第52回近畿・東海・北陸ブロック 民俗芸能大会
富山県 『念願坊踊』(10枚)
舞台が芸能で客席中央或は櫓に神が宿るとされている。
ところが富山県の『念願坊踊』は違う。
初っぱなからこどもたちが客席を背に踊り始める。
こういった踊りは初めてだ。
何か意味深い物を直感的に感じるが、それが何であるのかはわからない。
説明では本来 次の順で踊られた。
子 1 なげ
2 奴
3 六法
「おい まだまだ………」
4 おいらさん
5 どもまた
「大和土産の………」
「どもりなまりの………」
6 お客さん
「お客さんが籠でおいでじゃ………」
大人 7 お大臣
今回は時間の関係上、奴とお大臣の二演目。
大人も子どもも演じ手は「おい まだまだ………」で横を向き手をふる。
手は歌舞伎風の六法風ではなく、「こっちへおいでぇ」といった手の振り方だ。
子どもから大人に変わるこういった展開は、三番叟のように五穀豊穣に由来するのではないかと感じる。
三番叟は元をたぐると子ども三人とされたようだが、小さき者から大きい者に移り変わる姿は稲の成長に託されていると何かに書かれていた。
そう言えば『念願坊踊』で舞台上手下手を向き六法を降る姿は、風になびく田の稲穂にみえないことも無い。
根拠の無い感覚が頭をよぎる。いい加減なことだが、一人妄想は楽しいものだ。
日本各地には傘踊りは広がりをみせるが、『念願坊踊』でもみることができる。
頂いた解説書によると、傘の棒には次のように書かれてるという。
「念願坊踊」
「天下泰平」
「豊年満作」
念願坊とは、市内を托鉢して歩いた僧形の大道芸人の願人坊のこと。(頂いた解説書による)
『念願坊踊』はあやこ踊りが基本とのことだが、姿は黒の法衣にねじり鉢巻姿の坊主。
「天下泰平」「豊年満作」を祈願した『念願坊踊』はての動きが繊細で、伝統芸能として見応え聞き応えがある。
わたしは個人的にこの『念願坊踊』が好きだった。
勧進帳や狐六法なども好きなわたしには興味深い踊りと言える。
演目の全てを見てみたいと言う気持ちになる。
今回 『念願坊踊』を知ることが出来、民俗芸能大会を拝見させていただいて良かったと痛感した。
歌舞伎の好きなわたしにとっては、気になる踊りだと言える。
また、踊りが見られなくとも、こういった伝統芸能がある富山県に行ってみたいという気持ちが強まる。
是非行ってみたい。
みなさまへ
最後までお読み下さいまして、ありがとうございました。
写真は全てぶれてしまい、申し訳ございません。
見て下さいましたこころ優しいみなさま、感謝申し上げます。
ありがとうございます。
関係者のみなさまへ
最後になりましたが、関係者のみなさまに心より御礼申し上げます。
楽しく貴重な経験をさせて頂きまして、誠にありがとうございました。
2010年10月24日 奈良県郡山市 やまと郡山城ホールにて
第52回近畿・東海・北陸ブロック 民俗芸能大会の最初の演目記録
愛知県 『大海(おうみ)の放下』(12枚)
奈良県『惣谷狂言』「狐釣狂言」(4枚+2枚)
富山県『念願坊踊』(10枚)(今回分)
他 四演目