
金刀比羅宮での成功祈願

香川県琴平町に現存する日本最古の芝居小屋、旧金毘羅大芝居(金丸座)で行われる
第二十七回
四国こんぴら歌舞伎大芝居
平成23年4月9日(土)~24日(日)
第一部 (午前11時開演)
一、一谷嫩軍記
熊谷陣屋(くまがいじんや)
熊谷次郎直実 染五郎
藤の方 高麗蔵
弥陀六 猿 弥
源義経 門之助
相模 芝 雀
二、天衣紛上野初花
河内山(こうちやま)
松江邸広間より玄関先まで
河内山宗俊 幸四郎
高木小左衛門 東 蔵
宮崎数馬 松 江
北村大膳 錦 吾
腰元浪路 高麗蔵
松江出雲守 梅 玉
第二部 (午後3時開演)
一、御存 鈴ケ森(すずがもり)
幡随院長兵衛 幸四郎
飛脚早助 松 江
北海の熊六 猿 弥
東海の勘蔵 錦 吾
白井権八 梅 玉
二、藤娘(ふじむすめ)
藤の精 芝 雀
三、涌昇水鯉滝
鯉つかみ(こいつかみ)
滝窓志賀之助/鯉の精 染五郎
小桜姫 芝 雀
堅田刑部 門之助
粟津郷右衛門 猿 弥
呉竹 高麗蔵
篠村次郎 東 蔵

わたくし芝居で遠征は無理でございます。
高麗屋さんの「河内山」と「鈴ケ森」なのでございます。
おまけに「鯉つかみ」と言う演目内容を知らないのでございます。
人間諦めがカンジンチョウでございます。
それにしても今年は幸四郎丈なのでございます。
お顔が特別に好みという訳ではないのでございます。
演じ方と声とお人柄とお品が好きなのでございます。
金毘羅船々でございます。
「お池」でも「追手」でも無く「追風おいて」なのでございます。
「ばぁかめ!」(河内山)なのでございます。

松本 幸四郎 歌舞伎美人より ▼
19年ぶり3回目のこんぴら歌舞伎になります。雨の降る中をこのように素晴らしいお練りで迎えていただきありがとうございます。皆様方の温かいお顔や、目の輝き、手のぬくもりを感じられ、本当に胸がいっぱいです。感動や勇気を皆様に与えることができますよう、そして千穐楽の日には、日本に笑みや喜び、勇気と元気が少しでも戻りますように、一心に舞台を勤めさせていただきます。

三、涌昇水鯉滝
鯉つかみ(こいつかみ)
明治9年の大火で道頓堀が全焼した後、再建した角座の柿落とし公演は『新舞台清水群参』(しんぶたいきよみづまうで)という通し狂言でした。この時の初代市川右団次(後に初代市川斎入)の"鯉つかみ"の芸が好評を博し、ケレン味たっぷりのこの舞台は大評判を呼びました。その後二代目市川右団次が受け継ぎ、大正年間まで演じました。昭和になり、33年8月大阪毎日ホールにて三世實川延若主演、48年8月南座にて片岡我當主演で上演されました。
物語は琵琶湖畔で始まります。釣家の小桜姫がほたるを追ううち、腹痛を訴えると湖水の彼方から美しい稚児姿の滝窓志賀之助が現れました。志賀之助が姫に薬を与えるとその薬が効いて姫は元気を取り戻します。しかしその正体は先祖の積年の恨みを晴らそうとしている鯉の精の化身でした。やがて本物の志賀之助が鯉退治に乗り出します。今回の公演は実に40年ぶりの上演となり、染五郎の鯉の精、滝窓志賀之助の二役、芝雀の小桜姫で上演いたします