2011年読書記録
48; 『世界の詩 34 草野心平詩集』
草野心平 (著)
津曲篤子(発行者)
上野基之丞 (印刷)
彌生書房
昭和41年(1966年)7月25日第1版
154ページ 300円
先日はこのブログでも次の詩を書き写した。

春 草野心平
天下は実に春で。
雲はのぼせてぼうっとしてるし。
利根川べりのアカシヤの林や桃畑の中をあるき。
おつけのおかずになづなをつみ土筆をつみ。
なんとも美しいバラの新芽をつみ。
樹木や草からは新しい精神が。
それらがやはらかにぬくまつて燃え。
五六羽小鳥たちはまぶしくうるむ空をかすめて。
流れてゆくその方向遥かに。
雪の浅間の噴煙が枝々の十文字交叉をとほして……。
虫けらたちも天に駆けあがりたいこの天気に。
ああ。実際。
土筆の頭の繁殖作用や。
せきこんで水を吸ひ上げる樹木の内部の活動や風のそよぎや。
よろこびのものうい音楽はみち。
なづなをつんでるおれとおまへよ。
尾長猿のように木をとびまはり夜叉になりこの豊満をなきたくなり……。
世界の詩36 草野心平詩集
田村隆一編 弥生書房 39、40ページ より

しかし、草野心平の詩はブログで書き写してもよいものかと、悩んだ。
例えば「わが抒情詩」の 中の【あああああ。】
あああああ。
は
あ
あ
あ
あ
あ
。
であって
あああああ。
では表現内容が変わる。
草野心平の詩ではこういった前衛的な言葉や空間使いや強調のための太文字が多く、ブログの横書きんの写しでは無理が生じると感じた。
そうして今回草野心平の詩を読んでどのように感じたか…。
ここでは省略したい。
ただいえることは「旋餓鬼」などを読んで、今現在のわたくしにとっては 地元民の生活に密着した民話や民謡の方がこころになじむのかもしれないと思った。
おしまい

見て下さいまして、ありがとうございました。
今回も題名記録のみにて失礼申し上げます。