田 春川ますみ
山下 平林三枝子
岸 新荘洋子
野上 淡島千景
北村 沢村貞子
岡田 岡村文子
高木達吉 桂小金治
高木よし 中北千枝子
高木一郎 佐藤徳明
高木みつ子 深沢裕子
林 中原成男
工場主 坂内英二郎
女監督 菅井きん
きみ子 野川美子
たけ子 深井陽子
早川司 夏木陽介
志摩 平田昭彦
志摩夫人 香川京子
寺の奥さん 水の也清美
過去の男 伊藤久哉



 11月13日。

 テレビの放映の映画『女ばかりの夜』を見た。

 原作は梁雅子の『道あれど』を原作。

 田中澄江が『女ごころ』として、脚色。

 昭和三十三年、売春防止法の施行を素軸において色々な女のドラマが展開。

 一部,女が女を暴力するといったかなりの過激な場面もあったが、社会ドラマとして筋の通った本映画は考えさせられる部分も多い。

 ほとんど多くの出演者(特に主役、準主役さんたち)は、わたくしには名前の知らない女優さんたち。

 映画作品として楽しめる秀作であった。



 今回も記録だけで,失礼致します。
 




コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする